▲福岡県にて(2019年8月)
ひところの昼夜問わずの酷暑からは解放され、ここ最近は朝晩が少し過ごしやすくなってきた。
入道雲とうろこ雲を交互に見ながら、夏と秋の匂いをどちらも感じられるこの季節がとても好きだ。
とはいえ、これからの実りの秋を前に、台風が心配な時季でもあるのだが・・・。
そんなコロナ禍のまま突入する秋のはじまり、皆さまはどのようにお過ごしですか?
こちらはいまだ県内外のコケを自由に見て回ることができないストレスを抱えながらの日々ですが、
先週末は、8/30まで鳥取県立博物館で開催されていた「変形菌展」を観に行くべく、日帰りで鳥取県へ。
久々の日帰り旅行(しかも人生初の鳥取県!)に心身ともにかなりリフレッシュできました。
やはり私の人生に旅は欠かせない。つかのまでも旅ができる喜びを噛みしめた次第。
早く何でもない日常がかえってきてほしいなぁ。
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さて、コケ繋がり、キノコ・粘菌(変形菌)繋がりの諸先輩方が
この秋冬に神戸で一日講座(座学)を開催されますので、そのお知らせです。
●10月3日(土)13時~「探検!ミクロな生物の世界」講師:左木山祝一氏
コケ好き、虫好きの人必見のブログ「そよ風のなかで Part2」の主であり、
『コケの国のふしぎ図鑑』の著者である左木山さんの講座です。
昨年に続き第2回目の開催となります。
※お申し込みはこちらから→ ☆ (NHK文化センター神戸教室のホームページへ飛びます)
●12月6日(日)13時~「きのこや粘菌をとことん楽しむ方法」講師:新井文彦氏
北海道や東北でキノコ・粘菌(変形菌ともいいます)の写真を撮り続けている写真家の新井文彦さんの恒例の講座。
新井文彦さんといえば、これまでたくさんのキノコや変形菌のご本を出しておられるほか、
ほぼ日の「きのこの話。」でご存じの方も多いはず。
毎年、この講座のためにわざわざ神戸にお越しくださるという新井さん。
講座の後には今年も一緒に六甲山界隈をコケさんぽしたいなぁ。
※お申し込みはこちらから→ ☆ (NHK文化センター神戸教室のホームページへ飛びます)
どちらの講座も受講申込みはすでにスタートしているとのこと。
興味がある方はぜひお席が埋まらないうちに早めにお申し込みくださいませ!
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さて、話は飛ぶが、じつは今日から2日間、コケの研究者が集まる学会「日本蘚苔類学会」の第49回高知大会が開催される。
とはいえこのご時世なので、今回は高知県に集合せず、zoom内で研究者各自の発表、総会、懇親会などが行われる予定だ。
直接会えないうえ、現地でのエクスカーション(コケが豊富な場所でのフィールドワーク)がないのはさみしい限りだが、
オンラインになったことで、いつもはなかなか参加できない遠方の学会員の方々の参加が多いというのは喜ばしいことだ。
それで、ふと思いついて、昨年(2019年)の第48回福岡大会はどんなふうだったかなと、
コケの画像ばかり入れているパソコン外付けのポータブルハードディスクの中を探してみた。
昨年の学会は2019年8月27~29日開催で、最終日のエクスカーションは県内の野河内渓谷を訪れていた。
とはいえ、ちょうどこの3日間は台風が九州に接近していて福岡県内も連日大雨。
野河内渓谷に向かう際に至っては局地的集中豪雨を受け、バスも道中で足止めをくらう。
学会の常連で岡山から参加のKさんの
「ごめ~ん、オレの強力な雨男パワーでこんなことになっちゃって!」
との冗談に笑いながらも、私は内心(本当に行くのはムリかも…)と
バスの屋根を打楽器みたいに叩きつける雨粒の音を聞きながら半分あきらめモードだった。
それでも、会員たちは全国各地からせっかく福岡県まで来たのである。
学会員全員の一縷の望みを繋ぐかのようにバスは雨雲の合間を縫うようにゆるゆると進んだ。
そして、ちょうど渓谷入口の駐車場に到着したとき・・・・・・
なんと、不思議なくらいぴたりと雨がやんだのだ。
「奇跡!!」
私をはじめ、おそらく多くの学会員が心の中でそう叫んだことだろう。
なぜこんな奇跡が突然?!
そう、じつはバスには学会初参加で、事前に台風の予報があったにもかかわらず、
「私、めちゃくちゃ晴れ女なんで。」
と折り畳み傘すらもってこなかった、埼玉が生んだ最強晴れ女のOさんが乗っていたのだ!!
その時、余裕の表情で「台風に勝ちましたね」とさらりと言いのけて
静かにバスを降りていくOさんの背中がどれだけまぶしかったことか!(思わず手を合わせて拝みました)
いま思えばその瞬間をカメラにおさめておけばよかったと後悔しているが、
とにかく、雨上がりのコケ、嬉々としてバスを降りていく学会員たち、
学会の活動に毎度雨を呼び込む雨男vs霊長類最強の晴れ女、すべてがキラキラした思い出である。
そして、あの時のなにもかもがいま猛烈に恋しい。
▲バスを降りて一番最初に目に留まったフデゴケ
▲カビゴケ。植物体が濡れて形状がルーペでもはっきり見えなかったが、匂いをかいだらすぐわかった
▲ヒメシノブゴケ
▲じつは上のヒメシノブゴケの生えているところから数十センチ離れたところに
近縁種のトヤマシノブゴケも生えていた。「区別つきません~!!」と混乱気味のコケ好きたちに、
すかさずK先生が違いを説明してくださり、ありがたや~!な1枚
▲タマゴケのタマちゃん。春は青りんごのような形状の胞子体が美しいが、真夏はこんな感じ
▲渓谷まわりの民家の裏道
▲民家の脇を流れる水路にはカニも
▲駐車場の目の前の田んぼ。カナヘビ(かな?)の赤ちゃんもいました
▲田んぼといえばつい探してしまうのがイチョウウキゴケ。大量のウキクサ(アオウキクサかな?)に
完全アウェイな状態ながら、がんばって稲の根元にしがみついていました
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コケ恋しい9月&【コケ、キノコ・粘菌情報】NHK文化センター神戸教室にて人気の講座がこの秋冬にも!
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