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雨の中の「第2回 コケとキノコの観察会」

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▲雨降る中、スナゴケを観察。すっかり葉が開いて緑も鮮やか。


あっという間にもう11月。
ここ2日ばかりは終日肌寒い東京である。

ついこないだ長袖Tシャツを押し入れから出し、
次にセーターを出し、ストールを出し、
いよいよコートも出動させねばかなんて
外に出る支度をするたびに考える今日この頃。


最近は空気も澄んできたせいか、
夜空の星がきれいに見えるようになった。

また朝は朝で、わが家のマンションのベランダからは、
小さいながら雪をかぶった富士山を拝むのが毎朝の楽しみ。

そして足元を見ればヒメジャゴケやホソバミズゼニゴケが
先端にフリルをつけて洒落込んでいる。

いや、フリルに見えるのは実は無性芽だ。

次の春に向けてまた子孫が増えるように
いまから無性芽をまいておくのが、彼らの冬支度。

コケ好きにとってそんな彼らの姿を見るのが
秋の楽しみの一つなのである。



さて、先週の「苔道入口」に続き、
こないだの日曜日は東京理科大(野田キャンパス)にて行われた
コケとキノコの観察会にボランティアスタッフとして参加させて頂いた。

前回の7月はかんかん照りのお天気だったが、
今回は前夜からあいにくの雨模様。

しかし、降ったりやんだり、また大降りではなかったので、
私のコケ友で会の世話人である中島さんの判断で開催されることになった。

この日の参加者は8人、講師は世話人の中島さん(コケ担当)、浅井さん(キノコ担当)、私(コケ担当)の
3人で計11人。コケ・キノコ観察をするにはちょうど良い人数だった。


午前中はコケとキノコの基本を知ってもらうための座学。
昼食を食べ、午後から中島さんの案内でキャンパス内のコケとキノコを見て回る。

そこに生えているのがどんな特徴のあるコケなのか、
見るときのポイントを参加者にあらかじめ伝え、
各自そのポイントを実際に自分の目で確かめてもらいながら、
コケに親しんでもらうという進め方である。



▲中島さんが桜の木についているコケについて説明。



▲街中の木についているコケとしておなじみのサヤゴケ。



▲ヤスデゴケの仲間。



▲コケと同じ場所によく生えている地衣類も観察。これはマツゲゴケ。



一方、キノコのほうはというと、
そう思うようにはいかない。

というのもサルノコシカケのような一部のかたいキノコをのぞいて、
ほとんどのキノコは、いつ、どこに出てくるかわからない。しかもやわらかくて寿命も短いという。

なので、どんなキノコにどれだけ出会えるかは、その日の運次第。
この日も浅井さんのキノコセンサー(と私が勝手に命名。いわゆる「キノコ好きの勘」ってやつです)
を頼りに、キャンパス内を歩き回った。



▲キノコが連なって生えている。参加者のお一人が「キノコロード」と命名されていた。


前回の7月はあまり多くの種類が見れなかったが、
今回は10〜15種類くらいのキノコと出会えて、
なかなかの収穫だった。


ほかにも地面に生えていたコケたちは↓こんな面々↓


▲コスギゴケ。立派な?(サク)をつけて、胞子を飛ばすのももうまもなくといったところ。



▲ホソバミズゼニゴケ。冒頭に書いたように先端に切れ込みが入りフリルのように見える。これは無性芽をつけているため。



▲おなじみゼニゴケ。ヤシの木のように見えるのは雌株の雌器托(しきたく)。
 はじめゼニゴケは春にだけ胞子体をつけると思っていたら、ここ2年くらい秋につけている姿もよく見る。



▲(雨の中の撮影であまりうまく撮れていないけど)おそらくミヤコゼニゴケ(苔類)。
 なかなかお目にかかれないコケだと思う。私もこの日初めて観察。



▲ミヤコゼニゴケのアップ。このコケは雌雄同株で初冬に胞子が成熟するのだとか。
 たしかに丸いタマタマした雌器床(しきしょう)がついている。
 あまりに背が低く地面にへばりついているので、胞子が成熟しているかは、ちょっと確認できなかった。

 
ちなみに、中島さんいわく

「蘚類のタマちゃんがタマゴケなら、タイ類のタマちゃんはこのミヤコゼニゴケ」

とのこと。

「だから、タマゴケ=『蘚タマ』、ミヤコゼニゴケ=『苔タマ』という愛称で呼び分けてはどうでしょう?」

なんてニヤッとした表情で言われるので、思わず笑ってしまった。 


●おまけ



この日はコケ、キノコだけでなく、粘菌も発見。
粘菌といえばアメーバ状でいるのがイメージだが、
ある程度お年を重ねると(体が弱ってくると)、
こうして子実体というまるでキノコのような形になって、
胞子を飛ばして繁殖に精を出すのだそうだ。


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