Merry Christmas!
もとい、
Merry Christmoss!!
↑(コケ好きの間ではこの時季はこの挨拶でいくことになってまして…ジーザス、お許しあれ。。。)
今日が終われば、いよいよ年も暮れ。
子どもの頃はこの時季は楽しいイベント目白押しで、大変ワクワクしたものだが、
大人になったいま、私の頭の中は毎日の「To Do List」でいっぱい…。
今年中には仕上げるはずだった企画書、原稿、年賀状・・・。
すでに来年に持ち越すことがほぼ確定の事項があれやこれやと出てきており、
毎日ため息をつかずにはいられないという状況である
(というか、待っていただいている方はこの状況を知ったらさらに深いため息をつかれるに違いあるまい。ごめんなさい)。
なお、前回・前々回の記事から熱烈宣伝させていただいております、コケ好きのためのカレンダー「苔暦2016」、
ありがたいことに多くの方からご注文をいただきまして、おかげさまでだいぶ在庫数が減ってきました。
在庫がなくなり次第終了となりますので、もしご興味のある方はお早めにご注文いただけるとありがたいです。
また、お振込がまだの方の分は取り置きしておりますので、ご都合のよい時にお振込をよろしくお願いします。
※「苔暦2016」の詳しいご注文方法は、こちらをご覧ください。
さて、年末の気忙しさはちょっと横に置いておいて(本当は置いておいちゃいかんのだが…)、
今日は最近手に入れたコケグッズを紹介させていただきたく。
というか、自慢させていただきたく!
そう、トップの写真、これを何だと思われただろうか?
ちょっとずつ引きで見てみると・・・
じゃじゃーん!
じつはこれ、コケでできたリースなのである。
直径は約30センチと大型。
色合的にもまさにクリスマスにぴったり。
このリースを手に入れることができたのは、
近所で生活雑貨店を営まれているAさんのおかげである。
Aさんは、持ち主が永く大切に使える、使いたい、と思える生活用品を
国内外問わず自分の目利きで探し出し、自分の気に入ったものだけを取り扱っておられるこだわりの女店主。
お店にはいつも他では手に入らないような食器類や花器、衣類などが(そのほとんどが手作りの大量生産できないもの)
センス良く並べられ、そのハイセンスな空間は訪れるたびに自然とため息がこぼれてしまう。
とはいえAさん自身は「カリスマバイヤー」「こだわり店主」でありながら、
そういった肩書きからイメージしがちな我の強さや押しの強さはなく、とても控えめな方で、
世界中に散らばっている個人の生産者が生み出す手作りの品を地道にコツコツと掘り起こす採掘者のようでありながら、
お客さんと商品の一期一会をそっと手助けする仲人さんのような雰囲気も醸し出している。
そんな物腰柔らかなAさんなので、普段からコケコケ言っている私にも大変親切で、
「コケがいいんですよ!」という私の胞子活動(という名のしつこいアピール)も決して聞き流すことなく、
いつも真剣に聞いてくださる貴重なお方なのである。
そのAさんが、この秋に北欧へ買い付けに行かれた際、
スウェーデンの民芸市でこのリースと出会ったとのこと。
▲なんと美しい編み目!
▲中心をクロスしているのは、乾燥させたベリーだろうか
作者は自らその市にブースを出して販売していた40~50代のスウェーデン人の女性で、
普段はテーブルコーディネーターの仕事をされているらしい。
このコケのリースの他にも植物で作った作品がいくつも並んでいたという。
それにしても素朴ながら、見る者をほっこりあたたかな気持ちにさせてくれるこのリース。
帰国後にAさんのお店に置いたところ、材料が何かは知らずに直感的に「ステキ!」と思う人が多かったそうで、
いろんな方に売ってほしいと言われたのだという。ふふ~ん、やっぱりねぇ! (←なぜか得意げ)
しかしながら今回は私が、いの一番に「買います!!」と手を挙げたとのことで、
この一点モノのリースを運よく手に入れることができたというわけである。
しかも!Aさんはリースだけでなくこんなものも買い付けてきてくださった。
こちらはコケのブラシ。作者は同じく前述のスウェーデン人女性だ。
先ほどのリースはスウェーデンの伝統的な民芸品か、はたまた作者の完全なオリジナルアイデアなのかわからないのだが、
こちらのコケのブラシは、暖炉の掃除用に昔からスウェーデンの民家で日常的に使われてきたそうだ。
ちなみに、Aさん、
「コケで作られていると思って買い付けてきたのですけど、本当にこれってコケですかね~!?」
と売ってくださる際に素朴な疑問。
たしかにあまりに立派な出来栄えで、本当にホンモノのコケなのかしらと疑ってしまう。
一見するに、スギゴケの仲間のように見えるのだが・・・。
そこで家に持ち帰ったあと、ブラシの毛の一本を切り取って水に浸してみた。
ホンモノのコケなら乾燥していても、水に浸せば元に戻るはず。
▲このとおり、乾燥でチリチリに縮れていた葉が水分を得てもとに戻った。セイタカスギゴケかウマスギゴケあたりに見える
▲せっかくなので、葉を1枚カットして顕微鏡で断面を見てみる
▲きちんとした同定はできていないのだが、特徴的な細胞の形態からも、スギゴケ科であることはまちがいなさそうだ
いずれにしても、コケの特徴をよく知っていないと作ることができないであろうこのリース。
作者はコケにどのような眼差しを向けてこられた方なのだろう。いつかお話ししてみたいなぁ。
そしてますます「世界のコケ文化」が気になるところである。
●おまけ
虫好きのクマGさんのブログ「未定」を「ブックマーク」に追加しました(当ブログの左欄)。
クマGさんは、もともとはコケ友Mさんのブログ「ムシメガネ」繋がりで、お互いの存在を知ったという仲(なのでまだ直接お会いしたことがないのです)。
コケにも興味を持ってくださり、苔暦をはじめ、コケTシャツの購入者かつ宣伝部長さんであります(といっても過言ではないくらいいつも応援してくださっている)
クマGさんの得意分野はガ、クモ、ザトウムシなど。
一般的には「うえぇぇ」となる人が多いであろう虫たちにスポットを当て、その形態や色の美しさ・緻密さを写真で丁寧に記録されています。
このブログを見て、私はかの虫たちの魅力に開眼したといっても過言ではありません。
掲載される写真は「これ、どうやって撮ったの?!」と思うものばかり。ひたすら虫を見守るあたたかな目線が伝わってくるよう。
さらに最近は時々コケも登場するので、いつかクマGさんとコケさんぽできたらなぁなんて個人的には思ったり。
更新頻度もすばらしいです。ぜひ一度ご覧になってみてださい。