吉祥寺駅から徒歩5分、古い雑居ビルの薄暗い階段を上ると・・・
・・・謎のメッセージ。
気になりますが、まずは矢印の方向に進みましょう。
はいはい。そちらを上るのですね?
温かな灯りに誘われるように、頭で考えるよりも先に私の右足は扉の向こうへ・・・
あぁ、これは「コケの自然誌」の一節。私もこの本、大好きだ。
緑豊かな森に生えるコケや地衣類などに焦点を当てた写真作品が多い大橋弘さんの個展が
1月31日(日)まで、東京・吉祥寺の食堂「ヒトト」のギャラリーで開催されている。
コケ友Yさんのブログムクムクゴケ日記で案内されていたのを読み、とてつもなく心惹かれていたら、
ラッキーにも会期中に東京出張があり、先週、ギャラリーを訪れることができた。
コケに地衣類に粘菌、ちょっと暗めのトーンで切り取られたそれらは、
どれも静かな迫力があり、もしかしたらどこか遠い星の生命体なのでは?と
想像を膨らませる異質さがじわりじわりとにじみ出ている。
でもどこか、私たちをそっと優しく抱擁してくれそうな柔らかさも潜んでいて。
被写体の「本質」というような、なんとも言葉にするのが難しい類のものを、
じつに見事に写しとっている作品の数々だと、私には感じられた。
▲こちらは食堂「ヒトト」の入口ドア
なお、ギャラリー内の作品を堪能したら、ぜひ反対側の階段を上って、食堂「ヒトト」ものぞいてみてほしい。
そこにはまたステキな空間が・・・
なんと店内の一角には本物のコケとルーペ!
このコケ好きにはたまらない演出に、まだお会いしたこともない大橋さんに勝手に親近感を覚えてしまう。
結局、お店で何の注文もせず、ただただ写真やコケを見て15分ほど居座ったのだが、
店員さんがとても親切で「全然かまいませんよ。ゆっくり見てください」とのこと。
さらにギャラリーや店内の風景写真をブログに掲載することにも快く承諾してくださった。
▲左:写真集(1000円)、右:DM(無料)
もちろん今回の展示写真が掲載された写真集も購入。
じつはこちらにも、心にくいサプライズが!
というのも購入時に店員さんが、
「写真集は、大橋さんが描かれたコケイラスト入りと、イラスト無しとがありますが、どちらがよろしいですか?」
と尋ねてくるではないか。
(えっ!イラスト入りなんてあるの?!)
と驚きつつ、やはり頭で考えるより先に口が、
「もちろんイラスト入りで!!」
と即答したのでありました(笑)。
手描きイラストは一冊ずつ描かれているイラストがちがい、
どれにしようかしばらく悩んだが、こちらに決めた。
▲写真集の裏表紙にはコケのイラスト。もちろんDMの裏表紙もコケコケしております
開催は1月31日(日)まで。今日を入れて会期終了まであとわずか3日。
お店が入っているビルの取り壊しに伴い、食堂「ヒトト」閉店前の最後の企画展だという。
開催時間は12時~22時まで。仕事帰りでも立ち寄りやすい時間帯までオープンしているのがなんともありがたい。
ご興味がある方は、ぜひこのチャンスをお見逃しなく。
なお、行けないという方でも、こちらの公式ホームページから作品をいくつか見ることができる。
思わずため息が漏れる美しい空間が広がっています。
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【お知らせ&御礼】
コケ好きのためのカレンダー「苔暦2016」が、おかげさまで残部僅少、まさかの完売寸前です。
お恥ずかしながらカレンダーを作り始めて4年がたちますが、
毎度毎度、自転車操業的に製作費を捻出することが常だったもので、よもや完売寸前なんて・・・シンジラレナイ!
こんなこと初めてで、はっきりいって動揺しております(ブルブル。。でも嬉しい)。
ご購入者の皆様は好きで買ってくださっているとは知りつつ、
買ってくださるおかげでこちらもまた次が作れます。本当にありがたいです。
品切れ次第販売終了となりますが、
1月いっぱいは受付けておりますので
ご興味のある方はお早めにお申し込みください。