▲植物や菌類について興味のある記事を取り置いているスクラップブック。
台風で空気中の塵や埃も飛ばされて、
数日前から東京は雲一つない青空。
日暮れは夕焼けのグラデーションがたまらなくきれいだし、、
夜は夜で空が澄んでいるので月がこうこうと明るさを増して家々の瓦屋根を照らす。
普段は地面ばかりに気を取られているが、
こんな日が続くとさすがに空も気になるなぁ。
今夜は十五夜。昨日よりもう少し長く月を眺めてみよう。
さて、すっかり涼しくなってここ最近はかどっているのが、
新聞記事を切ってはノートに貼るスクラップ作業である。
コケのこと以外でひそかにライフワークにしているものの一つなのだが
コケだけでも十分も「地味〜!」と言われているのに、これまた輪をかけて地味…。
自分自身も話題を広げる自信もないので、とくに誰に言うでもなく、黙々と続けてもう何年になろうか。
それをまたなんで今日はわざわざ話題にしたかというと、
先日、何日か分の日経新聞を読みあさっていたところ、
見つけたのである。そう、コケの記事を。
しかも3つも!
いままでも観光地紹介で「コケもしたたる風景が美しいよ」というテの記事は何度かあったのだが、
コケそのものについて日経新聞がクローズアップしているというのはなんとも珍しい。
今日現在までで3種類のコケが登場している。
◆日本経済新聞の連載「都会のオアシス皇居」より
・ミヤコノケビラゴケ (2013.9.1掲載)
・ヤワラゼニゴケ (2013.9.8掲載)
・ホンモンジゴケ (2013.9.15掲載)
記事によると、皇居は都区内の中でもコケの宝庫だそうで、
国立科学博物館による皇居の植物調査では
107種のコケ類を確認(1996-2000年 第?期調査)しているのだそうだ。
※現在進んでいる2009-2013年の第?期調査の結果を合わせるともう少し増えそうとのこと。
なかでもミヤコノケビラゴケ(苔類)は、1884年にドイツの研究者が皇居付近で初めて発見し、新種として発表。
しかしその後は生育の確認が取れず、今回の調査で100年以上ぶりに最初の発見地付近で見つかったと記事にはある。
もともと環境の変化に強くない、都区内ではあまり見られないコケ(※)というから、
100年以上もの間いったいどうやって潜伏していたのかは謎なところではあるが、
時を経てこうしてまた生育できているというのは、皇居の自然はそれだけ守られていて、
変化が少ないと言えるのかもしれない。
※平凡社の図鑑によると本州以西の低地に主に分布しているそうだ。
日経新聞によると本州や九州にも生育していて「それほど珍しくはない」とも。
ちなみに、昭和天皇は海洋生物と植物の研究に熱心だったことは有名であるが、
その研究成果を何冊もの本にまとめておられる。
植物については御用邸のある那須にまつわるものが多いが、
「皇居の植物」というご著書も1冊ある。
もしかしたら皇居内のコケも手に取られ、ルーペで見たり顕微鏡をのぞいて、
「このコケは、○○○○ゴケかな」などと同定をされておられたかもしれない。
そんな想像にふけるのも楽しい秋の夜長である。
《追伸》
おかげさまで、MOSS-T PROJECTによるコケTシャツが先週、無事完成し、
ご入金済みのご注文者様への送付作業も完了いたしました。
※詳しくは相方M女史のブログへ!
Tシャツもコケコケしていることはもちろんのことながら、
今回、M女史のアイデアで、こんなところもコケ好き仕様です。
▲Tシャツに同封されている封筒。一見、採集袋のように見えますが・・・
▲中を開くと、生育地の特徴について○を付ける項目が並び、もはや採集袋さながらなのですが・・・
▲しかし、コケは入っておらず! ご注文内容の詳細が記載された「納品書」なのです。