コケ手芸家でありMyコケ友でもある吉田有沙ちゃんとの共同企画・制作の
「ひみつの部屋でコケトリップ展」(10/8〜14)が、
おかげさまで無事、盛況のうちに終わることができました。
お越しくださった方、この展示を影で支えてくださった多くの方々、
そしてどんくさい私に愛想をつかすこともなく、
この企画展を良い方向に導いてくれた吉田有沙ちゃんに改めて御礼申し上げます。
コケ展が終わったいま、感想をひとことで言うならば、
「とにかく予想以上の人の多さにびっくり!頑張ってチャレンジしてみてよかった〜」
です! (達成感!!)
最近なんとなくコケが気になっているという方から、
コケ好きが周囲にいないため一人でコケを楽しむ隠れコケ好きさん、
そして周りからの奇異な目で見られつつも
「コケ、好きだぜ!」と公言しているカミングアウト組、
さらには第一線でコケを研究している?コケ屋?の皆さんまで
コケの周りには、こんなに大勢の人がいたのかと本当にびっくりしました。
なお、帰りにご都合のつく方にアンケートに答えてもらったところ、
140人近くが用紙に記入してくださいましたが、
その年齢も6歳〜70代までと実に幅広いことといったら!
そしてこれは私の感覚ですが、おそらくアンケートを書いてくださったのは
来場者の2/3くらいかと思うので、実際に来場してくださった数は、
1週間で合計200人を超えていたのではないかと思っています。
また、お話を聞けた限りでは、北は北海道から青森、三重、大阪、岡山、
そして南は宮崎県までと、かなり遠方からも多くの方がお越しくださったことも衝撃的でした。
▲にぎわうギャラリー内。
そもそもまさかこんなに大勢の人が来てださるとは思っていなかったし、
もともと私と有沙ちゃんは低予算(といっても私たちなりの精一杯)で行うことを二人の中の条件としていたため、
今回借りたギャラリーはいわゆるワンルームマンション程度の広さ。
混み合った時間には展示をじっくり見ることもままならず、ご不便をかけ、
また、中にはあまりの混雑ぶりに早々に退室された方も一部おられたようで、
その点では大変ご迷惑をおかけしました。
さらに私たちも初めてのことでなにかと手間取ることが多く、
そういった方々に声もかけられずじまいで・・・・。
このブログをご覧になっているかわかりませんが、
大変失礼をしたことを、ここにお詫び申し上げます。
では、興味はあったのに行けずじまいだった方へのご報告の意味も込めまして、
今回の主な展示の内容を振り返ってみたいと思います。
▲ギャラリー全景。ギャラリーの名前は「アネッセボナ」。東京・下北沢駅から徒歩3分という便利な立地(ただし階段がきついw)。
なお、勘違いしていた方が何人もいらっしゃったということで、
改めて声を大にして言いますが、
今回の展示はコケ手芸家・吉田有沙さんと私の共同企画・制作です!
決して私がこの空間を一人で作ったのではありません。
今年の初春から二人でどんな企画にするか話し合いを重ねて
展示内容を考え、準備をして、共同制作しました。
さらに雑貨店で長年キャリアを積んできた有沙ちゃんは、
持ち前のセンスの良さに加え、空間を彩る能力にとっても長けていて、
実際に展示を引っ張ってくれていたのは彼女のほうでした。
来場者の中には「これ、藤井さんが一人で?」と仰った方もいたとのこと。
いえいえ、まさか。そうではないです!
どうか、どうか誤解がありませんように。
▲タイトル『ようこそ、コケの世界へ!』。
小さなコケをどーんと拡大して巨大パネルに(中央にあるのは巨大胞子体)。
これなら、ルーペを使わずともコケの森へIN!
私たちが「コケ展をやるならこれをやってみたい!」と最初に思いついたのがこの展示でした。
▲多くの方が、思い思いのポーズを決めてくれました。
▲タイトル『コケの手芸標本』
日本だけで約1600種類ほどあるといわれるコケ。
ここではその種類の多さを知ってもらおうと、私たちに身近なボタンという形で展示。
コケを押し花のように押してから、布に貼り付けました。
ボタンに収まりきらない大型のコケは、ブローチにしてあります。
▲この60個ほどのボタンとブローチを、中にはMyルーペで丹念に観察するという、コケ熱がハンパない方もいました。
▲タイトル『コケの森』
カラカラに乾いて休眠状態のスナゴケに霧吹きで水を吹きかけて、
コケを起こしてみるという生ゴケ体験コーナー。
スナゴケは水をかけると数秒で葉が開くので、その様子をルーペで見てもらうと、
多くの人がその変化に「おぉ!」と声を上げていたのが印象的でした。
▲「あ、コケが動いた〜!」という人多し。スナゴケは水をかけた瞬間、植物なのに動的な変化を見せてくれます。
また、乾燥しいていた時はガサガサだったのに、
水を含むとモコモコ、フワフワ。
その手触りの違いも一緒に感じてもらったり。
さらに最後にこのコケの森に、自分の分身として、
テラダモケイの人形を置いて帰ってもらうというのがこの展示のキモです。
▲乾いているコケ。
▲水を与えると、このとおりモコモコに。
▲コケの森で、四つん這いでコケを観察している風の分身をおいていく方も。
▲タイトル『THEコケセンサー』
コケ好きの気持ちを体感できる映像をプロジェクターで終日放映。
「あ、こんなところにコケがいた!」という
コケ好きによくある日常を切り取って動画にした3本と、
妄想コケ漫画の2本、計4〜5分の映像にまとめました。
▲タイトル『超ズームのコケの世界』
コケはカビでもなく、キノコの仲間でもなく、「植物」である。
だからその多くは、他の植物と同じようにちゃんと茎と葉っぱがあります。
また、コケの細胞はとても美しいことで知られています。
実体顕微鏡と生物顕微鏡、2つの顕微鏡をのぞいて、
微小なコケの本来の姿や、コケの美しさに触れてもらおうという主旨。
▲左:実体顕微鏡で見たスナゴケ。何十倍の世界。 右:生物顕微鏡で見た葉上苔類。何百倍の世界。
▲タイトル『吉田有沙の世界へコケトリップ』
こちらは有沙ちゃんのめくるめくコケ手芸の世界。
いままでつくりためてきたという作品集の展示です。
本物のコケを埋め込んだボタンや、コケ万華鏡
コケづくしのミニチュア部屋、コケで装飾したランプなど、
それはもう独創的なコケ作品の数々。
なかでも子どもたちにはコケのマイメロちゃんがとくに人気のようでした。
▲タイトル『藤井久子の世界へコケトリップ』
一方、藤井テーブルは、今まで撮りためたコケ写真や、イラスト、
また押し苔で作った、額入りのコケなど。
また一部販売用として『コケはともだち』や、
コケづくしのカレンダーも置きました。
あとはこの展示に間に合うよう至急作った
注文販売用の「MOSS」Tシャツ!
このTシャツには実は色々と制作物語があるので、
また後日、記事にしたいと思います。
▲「MOSS」の文字は20種類のコケの絵から成り立っています。私のお気に入りゴケをチョイスしてみました。
この他、メインの展示以外にもコケの缶バッジを当てるガチャガチャコーナー(1回200円)、
コケ関連本大集合コーナー、壁や床のコケシールなども。
一つ一つ挙げ出すとこれまたヒジョーに長くなるので、今回はこのへんで。
なお、有沙ちゃんはもちろん展示を見に来てくれたコケ友tamuさんも
ブログで今回の展示について詳細に取り上げてくれているので、
両者のブログもぜひご覧いただければと思います。
●ムクムクゴケ日記(by吉田有沙ちゃん)
●GREEN DAY(by tamuさん)
☆おまけ☆
今回のベストショット!?
▲『コケはともだち』でイラストを描いてくださった永井ひでゆきさんと。
永井さんが遊びに来てくれた時に撮った一枚。
一見、「なんじゃこりゃ!?」なポーズですが、
実はコケの雌株(胞子体つき)と雄株を模しております、ハイ・・・。