Quantcast
Channel: かわいいコケ ブログ I'm loving moss!
Viewing all articles
Browse latest Browse all 261

奥入瀬コケ紀行(モス・プロジェクトその2)

$
0
0

▲十和田市現代美術館の目の前の街路樹(青森県十和田市)。


関西で育ち、大学生になってからは横浜・東京で過ごし、
就職は埼玉県、結婚したら夫の実家は山形県と、
振り返れば北上し続けているわが人生。

そして今回ついにやってきたのは本州最北端の青森県である。

私のような瀬戸内で育った西日本出身者にとって、
未踏の地・青森についてまず思うのは
「とにかくかなり遠かろう」ということだ。

さらにそこに「晩秋」というキーワードが加わると
「遠い上に、かなり寒い」という発想にいたる。

そこで今回、裏地にボアのついた冬用コート(新調)、毛糸のジャケット、ダウン、
山用のタイツと靴下、レッグウォーマー、ネックウォーマー、手袋、カイロ等々、
持ちうる防寒具を総動員して、東京駅から新幹線に乗ったわけである。

しかし、昨年開通したばかりの路線を走る新幹線「はやぶさ」は新型、
座席もゆったりしていて年季の入った東海道新幹線よりもよっぽど快適、
乗車時間も3時間強と実家の関西に帰るのに必要な時間とさして変わらず、
そしてなにより、11月初旬の七戸十和田駅に降り立つと、
そこは、わりと穏やかな秋の日を迎えていたのであった。


改札を抜けるとノースビレッジの
河井さん、川村さんのお二人がお迎えに来てくれていた。

暖かさに拍子抜けをしている私に、

「今年は秋が遅くて、今日なんかは日中は暖かいですよ」

「紅葉も例年より遅かったから、まだ見れますよ」

とお二人。


(なんだ、そうなのか!)

と内心驚きつつ、秋の暖かな日差しを受け、さっそくコートを脱ぐ。


青森初日であるこの日は東京→十和田市の移動のみだったので、
日中は街の中心にある十和田市現代美術館を見学した。






▲美術館の外観。

この美術館は2008年に開館したということで、まだ新しい雰囲気がある。
白い角砂糖がコロコロと転がったような形の建物は、
金沢21世紀美術館(石川県)にも携わった西沢立衛氏の設計とのこと。

国内外のアーティスト31点の作品が常設展示となっているが
個々の展示ごとに部屋を設けているので、
一つひとつの作品をゆったりと鑑賞できる。

さらに、作品は建物の外にも飛び出して、
美術館目の前の通りの向こうにまで展示されている。
その一角は街すらもアート、といった感じでなかなか面白かった。








また、青森県出身の奈良美智氏の企画展がちょうどやっていて、
初めて生で作品のいくつかを見れたのも嬉しかった。











そして、そんなアート空間の中にも、
屋外となれば当然コケたちが潜伏。

ほら、いたいた。



▲美術館の目の前の街路樹。






コケに地衣類、この色とり合わせ、地図のような不思議な形、
樹幹をキャンバスに、あっちモコモコ、こっちにモコモコと自由自在だ。

彼らこそ、まさに天然自然の
アーティストといったところだろう。


さらに見上げれば紅葉もたいへん美しかった。







▲通りに埋め込まれていた地元の方の俳句。いくつかあったが、これがなんとなく印象的だった。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 261

Trending Articles