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夏の苔見納涼会&【コケ情報】10/19(土)左木山祝一さんの1日講座「探検!ミクロな生物の世界~そよ風氏の理科の時間~」

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▲コケカレンダー「苔暦2019」の9月より。北八ヶ岳のセイタカスギゴケ


いやぁ、(もしやもう更新はないのではこのブログ・・・)と思ってました、ワタシも(笑)。
でもどうにかまた更新することができました。
はぁ~、よかった!

てなわけで、すっかりご無沙汰しております。
このブログを時々覗いてくださる奇特なあなた、お元気でいらっしゃいましたか?
更新はしていませんでしたが、おかげさまで私は変わらず元気にしております。

・・・・・

さて、この夏は家事育児仕事にひたすら邁進、そして時々コケを楽しんでいたのだが、
ここ数か月間ギリギリでがんばってくれていた10年選手のパソコンが7月初旬頃から作動が超絶に鈍くなり、
次いで15年選手のCanonの一眼レフまでも7月下旬にとうとう壊れ、しばし途方に暮れてしまったのだった。

とくにカメラのほうは、コケに興味を持ち始めた時分からの付き合いで、国内外問わず一緒にあちこちを旅した一番の相棒的存在。
「キミの後釜になるカメラなんてとうてい見つけられそうもない…」と感傷的になったりもしたが、8月に入ってから意を決してヤマダ電機へ。

以前にキノコ写真家の新井文彦さんがお勧めしてくれた機種を第一候補に!と心に決めて行ったものの、小心なので一度店に行っただけではやはり決められず。
3度目のトライでようやく腹をくくって、このたびOLYMPUSの新しいカメラをわが家にお迎えすることになったのだった。
15年ぶりに買った一眼レフ(ミラーレス)は正直、便利な機能が多すぎて全然使いこなせていないが、少しずつ慣らしていきたいと思っている。

そしてパソコンのほうも、夫(パソコンオタク・・・もといパソコン有識者)のご指導を仰ぎまして、より軽量で薄型の持ち運びしやすいノートパソコンに買い直した。
作動が速いだけで、もうストレスがめちゃくちゃ軽減されたうえ、外でも仕事ができるしブログも書ける、
さらにバッテリーも長持ちとあって、とても快適なパソコンライフを送らせていただいている。

そんなこんなで環境も整い、お盆帰省や3大会ぶりのコケ学会参加など、この夏の大きな行事も無事に終わって、
ようやくブログに取りかかれるタイミングとなったわけである。やれやれ。
今年はとくに書き残しておきたいコケメモリーが満載なのだが、年内に書ききれるかしら。
2019年はあと120日ほどある。どうにか諦めずにいたいところである。


とりあえず今日は、この夏のコケ活動の一コマを。

去る7月中旬、オカモス関西支部のメンバーHさんのアトリエで行われた、コケを愛でて涼をとる〝苔見納涼会〟(←私の勝手な命名)に参加した。

Hさんのアトリエはマンションの1階にあり、こじんまりとた上品なお庭がついている。
この庭に昨年、同じくオカモス関西支部のTさんが長年大切に育ててこられた数十種類のコケを移植した。

Tさんがコケたちを育てていた場所もマンションの1階のお庭で、三方はブロック塀で覆われており、環境はHさんのお庭とよく似ているという。
しかし、なにぶんコケというのは気難し屋で、自分の住環境には特にこだわりが強い生き物。
人間の感覚ではわからないほどの日差しや湿度、風向きなど微環境の変化を敏感に感じ取り、お気に召さなければあっという間に逃げてしまう(つまり枯れてしまう)。
私は部外者ながら、(移植してしまってちゃんと育つのだろうか・・・)と当時は心配したが、1年経って伺ってみると、多くの種類がしっかり生きていてくれた。


   ※以下はすべてスマホ画像。写りがあまりよくないのですが、ご容赦くださいませ。



▲シェードとスプリンクラー完備のHさんのお庭。これで適度な湿度と影の確保はばっちり。
 午前中に1~2時間ほどしっかり太陽の光が当たった後は、ほとんど日陰になる立地だそうで、それもコケの生育には好条件なのだろう


  


  

▲庭にはコケ以外にも、シダやアジサイ、ギボウシなどが並ぶ。鉢には移植して増えたコケ、また地面には移植する前からはびこっている先住者たちも・・・


当たり前だが、コケも維管束植物も種類が違えば、一つとして同じ緑色はなく、
様々な緑色が幾重にも折り重なって作り上げられる景観はじつに涼しげ。
視界から体感温度がマイナス2~3度下がったような気分だ。

皆でひとしきり庭を愛でた後は、それぞれにグラスをもち乾杯。
これまたHさんが用意してくれたサラダやオードブル、チーズなどに舌鼓を打つ。





そうこうしているとHさんが、
「あ、ちょっと待って!このチーズだけは、まだ食べないでくださいね」
と各自のお皿に盛られた複数種のチーズのうちの一つを指さす。

何事かと思えば、なんと、
「このあとジャゴケをその上にのせますよ!」
とのこと。

えぇ!! 
なんと、まさかである。

驚いているとHさんは、
「これからジャゴケを収穫してきますね~」
と颯爽とお庭に出て行かれた。すかさず私もそのあとを追う。

さぁ、家庭菜園ならぬ家庭苔園で収穫したジャゴケを使った〝コケの3分クッキング〟の始まりだ!
気になる今日のメニューは、「フライドジャゴケ」です。



▲ジャゴケを収穫中のHさん。まるでハーブを摘むかのような感覚で、チャッチャとジャゴケをはぎとる。あまり土のついていないものをチョイスするのがポイントです



▲収穫したジャゴケ。これ以上の採れたてはないというくらい新鮮です



▲仮根はナイフでそぎます



▲そして、よく水で洗います



▲フライパンにはオリーブオイルをしいておく。ジャゴケは水気をよく拭き取ります



▲熱したフライパンにジャゴケを投入!



▲あっという間にきれいに揚がりました



▲揚げると透き通るような色合いになるジャゴケ。これで「フライドジャゴケ」は完成!



▲取っておいたオードブルのチーズにのせるとこうなる


さて、気になるお味はというと・・・・参加者全員が声をそろえて

「こりゃ、チーズが勝つな」

だったという(笑)。


でも、ジャゴケ単体で食べた人からは、

「ほんのりだけど磯の香りがするような」

「海苔に近い感じ?」

との声も。


れっきとした陸上植物ながら、葉が薄くて乾燥に弱い、受精は必ず〝水〟を介して行われるなど、
いまもところどころに水生植物時代の名残を体に残すコケのこと。
味がどこか海苔っぽいというのもなんだか腑に落ちる。

コケで涼みながら面白い発見もできた苔見納涼会なのだった。



そして!まだ終わりません!

この日は、同じくオカモス関西のメンバーであるSさんの初めてのご本「コケの国のふしぎ図鑑」の出版を、ささやかながら皆で祝った。

ご存じの方も多いと思うが、Sさんとは左木山祝一さん、コケの種名が知りたくてインターネットを検索すれば、
必ず上位にヒットすることでおなじみのブログ「そよ風の中で Part2」のそよ風氏、ご本人だ。






この日のために本を持参したところ、ありがたいことにご本人が初めて書くというサイン第1号を頂く。


  


この「コケの国のふしぎ図鑑」は図鑑としても、また写真集のような楽しみ方もできる一冊で、さまざまな角度からコケの美しさが堪能できる。
読んでいると、左木山さんが普段からルーペや顕微鏡で眺めておられるコケの世界を追体験しているようだ。
コケの各部位の機能や生態についても詳しく書かれているので、コケに興味があるという方には必携の書だろう。
また、本書の随所に出てくるかわいいコケテラリウムは、鎌倉を拠点に活躍されている「苔むすび」の園田純寛さんによるもの。

すでに私がいろいろ書く間でもなくamazonではすでに高評価。プレセントにも喜ばれると思います。


なお、10月中旬には左木山さんの出版記念講座も神戸で開催される。
すでに申込受付が始まっているとのことなので、興味がある方はぜひお席が埋まらないうちに早めにお申し込みくださいませ。





※お申し込みはこちらから→  (NHK文化センター神戸教室のホームページへ飛びます)

なお、11月中旬には先述の新井文彦さんの隠花植物鑑賞&撮影入門講座も同じく神戸教室で開催されますよー。 → 


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