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山形コケ紀行(その2)&「お知らせ」を2つ

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6月もなんやかんやで小忙しい日々を送っております。
あぁ、今年はもうちょっとゆったりとブログが書けると思ってたのに・・・。
気力はまだしもなんといっても体力が追いつかないよ。


<私信>
いよいよ明日の夜は荻窪の書店Titleさんでトークイベントが開催されます。
本物のコケを持って行きますので、もし自分のルーペや霧吹きをお持ちの方はご持参くださいませ!
(もちろん持っていない方のために、こちらからも準備していきます)


----------<お知らせ>----------


●その1:池坊華道の専門誌『華道』にコケ特集

 


オカモス関西支部長Mさんからのご紹介で、池坊華道の門弟の方々が主読者といういけばな専門誌『華道』の取材を受けました。
なんとロケ先は京都の「苔寺」こと西芳寺! 取材当日は取材を受けたというよりも自分が取材に行ったような気分で、
美しい苔庭の写真をたくさん撮って帰ってきました(誌面はもちろんプロカメラマンによる撮影です)。

基本的に一般誌ではないので誌面をご覧になれる方は限られていると思いますが、
このブログを読まれた池坊華道の方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧になってみてください。


  
▲誌面の雰囲気をちょっとだけご紹介。西芳寺のはじめ、いけばなとコケのかかわりなど6ページにわたった贅沢な特集です


ちなみに、池坊華道といえば、その初代家元・池坊専好(いけのぼうせんこう)の半生が描かれた、
現在公開中の映画『花戦さ』が話題。なんでも「いけばな」がテーマの映画というのは世界初なのだとか。
「もしかしてコケも登場しているかしら」と淡い期待を胸に公開初日に観に行きましたが(じつは野村萬斎ファンでもあるもんで)、
やはりテーマはいけばななのでコケは登場せず・・・。でも役者もいけばなも豪華でなかなか面白かったです。



●その2:「『はじめてのコケ観察会』参加レポートin 水元公園(東京都葛飾区)」

日本のこれからの観光の可能性やスタイルを探ることをテーマにしたサイト「観光 Re:デザイン」にて、
コケについての記事を書かせてもらったことは前回に紹介しましたが、
同サイトのスタッフの方が、4月に行われた水元公園のコケ観察会に実際に参加してくださり、そのレポートを書いてくださいました。

このブログでの紹介がまたも遅くなりましたが、少し前から記事がアップされています。ぜひご覧くださいませ。

※記事はこちら→ 



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さて、ここからは山形コケ紀行のつづき。

湧水が豊富なところはコケも豊富だろうと踏んで遊佐町周辺の湧水地巡りに的を絞った今回の山形旅行。
第一目的の湧水地から帰る頃にはすっかり夕方になっていたので、その日はそのままホテルへ。



▲ホテルからの眺め。この日の日本海はとても穏やかで夕日がきれいに見えた


翌日はこれまた義理姉の事前リサーチにちゃっかり乗っかって、湧水の名所に連れて行ってもらう。



▲釜磯海水浴場



▲こじんまりした海岸ながら、砂浜から真水が湧き出ているという不思議な場所






▲浜辺の岩には、私の中の気になる磯の生き物ナンバー1の「フジツボ」がびっしり!



▲海水浴場からすぐの所にある「神子の水(かみこのみず)」。湧水を利用した地元民の共同の洗い場。
 1番上は飲料で、一番下の段は子供のおしめを洗うのに使われていたとか。今も現役で、この日は海藻を洗ったあとが残っていた


道の駅での昼食を挟み、そこから再び車で移動。
今回の旅で一番印象に残った湧水の絶景ポイントへ。






▲角度によってスカイブルーやエメラルドグリーンに見える湧水100%の池・丸池。
 直径約20m、水深5メートルほどで、池の底まではっきりと透けて見える水の透明度





▲ 小さな池ながらなんともいえない神秘的な雰囲気があり、時間に余裕があればもっと見ていたかった。
 地元民からは信仰の対象として「丸池様」と呼ばれているという



▲池のそばにひっそりとたたずむお社





▲さらに丸池から歩いて数分のところにある牛渡川(うしわたりがわ)。こちらの水は無色透明。川岸の所々から水が湧き出しているのが見えた



▲なんと。ここには清流にしか生えないというバイカモの大群落が!



▲近くで見ると、なんだか金色のクジャクの羽で作った織物のようなファンタジーな代物に見え・・・



▲遠目で見ると群落一つひとつがゆらゆらと水中で揺れる様子がなんだか生きもののように見え、
 「ジブリ作品のキャラクターになりそう」とか思ったり・・・って、やっぱりファンタジー




▲牛渡川近くの永泉寺(ようせんじ)。なんともこの土地らしい名前。昔は出羽三山を崇拝する山岳信仰の修行の場だったという
 あまりうまく撮れなかったけど、コケ生す石段があり、手前の樹幹のホソバオキナゴケが大群落だった



そして最後は車で少し移動して、コケ図鑑の担当編集者Eさんもイチオシだった胴腹(どうはら)の滝へ。



▲山の斜面から豊富に湧き出る水がゆるやかな滝状になっている







▲冬でも凍らないことから年中、飲み水用に水を汲みに来る人が訪れるという






▲小さなお社の左右に流れる滝は湿度も安定しているのかとくにコケ生していた




▲胴腹の滝に最近立てられたと思しき看板


景勝地の写真を撮るのが好きな人などにはこういった自然味あふれる景観のムードに水を差す代物かもしれないが、
ただ「じゃまだなぁ」ではなく、そもそもこの看板が立てられるに至った経緯を想像することも大切なのではないかと思う。

何もしないとコケや他の小さな植物が踏みつけられたり、剥がされたりして、
だんだん景観美が損なわれてきた経緯があったのではないか。

この看板は、地元の人がそれだけ長くこの場所を見守り続けており、
大切にしている表れなのだなと私などは逆にちょっとホッとしたのであった。


以上、途中からコケというよりも、ただただ湧水を追っかけていた感のある今回の山形コケ紀行。

家族旅行だったため、コケばかりを一人で眺めているというわけにもいかず、
たしかにもっとじっくり見たかったという悔いも少し残るが、
それでも、ずっと憧れてきたエリアを巡れたという満足感は大きかった。

これを足掛かりに、次回は5月はまだ雪が残っているだろうということで今回は諦めた
遊佐町にほど近い獅子ヶ鼻湿原(秋田県にかほ市)で「鳥海マリモ」をぜひ拝みたいところだ。


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