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3月と4月の読書

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またもや2か月ぶりになってしまったが、
3・4月で読んだ本について
備忘録として書き留めておきたい。

こうして振り返ってみると
今回はコケに関係ないものの方が
多かったなぁ(ちょっとさみしい)。


<3月>

『シダの扉―めくるめく葉めくりの世界』(盛口満著・八坂書房)



コケが好きな人ならご存じのゲッチョ先生の本。
たしか昨年秋頃に買って、ずっとわが家の本棚で順番待ちしていた1冊。
ようやっと読む時間を得た。

コケを見ていると、やはりシダも気になってくるもので、
本作にも都会でわりとよく見かけるシダが続々登場。
ゲッチョさん、東京沿線のシダ巡りもしてたとは!

後半のハワイでのシダ利用や、ヨーロッパ人たちのシダとのかかわりについての
考察が興味深い(タカワラビは羊のなる木!?)

日本人は春になるとワラビやゼンマイを食べるが、
世界的に見るとシダを食べる民族ってけっこう珍しいらしい。へ〜、そうなんだ。

・・・って今、ゼンマイの胡麻和えをつまみつつこの文章を書いてるんだけど、
海外の人から見たら、こんな行為がまさに不思議なんだろうなぁ。


『チーズケーキの旅』(山本ゆりこ著・女子栄養大学出版部)



この本、なんか好きなんです。時々読み返したくなる。
今回で手にとったのは何回目だろう。

著者がヨーロッパの国々を旅して、
出会ったチーズケーキについて写真と文章で紹介。

チーズは国によって本当に個性があるが、
やはりチーズケーキもお国柄が出ていて面白い。

写真も美しく、チーズ好きが癒される1冊である。
はー。自分もこんな旅してみたい。
もちろんチーズだけでなくコケと抱き合わせで(笑)


『パリの宝物70』(山本ゆりこ・毎日新聞社)



上記の本に飽きたらず、図書館で借りて読了。

パリの雑貨やお店めぐりの本なので、
実生活に直で役立つわけではないのだが、
異国への夢がふわふわと綿菓子のように広がり、心地よい気分。

なんだか無意識のうちに癒しの旅を求めているのかもしれないな、いまの私は。


<4月>

『エストニア紀行 森の苔・庭の木漏れ日・海の葦』(梨木香歩著・新潮社)



「タイトルにコケってついた本があったよ」と友人に教えてもらった本である。
その名のとおりバルト3国の一つ、エストニアを著者が旅した時の紀行文。

梨木香歩さんの小説は実は一冊も読んだことがなかったので、
どんな雰囲気の本なのか、最後まで読みきれるのかちょっと不安ではあったが、
いったん読み始めるとぐんぐん引き込まれ、読み終わる際には、なんだか読み終えるのが惜しくなったくらいだ
(ちなみに、この感覚が自分にとって良書かどうかの判断基準の一つとなっている)。

ぶっちゃけ「森の苔」については期待していたほど触れられていなかったのは残念だったが
(森の「苔」についてというより、苔むした「森」について触れられていた)、
この本を読んでエストニアという土地に興味が持てたし、
そこで暮らす人々がデンマーク、スゥエーデン、ロシアらに
支配されてきた歴史をほとんど知らなかったのでいろいろと勉強にもなった。

また、旅は2008年頃に行われているものの、発行は2012年秋。
いくつかの雑誌に連載していたものを単行本化にあたり、
改稿しつつ書下ろしが加えられたという。

土地柄、チェルノブイリ原発事故についても何度か触れられている。
福島第一原発事故後のいまの私たちが読むとその辺の記述がとくに響く。
これらはおそらく書き下ろし部分だろう。

ちなみに梨木さん、植物や動物にとても興味があるお方のようだ。
とりわけ鳥が好きらしい。コウノトリへの愛の深さが文章からにじみ出ていてよかった。


『原寸図鑑 ののはなさんぽ 多摩丘陵のいちねん』(五味岡玖壬子著・けやき出版)



少し前の記事でも取り上げたが、
全編、写真ではなく色鉛筆で描かれたイラストで
身近な野の草花を紹介している図鑑。

コケを探しているといろんな小さな草花も視界に入る。春先はとくに。
しかし、決まった数種類の花の名前しか知らず、
しかもその特徴や類似する種との違いについては
ほとんど何も知らないことが、前々からもどかしかった。
しかし春が過ぎればそんな気持ちも知らず知らずのうちに消えてしまうため、
この春は気持ちがアツいうちに!と思い、この時季にこの手の本を読んでみた。

図鑑という点で考えれば、現物をそのまま切り取った写真のほうが便利かなと思いきや、
実はイラストの方が、その植物のどこを見るとよいのかが暗に伝わってくるのでわかりやすいかも。
原寸サイズで描かれているというのもいい。長年疑問だったヒメジオンとハルジオンの見分けもようやく解決。
ひと言メモ的に書かれている、名前の由来や著者の植物コラムもおもしろい。
こちらも小さな植物への深い愛情が感じられる一冊だ。


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