▲ヤクシマコモチイトゴケ(屋久島 2013年3月3日)
Mar. 3, 2013
淀川登山道を行く。
アップダウンのある細い山道をAさんに付いて歩く私たち。
そこでとくに印象に残ったコケが、
このヤクシマコモチイトゴケだ。
※ヤクシマコモチイトゴケ/Yakushimabryum longissimaum H. Akiyama, Chang, Yamaguchi & B.C. Tan
ヤクシマコモチイトゴケは今回のコケフォーレの講師役の一人、
Aさん(日本蘚苔類学会の現会長でもある)らのグループが、
2005〜2008年の屋久島の野外調査で発見された新属・新種である。
なので、それ以前に出版された「日本の野生植物 コケ」や
「屋久島のコケガイド」にも名前が載っていない(いずれもコケ好きのバイブル)。
屋久島以外からは見つかっていない固有種ながら島内ではそれほど珍しいものではなく、
場所によっては通年湿度が高い林内の幹や枝に、わりと普通に見つかるものらしい。
これまでも採取されてはいたものの、外見が似ている「タマコモチイトゴケ」に分類されていたのだとか。
遠目から見るとお風呂上がりの犬の毛束っぽいが、
ルーペで見ると細長い枝に繊細な葉が密についていて、
金色の織物のように美しい。
湿り気のある風になびいている様子を思い浮かべるだけでうっとりだ。
※ヤクシマコモチイトゴケの詳細についてはこちらを。