▲胞子体を伸ばしたホソバミズゼニゴケと(おそらく)シロバナネコノメ(ユキノシタ科)。
東京オリンピックの延期が決定し、ホッとしたのもつかの間。
子供の頃からテレビで見て親しんできた志村けんさんの突然の訃報で、
昨日はほとんど仕事が手につかなかった。
世界で3万人以上が亡くなっていても、(それでも私や家族は大丈夫だろう)と
どこか他人事のようにニュースを見聞きしていた昨日までの自分。
それが何の根拠もない、いかに感覚だけの甘い算段であったかと身につまされた。
いったいこれからこの国はどうなってしまうのか、いまよりさらに生活が厳しくなってしまうのかという不安から、
落ち着いた心を取り戻すのはなかなか難しく、足が少し宙に浮いたような感覚のまま、ただするべきことに追われてきたここしばらく。
普段通りの気持ちでいることは引き続き難しいだろうが、いまのところありがたいことに自分も家族もとくに異常なく元気だ。
「3密」を避けながら、免疫力を下げないように日々の食事と適度な運動に気を配り、過剰にストレスをため込まないように過ごすこと。
そして自分が感染源にならないように、行動に気をつけること。こういったことを、日々揺れ動く感情とは切り離して淡々と続けていきたい。
この騒ぎに乗じて殺伐としたニュースも多いが、世界中の人たちの多くが、
いまの私と同じような思いで、世界を見つめ、困難を乗り越えようとしている。
船から振り落とされた私たちは、溺れないように自分の手足を掻くことに必死で、残念ながら隣人を助ける余裕はない。
でもお互いに、必死でなんとか生き抜こうとがんばっている。そういう姿だけは見せ合うことができる。
そしてまわりを見れば、もっと無数の人たちが同じように、めいめいに海に浮かんでいる。
気持ちがネガティブになりそうなとき、こうした想像力を働かせることが、いまの私のおまもり代わりになっている。
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さて、いまがまさに旬で見ごろのコケたちですが、予定していた東京や大阪での観察会は中止になり、
先にお知らせした神戸でのコケ観察会も延期にすべきではないかと今は考えています
(主催者と相談の上、また方向性が決まったらお知らせします)。
※(2020.4.1追記)新型コロナウイルスの感染拡大を受け、神戸で開催予定だった「摩耶山コケトリップ」は延期になりました。お申込みいただいた方には追ってご連絡します。
なかなか遠出もかなわない人が多いと思いますが、近所の街角や山などでひとり見るぶんには問題ないかと思うので、
運動不足解消がてらコケを探しに行ってみるのもよいかもしれません。
いまのこういう時期だからか、いつも以上に元気がもらえる気がします。
▲3月初旬のジャゴケ。今年も〝キノコの山〟が出てきました