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岡山コケの会 秋のコケ観察会 その2

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▲アップで写しているが、このコケ、か・な・り小さいです。(2013年11月東京・御岳)


?見えない(といっても過言でないほどミクロな)ものが見える?Kさんを講師に迎え行われた今回の観察会。
当日、Kさんのコケ目がキャッチした究極にミクロなコケはこれだった。



▲「ここに、あれがいるよ」とKさんが指差した場所


え? どこ? 先生、わかりません!!



▲近寄ってみる。なんとなくうっすら緑っぽいエリアがある(気がする)



▲あぁ、やっぱりそこなんですね!



▲いたー! ルーペでようやくコケ本体を確認! 胞子体が出てます。その柄の長さはわずか2〜3mmほど!


彼らの正体は「キュウシュウホウオウゴケ」。
Kさんによると「わりと普通に生えてる種類だよ」とのこと(ひえ〜、そうなの!?)。
   

ちなみにキュウシュウホウオウゴケの仲間で「ユウレイホウオウゴケ」という、
もう名前からして、見つけられない感満載、事実キュウシュウ〜とならぶほどミクロなコケがいるのだが、
Kさんいわく、キュウシュウ〜に比べそちらのほうが生育していること自体が珍しいので、さらに出会う確率は低いらしい。

  ※しかし! 実はユウレイホウオウゴケも数年前の岡山コケの会の観察会でやはりKさんにより見出されていた! 当時の衝撃を以前のブログにも記している。

おそるべし、Kさんのコケ目!!!


また、界隈にはほかにもいろんなコケがいた。



▲小さな群落だったがオオカサゴケもちらほら。



▲左がヒロハツヤゴケ、右がエダツヤゴケ。

からだのツヤ感や胞子体など見た目がよく似ているため
今までなかなか見分けがつきにくかった両者のツヤゴケなのだが、
このように1個体をつまみとってみると、一目瞭然。

「茎から出ている枝の数の多さがエダツヤゴケのほうがダントツに多いから、そこで見分けがつきますよ」

とKさん。なるほど〜!(思わずこぶしをポンッ!)



●おまけ

土上の上に生育するキュウシュウホウオウゴケを見た後、
今度は道端の小石をやおら手に取られたKさん。

「これもそうだよ」とおっしゃるので、見てみると、
またもキュウシュウホウオウゴケだった!(すごい!)



▲図鑑の右にある小石にキュウシュウホウオウゴケが生育。石は長辺で4〜5センチくらい。いわゆる小石である。



▲小石を手持ちのカメラで最大限アップにして撮ったもの。やはり胞子体が出ている! なお、本体(配偶体)にはほぼ茎がなく、わずかに葉があるばかり。

笑い話なのが、この上記の写真に写っている図鑑「しだ・こけ」(山と渓谷社)の
キュウシュウホウオウゴケのページを読むと、こう書いてあったことだ。

  「キュウシュウホウオウゴケは蘚類の中でもっとも小さな種のひとつで、
  肉眼では見つけにくい。林下の湿った場所の石を手にとって、明るい空に向けて見ると、
  運が良ければ石の側面に生えるこのこけを認めることができるが、かなりの経験が必要である」

今まさに、Kさんの「究極コケ目のミラクル」を目の当たりにした私たち。
ここに書かれているのはまさにKさん以外の何者でもないと皆一様に深くうなずいたのであった。


【お知らせ】おまたせしました!コケ好きのためのカレンダー「苔暦2014」

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▲「苔暦2014」表紙。午年にちなみ、表紙はウマスギゴケです


ブログの更新もままならぬうちにいよいよ師走に入りました。

毎年この時季になると街全体が気忙しくなりますが、
みなさま元気におすごしでしょうか。

ワタクシゴトですが実はこの12月中に引っ越しが控えており、
例年より確実にバタバタして過ごしています。


さて、そんなわけですっかり告知が遅くなりましたが、お知らせです。

今年もコケ好きのためのコケカレンダー「苔暦」を作りました!

いつもこのブログを見てくださっている方の中で
ご興味のある方がいらっしゃったらお分けいたします(なくなり次第終了します)。


「苔暦2014」  <壁かけ用・1部:1300円(送料込み)>


今年のラインナップはこちら!

  

  

  

  

  

  
▲仕様:A5サイズ、16ページ中綴じ製本、全ページ4色カラー。上質紙135K使用でしっかりしたかための手触りです。



  
▲また、12か月分のカレンダーの前後ページには、このカレンダーのコンセプト、登場ゴケ一覧、用語解説などを掲載。


ちなみに今回も前回に引き続き、シーズンごとに見られる特徴的な姿をしたコケを
12種類選んで掲載したのがこのカレンダーのこだわり。

花のカレンダーなら、春はサクラ、夏はヒマワリ、
秋は紅葉、冬はツバキと、季節ごとに最も見頃の花たちが掲載されます。

それと同じようにこの「苔暦」も「この季節はこのコケがとりわけ美しい」と
日々コケを見たり写真を撮ったりする中で私が経験的に感じていて、
さらにフィールドに出ればわりと見つけやすいコケを中心にチョイスしています
(ちなみに今年は南は屋久島から北は北海道までのコケを選びました!)。

カレンダーをめくるごとに、
「今月は○○ゴケが胞子体を伸ばす時季だな」、
「いつにも増して青々と輝く時季だな」
とコケトリップの参考にしていただくもよし。

また、なかなかフィールドに出られない方は、
カレンダーを見ながら季節のコケに思いを馳せていただくのもよし。

ただし南北に国土が長いニッポン、コケを見る場所(関東か関西かなど)によって、
自然条件、風土の違いがあるので、見頃は一概にはくくれません。あくまで目安ということで。

また逆に自分の地元のコケの見頃をこのカレンダーに
書き込んでもらうのも比較になって面白いと思います。


▲カレンダーの隅には、そのコケの特徴や観察時の私の雑感メモ、また観察場所を入れています



▲カレンダー上面に穴があいています。壁掛けカレンダーとしてどうぞ


購入希望の方は当ブログ左側のバーにある「プロフィール」の下、
「メッセージを送る」にご連絡ください。
こちらからご注文の確認とお振込先についてのお返事を差し上げます。


----メッセージへの必要記入事項---------


1.お客さま情報
  
・お名前:
・カレンダーの送付先:〒
・電話番号:
・メールアドレス:
  
2.必要部数  部、合計金額  円

--------------------------------------

●金額
 1部=1300円(送料込)
 
●代金 
 ご注文メールをいただいた方各々に振込先をお知らせします。
 振込手数料はお客様の御負担でお願いします(入金確認後の送付となります)。

●発送方法
 PP袋で個包装の上、クロネコメール便で発送します。
 部数が多い場合はこちらで選択した方法にて発送させていただきますが別途送料はかかりません。 

●ご注文期間:12月11日〜1月いっぱい頃まで

 ※品切れ次第終了いたします。

 ※ご注文メールを頂いてから、基本3日以内にはにこちらから確認メールを差し上げます。
 3日以上たっても確認メールが届かない場合には、御手数ですがご一報ください。

 ※Amazonや巷の通販のような敏速な対応はできませんが、できるだけ早めに対応・発送させていただきます。



▲時節柄、コケが気になるあの人へのクリスマスプレゼントにもよいかもしれませんヨ!


午年の始まりとともに、『あめつち』のこと。

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寒中お見舞い申し上げます。

昨年末の引越に伴い、
年始のご挨拶がすっかり
遅れてしまいました。

本年もどうぞ変わらぬお付き合いのほど、
よろしくお願いいたします。

・・・と、さらっと書いてみましたが、
実は昨年12月末に東京から関西に転居しました。
いまは六甲山にほど近い山ふもとの街に暮らしています。

もともと自分は関西出身なので
古巣に戻ってきたといえばそうなのですが、
やはり街は日々刻々と姿を変えていくもので、
ある意味、新天地に来たような気分でもあり。

またコケについては、以前住んでいた学生当時は
まったくコケに興味が向いてなかったので、
いまのところ地元のコケ情報はほぼ皆無。

関西在住の皆様、コケさんぽにオススメの場所などありましたら、
なにかの機会に教えていただけるとありがたいです。

また関西以外の皆様、物理的距離に関係なく
コミュニケーションを取れるのがインターネットのよいところ。
今後ともひきつづきよろしくお願いします。

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さて、昨年の春から編集者の鈴木収春さん
園芸家の塩津丈洋さんと定期的に行ってきた
「コケと親しむ緑のトレーニング」(通称:コケトレ)。

この半年で計5回の開催を重ね、
初心者が都会のベランダで育てられる種類も
おおよそ紹介できたということでひと区切り。

「コケトレでやってきたことをベースにさらにおもしろいことを始めたいね」と
秋から企画会議を重ね、この1月から新しくウェブサイトを立ち上げることにしました。

名前は『あめつち』といいます。



『あめつち』

『植物をもっと身近に、でも決して人間からの一方的な関係性ではなく、
声なき植物の声に耳を傾け(それは季節や気候風土を感じることでもある)、
植物にできるかぎり寄り添いながら、人も植物も心地よい暮らし方を追求していこう』

というのが本サイトのテーマ。

日本ならではの盆栽やコケ、また植物と真摯に向き合う園芸のプロを取り上げながら、
いままで他のウェブサイトでは見たことがないような新しい情報を
植物と寄り添って暮らしていきたい人に向けて、発信していく予定です。

なお、せっかくならかっこいいサイトにしたい!ということで、
ウェブ制作が得意なF氏にも今回「あめつち」メンバーに入ってもらいました。

おかげで動画も組み込まれた、どこかほっこりする雰囲気のよいサイトができあがったと思います。

   ※なお、私の連絡不行き届きで1/19現在「隠花植物」が「陰花植物」になったりしておりますが、
   気づいたところからちょこちょこ修正していきますので、お見逃しください(^^;)


また、サイトの内容充実と共にコケトレと同じように植物にまつわるイベントも定期的に行い、
それを『あめつち』から発信していこうという企画も同時進行で進んでいて
2月1日(土)に都内にてさっそくイベントを行います。

(コケではありませんが)2月の旬の花「アネモネ」について、
お花屋さんからじっくり教えてもらえるイベントです。

ご興味がありましたら、ぜひ。

●イベント概要・申し込みはこちらから→ http://ametsuchi.org/event/eve_20140201.html



ちなみに自分も企画者としてだけでなく、
「コケ担当」としてサイト内に執筆コーナーを作ってもらいました。

題して『隠花帝国の旅』。

もともと根っからの旅行好き、さらにコケに魅了されてからというもの、
近年の旅行といえばコケをめぐる旅ばかり・・・。

そこで、各地で出会ったコケをはじめ、少し前の時代まで
「隠花植物」としてひとまとめにされていたシダやキノコなども含めて、
その魅力について、さらに隠花植物に魅了されている人について、
レポートするという内容になっております。

引っ越のバタバタでまだ本編まで入っていませんが、
また更新したら、このブログでもお知らせしたいと思います。


焼却炉のヒョウタンゴケ。

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▲焼却炉前に生えるヒョウタンゴケ(2014年1月兵庫県にて)

先週行われたオカモス関西の観察会へ行ってきた。
これが私にとって今年最初のコケ観察。苔見初めである。

まだほとんどのコケたちに春の訪れは見られず、
冬の寒さに葉を固く閉じてしっかりと乾燥していた。

しかし、

「雨にぬれ潤った姿よりも乾燥した時こそ、本来の特徴ある姿が見やすい」

とは、以前にコケ研究者の方に教わったこと。
そういった意味では、絶好の苔見日和だった。


なかでもこの日、クギ付けになってしまったコケの一つが「ヒョウタンゴケ」だ。

なぜってそれは、冒頭の写真にもある通り、
生えていた場所が「まさに教科書通り!」と
思わずうなりたくなるほどのベストロケーションだったから。

というのも、ヒョウタンゴケは湿った土上によく生え、
とりわけたき火跡や火災跡の土上に生えるのが大きな特徴。
灰耐性のあるコケとして知られる。

  ※また「アンモニア成分が多い人家の庭や畑などでもよく見られる」と
   手持ちの複数の図鑑に記載がある。
   さらに私の経験では、花屋さんで鉢モノを物色していると、
   その鉢の土上に?付きの同コケが生えているのをたびたび見かける。


焼却炉の目の前に大きな群落をつくる様子は
まさに本来あるべき?正統派?な姿といえよう。



▲道端に突如現れた昔ながらの古びた焼却炉。よく見るとその足元にはうっすら緑色が・・・



▲近づいてみると、炭の上からもヒョウタンゴケが生えていた。胞子体は古いが、植物体からは新芽が出始めている


ちなみに最近の研究で「金を蓄積する」ということもわかり、
コケ好きの中ではわりと話題にもなっているコケだ。

この日は古い胞子体しか見られなかったが、
新しい胞子体の旬は5〜6月頃というから、
またその頃にはこの焼却炉付近が若い黄緑色の?で覆われ、
さぞ華やかになっていることだろう。



▲壁面のレンガにもヒョウタンゴケがびっしり。そしてもう1種、また違うコケがいるようだが・・・?!



▲近づいてみるとゼニゴケと判明

ゼニゴケにも灰耐性があるのかしら?!と疑問に思ったが、
『蘚苔類研究』(日本蘚苔類学会の会報誌)の2012年8月号の
「新・コケ百選 第10回 ゼニゴケ科(苔類)」(執筆:古木達郎氏)を読むと、
「焚火した後によく発生する」と書いてあった。

これもまさにどんぴしゃな生育地。

いまはあまり使われていないように思われた焼却炉は
まさに彼らのために残された楽園のようであった。

【お知らせ】コケの連続講座「苔に学ぶ−ミクロの世界に広がるコケの魅力に迫る−」

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連日の寒さとソチオリンピックに気を取られている間に、2月も後半に入ってしまいました
(今朝も4時起きでジャンプ団体ラージヒルの葛西選手の男泣きに感動。そして寝不足気味・・・)。

立春の頃はわが家のちいさな盆栽の梅も咲いて、
春の足音に心躍らせていたのですが、春はいまどこに・・・!?

関東以北の皆様、今週も大雪になるとか。
どうかどうかお気をつけくださいませ。


さて今日は、これは面白いことになりそうだと、
いまから自分でもわくわくしている講座のお知らせです。

3月23日(日)から毎週日曜日に、
東京・三軒茶屋にある「自由大学」という所で、
コケの連続講座が始まります。

自分はキュレーター(コーディネーターのような役割)と第1回講義を担当しますが、
第2〜5回はコケ研究者の方々に講義をご担当いただきます(最後はもちろんフィールドワーク!)。

 <第1〜5回テーマと講師>
  
 3/23 第1回:苔学ことはじめ / 藤井久子 
 3/30 第2回:コケから見えてくる?世界?の多様性 / 伊村智さん(国立極地研究所 研究教育系生物圏研究グループ教授)
 4/6  第3回:知られざるコケの素顔に迫る / 鵜沢美穂子さん(ミュージアムパーク茨城県自然博物館学芸員 非維管束植物担当)
 4/13 第4・5回:自分の見たいコケを見つける / 樋口正信さん(国立科学博物館植物研究部 陸上植物研究グループ長)、
 (講義のまとめ)あなたにとってコケとは?/藤井より 


詳しい講義内容については
自由大学のホームページに書きましたので、
そちらをご覧ください。

なお募集は昨日17日(月)からスタートしています。
定員15人なのでご希望の方はお早めにどうぞ!

自由大学「苔に学ぶ」

私の心のふるさと。

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最近そんなに忙しくなかったはずなのに、あっという間に時は過ぎゆき、
気づけばブログの更新がまた月をまたいでしまった・・・。

「行く1月」「逃げる2月」が今年もまた本当に目の前をぴゅーっと
通り過ぎて行ったことに呆然としているのだが、
今月もまた「去る3月」であっという間に過ぎてゆくのでしょう。

さて、3月2日から昨日まで、日本蘚苔類学会の恒例行事となっている
コケフォレー(コケの採集会のこと)で屋久島へ行っていた。

昨日、地元・関西に帰ってきたら
雪がちらついていて驚いたのだが、
あちらはいよいよ春です。

滞在中は何度か雨に降られつつも、
吹く風は日ごとにあたたかさが増し、
街道の寒緋桜はまさに見ごろ。

宿舎では冬眠から目覚めたのであろうカエルが、
渡り廊下に鎮座している姿を見かけた。


あぁ、屋久島がどんどん春に向かって新しくなっていく。
水も緑も蟲たちも命をみなぎらせて輝く季節に入っていくのだなぁ。

夜、顕微鏡でコケを見つつ雨風が窓を激しく打ちつける音に、
ひそかに胸を高鳴らせながら、そんなことを考えていた。

今回で通算6回目の屋久島旅行だったが、毎回屋久島の空気には心が解放される気がし、
島の緑がもつ生命力には元気をもらう(もちろんコケを筆頭に!)。

また今回も地元のOさん、Yさんにもあたたかく迎えていただき、
楽しい時間(もちろん内容はほとんどコケについてのことなのだが)を過ごさせてもらった。

生まれ育った場所ではないのになぜか何度でも
訪れたくなる心のよりどころのような場所。

そんな心のふるさとを自分の中に持っていると、それだけで人生はおトク、
心強く、そして心豊かに生きさせてもらっているなぁと
改めて感じながら帰路に着いたのだった。


  
   ▲コケフォレー中に出会ったハネムクムクゴケとヒノキゴケの群落



さて、屋久島レポートはまたおいおいするとして。

本当はコケフォレーの前に書こうと思っていたことを
これから何回かに分けて書きたいと思う。


まずは、日本の「隠花帝国」といわれる(おそらくこちらが元祖でしょう)
青森県・奥入瀬渓流からうれしいニュースをひとつ。

奥入瀬渓流オリジナルの「コケ散歩ガイドブック」がこのたび完成したとのこと。


  


ちなみに屋久島が「南の心のふるさと」なら、
奥入瀬は私にとって「北の心のふるさと」とでもいおうか。

コケのことで地元の河井大輔さん(この5月からNPO法人奥入瀬自然観光資源研究会理事長)から
お声がかかり、初めて奥入瀬を訪れたのはたった2年前のこと。

しかし、その2年の間に4回も現地を訪れる機会に恵まれ、
カツラやトチなどの落葉高木と隠花植物が共存する独特の森を好きになり、
またその森をこよなく愛し大切に考えている人々の情熱や心の優しさ、
そしてチームワークにもすっかり魅了されてしまい、
以来、東京にいても、さらに離れて関西にいても、
物理的な距離を越えた心の近さを感じている場所なのである。

そんな奥入瀬渓流が昨年は「日本の貴重なコケの森」にも選ばれ、
どんどん認知度が高まっている中、訪れた人に森で出会えるコケをより理解してもらう、
楽しんでもらうために作られたのが、今回のガイドブックだ。

ピンクが基調のデザインとかわいいイラストながら、
コケの基礎知識や葉の形や胞子体についての細かな特徴まで書かれていて、
初心者からコケの世界にすでに一歩踏み込んだ人にも親切な内容となっている。

  


このガイドブックは平成26年度以降の奥入瀬自然観光資源研究会主催の
イベントや環境教育の場で教材として配布される予定とのこと。

地元ではコケの知識に長けたガイドさんも着々と育っているし、
近い将来、この北の心のふるさとが「コケ好きさんの聖地」になりそうな予感。

これからも陰ながらですが、心より応援しています。

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ブログのトップにも書いてありますが、3月23日(日)から始まる自由大学の連続コケ講座、
ありがたいことにどんどんお申し込みをいただいております。

いまなら若干名席があるとのことなので、ご興味がある方、お早めのお申し込みをお待ちしています。
こんなに豪華な講師陣での連続講座、他にはなかなかないと思いますのでこの機会にぜひぜひ。

自由大学「苔に学ぶ」


【お知らせ&コケ情報】4/12コケトレvol.06開催(←満員御礼)、現在発売中の「このは」はコケの大特集!

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  <3/13追記:下記の4/12のコケトレイベントは、おかげさまで満員御礼のため募集を締め切りました。>

以前、このブログでも紹介した「あめつち」主催で、
今年初めてのコケトレイベントが4/12(土)に開催されます。

去年は春から秋にかけて毎月コケのイベントを行ってきましたが、
自分が引っ越したこともあり、冬だったこともありで、
なかなかチャンスがありませんでした。

でも、もう春がそこまできているし!ということで、
今回は満を持してのフィールドワークです。


詳細・お申込みは「あめつち」のホームページにて。→こちら

  ※このブログからは申し込みは受け付けていません。


昨日から募集が始まっており、
すでに半分近くの申し込みがあったそうなので、
ご興味のある方はお早めにどうぞ!



▲ジャゴケ。春は苔類(タイルイ)が胞子を飛ばす季節。今回はどんなコケと出会えるやら。楽しみです。


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毎号1テーマをとことん掘り下げて紹介する
自然科学系雑誌「このは」で、
今回なんとコケの大特集が組まれています。



▲今回のコケ特集の総ページ数はなんと76ページ!


出版元は「いもむしハンドブック」「樹皮ハンドブック」などでも有名な文一総合出版。
いろいろ取り上げるべきテーマが他にもたくさんあるだろうに、
わざわざコケに目をつけてくださるとはなんとも稀有な出版社であります。

そして、コケ研究者の皆様はじめこの特集にかかわった執筆者がなんと多いこと!贅沢!

さっそく私も読ませていただきましたが、コケ初心者から玄人好みの内容まで凝縮されている一冊だと思います。
昨日から発売とのことなので、お求めの方はお近くの書店やインターネットなどでどうぞ。


  <こっそり情報>
   特集ページを担当された研究者のおひとりから、掲載誌の中で訂正箇所があるとの報告を受けました。

   (訂正箇所) p52 【誤】シダレヤスデゴケ→【正】ハウルシゴケ
   
   だそうです。すでにご購入済みの方は、申し訳ありませんが訂正をお願いいたします。


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最後になりましたが、今日は3月11日です。

東日本大震災から3年がたち、被災地や福島第一原発では解決していないことがいまだ多々あるものの、
去年に比べて報道するニュース番組は確実に減ったし(昨日・今日はさすがにどこのメディアも取り上げていますが)、
またそういう自分も、気づけば自分から情報を取りに行くことが減っていました。

そんななか、コケ友M女史のブログを拝読。

そういえば私も震災翌年から毎年送り先は異なるものの、
心ばかりの寄付をしていたことをようやく思い出したのでした。

  ※ちなみに去年は叔母からこういうのあるよ、と教えてもらいこちらに。


本当はいつも応援したいけれど、すべきなのだけれど、
つい我が我がになりがちな自分の心の余裕のなさに反省です。
せめて今日だけは自分ができることをいま一度考え、行動に移したいです。



【コケ情報】コケについての新刊『ときめくコケ図鑑』、『苔玉と苔 育て方ノート』

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先週末は、自由大学のコケ連続講座「苔に学ぶ」の講義で東京へ。

久々の東京でなにより新鮮だったのが、
土曜日の雲一つないスカイブルーの空。

ここ最近の関西は花粉とPM2.5のダブルパンチで
視界が悪く、空も一日中もやっと白いことが多い。

早くマスクが取れる季節になってほしいものです…。


おかげさまで「苔に学ぶ」講座は満員御礼で、
こないだの日曜日に無事に第1回目を終えることができた。

受講生は、ルーペでコケを見るのが初めてという方はもちろん、
すでに何度もコケ観察会に参加されているようなベテランまでとじつにさまざま。

最初に受講生の皆さんに自己紹介をしてもらったところ、
「コケについてより詳しくなりたいから」という受講理由に加え、
「正しい知識を得て、コケの魅力を周りの人に伝えられるようになりたい」
というようなことを述べられた方も複数いらっしゃり、それがとても嬉しかった。

というのも、まさに自分がこの連続講座のコーディネーターを
お引き受けすることにした理由と同じだったからだ。

次回からはいよいよゲスト講師の面々による本格コケ講座。
受講生の皆さま、楽しみにしていてください。


さて、コケフォレー前に書いておきたかったことの続き(ようやくラスト!)。

前回の記事に書いたコケ特集の『このは』も含め、
今年に入ってコケにまつわる出版物が続々と出ている模様です。

まず1冊目。


▲『ときめくコケ図鑑』(田中美穂・文、井沢正名・写真/山と渓谷社)

もう、すでにコケ情報にお詳しい方は当然ご存じかと思いますが、
蟲文庫・田中美穂さんの新しいコケの本が1月に山と渓谷社から出版されています。

ちなみに田中さんの前作『苔とあるく』(WABE出版)は自分が初めて手に取ったコケの本で、
この本と出会ったから「コケの世界のもう一歩奥を見てみたい!」と思った、
大仰な言い方だが、そこから人生が(コケ方向に)変わった!といっても過言ではないほどお世話になった本でした。

今作は「もう少しコケの種類がわかるようになりたい人のための本があれば」
という田中さんの願いから生まれた図鑑とのことで、
蘚類71種、苔類34種、ツノゴケ類1種の計106種を図鑑形式で掲載。

コケは顕微鏡がないと同定ができない種類がたしかに多く存在するものの、
一方で、特徴さえつかんでおけば、肉眼&ルーペでも判別がつくものもわりとある。

本書でもそういったコケたちを中心に紹介されているので、
初心者の方が最初に持つ図鑑として、とてもお勧めです。



2冊目。園芸方面からも新刊が出ています。



▲『苔玉と苔 育て方ノート』(砂森聡著/家の光協会)

タイトル通り、苔玉作りのノウハウに加え、
コケそのものの生態についても触れています。
「人気のコケ ミニ図鑑」のページもあり。

しばしば自分も「苔玉ってどうやったらうまく育つのですか?」というような質問を受けることがあるけれど、
やはりそれにはコケの生態について知っておくのが解決の一番の近道と感じていて。

この本のように、作り方・育て方のノウハウに加え、
コケそのものについての解説もあるのはとても良いなぁと思います。


そういえば、今わが家のベランダにも苔玉が3つ。
最近ようやく寒さも緩み、皆さん次第に青さが復活してきたご様子。

コケに興味を持ち始めたころは、部屋の中で育ててカビだらけにさせてしまったり、
眺めの良い場所に置きたいとベランダの腰壁の上部分(一番日光と風当たりが強い)に置いて枯れさせてしまったりと、
何度も失敗を繰り返したものだが、結局、人間にとってのみ都合のよい環境だとコケはダメになると実感。

今いる3玉(プラス苔鉢いくつか)は、棚に遮光カーテンをかけた半日陰の環境に、
(安住の地とまではいかないけれど)そこそこなじんでくれているようだ。

世話を焼きすぎず、着かず離れずの距離で、焦らずじっくり。

こちら都合ではなくコケの時間軸に合わせてあげることが、
上手に付き合うコツのように感じている。



▲去年の10月に「コケトレ」で作ったスナゴケの枯山水。この冬は寒さが厳しかったせいか、名前に劣らぬほど無残なお姿に・・・



▲・・・と思ってがっかりしていたら、先日、なんと遅まきながらの胞子体を発見!(本来はおそらく晩秋に胞子体が出ると思います)
 よく見ると枯れたと思っていた本体も根元部分から緑が復活!この春の成長に期待です。

屋久島コケフォレー2014備忘録。ツノゴケ3種類の見比べ

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▲ニワツノゴケ(2014.3月 屋久島にて)

すっかり遅ればせになってしまったが、3月2〜6日に開催された
屋久島コケフォレーの記録をぼちぼち書いていこうと思う。

このイベントは日本蘚苔類学会主催で、
「フォレー(foray)」とはいわゆる?採集会?のこと。
つまり、屋久島のコケ採集会ということになる。

しかし、この会の主な参加対象は、
「野外でのコケ植物観察と顕微鏡を使用したコケ同定法を学びたい方」
とされており、事実、参加者の多くは、コケに興味がある初心者・中級者、
または植物学を専攻中の学生さんで、コケを採集したくてたまらない!というよりは
「いろんなコケを見てみたい」、「顕微鏡で正しく同定をしてみたい」、
「第一線で活躍されている研究者の話を聞きたい」という目的で参加している人の方が多い印象を受けた。

今年は去年に引き続き屋久島での開催で、
テーマは「屋久島のタイ類をわかる」。

苔類(タイ類)を専門に研究されてきた
千葉県立博物館の古木達郎さんを講師に迎えての会だった。


苔類については、実は自分も色々と思うところがあって、
今回のフォレーには絶対参加せねば!と思っていた。

とういうのも、苔類は・・・

?ゼニゴケ、ジャゴケなど誰の目にもつきやすい大型な種類がいる一方で、
 肉眼ではなかなか認められないようなミクロサイズのものも非常に多い。
 そもそもどうやって見つけたらいいのか?コツはあるのか?

?蘚類とはまた別の独特の専門用語が多いため、図鑑を読んでも意味が理解できない。
  (これは私が素人ゆえのことかもしれないのだが)

?そんなわけで、似た種類を見つけても、同じものなのか別種なのか判別できず、
 同定の途中でつまづく・・・というか挫折してしまい、常にモヤモヤ・・・。

というような、いかんともしがたいハードルがあり、私の中ではここ数年、
?苔類フラストレーション?みたいなものが常に渦巻いていたのだ。

そもそも苔類専門の研究者というのが、業界全体を見ても少ないということも一因にあるのかもしれない。
つまり、苔類の情報を得るチャンスが非常に少ないのだ。

過去数年の自分の参加した観察会やシンポジウムを思い返すも、
苔類に的を絞った詳しい話が聞けたことはほとんどないように記憶している。

それこそ、日本蘚苔類学会と国立科学博物館共催のイベントで
古木さんからレクチャーを受けたことがあるくらいである。

  ※ちなみに、今年も↑このイベント↑が5/24(土)に東京・上野で開催されるとのこと(応募締切は5/5)。詳細はこちらへ。


そんなわけでたまりにたまった数年分の苔類フラストレーションを抱えて屋久島へ渡った私は、
会期中ほぼ毎日、隙を見ては古木さんを質問攻めの刑(どんな罰ゲームだ…)に遭わせてしまった。

質問リストを持参しての質問に次ぐ、質問。
無我夢中のしつこさで、いま思い返すもお恥ずかしい限り・・・。
まったく反省ザルである。

しかしながら、そんな超しつこい質問攻めをくらわされながらも、
早朝でも深夜でも嫌な顔一つせず、常に真摯に丁寧に素人の質問に答えてくださった古木さん。

はっきりいってあの時の私には、古木さんが神様か仏様のように見えましたヨ(いや、ほんまに)。

おかげさまでワタクシ、苔類ラビリンスから無事抜け出すことができ、
いままで「なんかわからん、苔類…」だったのが、「苔類って、実はおもしろい!」と
確実に苔類への見方・興味が変わったと思います。

改めて古木達郎さん、そしてこういう貴重な会を企画してくださった
岡山理科大の西村直樹さんにお礼申し上げます。


さてさて、思いの丈を綴っていたらすっかり長文になってしまったが・・・。

屋久島コケフォレーでは、苔類への長年の疑問が
諸々解決したことはもちろん、今回もさまざまなコケと出会うことができた。

古木さんはもとより、苔類に詳しいMさんやTさん、
現地ガイドのOさんやYさん、京都の若手のOくん、
いろんな方が「ここに面白いコケがいるよ」
「あそこにも珍しいコケがいるよ」と教えてくださり、
そのおかげで自分だけでは決して見つけられない面々ともご対面することができた。


▲今回も、屋久島の各地でコケ観察ができた。

たとえば、ツノゴケ類もその一つ。

ツノゴケ類は蘚類・苔類と共に「コケ植物」を形成する1つのグループだが、
蘚類が日本に約1100種類、苔類が約600種類いるのに対し、
ツノゴケ類はたった17種類しか確認されていないという非常に少数派グループだ。
いまでこそ独立したグループであるが、それこそ20世紀の中頃までは苔類グループの中に収められていたという。

生育地は低地にある公園や庭、畑などの土上と、わりと人間の生活圏内なのだが、
なにせツノ(胞子体)が出ていないとコケ研究者でも見つけにくいというクセモノで、
自分も今思い出せるだけで、ツノゴケに会えたのは6、7回くらいか・・・。

しかしながら、さすが優れたコケ目を持つ方々が集うコケフォレー、
会期中のある日には、ツノゴケがなんと3種類も一堂に会すというめったにないことが起きた。

そもそも出会うこと自体が難しいので、
ましてや見比べができるなんて初めての経験だった。


▲メモに書かれている特徴があるかどうか、ルーペや顕微鏡で実際に確認することができた

ちなみにツノゴケ類は胞子体がツノ状なのに加え、
体内(葉状体)に藍藻類が共生しているのも大きな特徴である。

古木さんのよると、藍藻類は運動性のあるもので、自分からコケの中に入り込むらしい。
藍藻類はコケの中に入ることで安全な住みかや水分を獲得し、
コケは藍藻類から生育に必要な(窒素固定をした)アンモニアを受け取るため、
双方にメリットがあり、共生関係が成り立っているらしい。

なお、このように体内に藍藻が共生しているのはこのツノゴケ類と、
苔類のウスバゼニゴケ科(ウスバゼニゴケとシャクシゴケの2種類)のみであるという。

【コケ情報】屋久島の高田裕子さんの個展、開催中です。

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屋久島在住の画家・高田裕子さんの個展が、
4/9(水)から東京・南青山の「新生堂」にて開催されています。


<高田裕子展>
●日程:4月9日(水)〜25日(金)  ※日曜・祝日休廊
●時間:am11:00〜pm6:00(最終日pm5:00)
●場所:新生堂 http://www.shinseido.com/
   〒107-0062 東京都港区南青山5-4-30
    tel:03-3498-8383

なんと高田さんご自身も屋久島から来られていて、初日だけでなく、
2日目以降も13時〜18時まで在廊されているとのこと(!)。

ちなみに私が高田さんの絵を自分が知ったのは
去年の屋久島コケフォレーがきっかけで。

屋久島の雑貨屋さんで取り扱われていたというポストカードはコケモチーフのものばかり。
コケ友さんたちと「まさにコケの森だね!」「きっとこれは○○ゴケじゃない?!」とそれはそれは盛り上がったこと。

さらに去年8月の日本蘚苔類学会で、学会員たちのコケ作品の中に再び高田さんの絵を見つけた時は、
真夏の暑さも吹き飛ぶような、優しく爽やかな風が心の中に吹いたのを覚えています。

絵のことをよくわからない素人が言うのもなんですが、
高田さんの絵は、繊細で、優しくて、幻想的。

人間にはとうてい踏み込めないような屋久島の森が醸し出す「静寂」が
1枚の絵の中に凝縮しているように私には感じられます。

そして、そこにコケを描くということはきっと必要不可欠だったのではないかな
とも思わせてくれます(・・・勝手に評論家気取りでスミマセン!)。

なお今回の個展には新作のコケの絵も並ぶそうですので、
購入希望の方は早めに足を運ばれた方がよいかも。
またポストカードの販売もあるそうです。

【コケ情報】5月はコケイベントが盛りだくさん&奥入瀬コケマップ第2弾完成、そして京都でのヒトコマ。

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▲ハリガネゴケの仲間 (2014.4月 京都にて)


ここ最近、お知らせばかりが続いていますが、
またも耳に入ってきたコケ情報をいくつかご紹介。

そして最後にコケ近況報告をば!

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☆5/10(土)サイエンスカフェ「南極では主役!コケの不思議」

東京・立川にある国立極地研究所で行われるサイエンスカフェ。
講師は南極のコケの研究をされている伊村智さんです!

日 時 : 2014年5月10日(土) 15:00〜16:30
講 師 : 国立極地研究所 生物圏研究グループ教授 伊村智さん
参加費 : 無料
申 込 : 不要(直接会場へお越しください)
定 員 : 先着40名程度
場 所 : サザンクロス(南極・北極科学館隣り)

※詳細はこちら


☆5/17(土)「『コケに誘われコケ入門』出版記念トークイベント〜コケの不思議とその魅力〜」

先日、このブログでもご紹介した「このは」のコケ特集がなかなかの人気だそうで、
原稿執筆にかかわられた国立科学博物館の樋口正信さんを招いてのトークイベントが
東京・渋谷のMARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店で開催されるとのことです!

開催日時 : 2014年5月17日(土) 開演14:00 (開場13:30)
講師   : 国立科学博物館植物研究部 陸上植物研究グループ長 樋口正信さん
開催場所 : MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店 7階喫茶コーナー
定員   : 40名
入場料  : 1000円(1ドリンク付き)

※詳細はこちら


☆5/24(土)東京理科大野田キャンパス第7回コケ観察会

コケ友・中島啓光さんが毎年春と秋に開催しているコケ観察会が今年もあります!

講師  : 横浜国立大学大学院 研究教員 中島啓光さん
定員  : 10名
場所  : 東京理科大学野田キャンパス・自然公園
集合  : 5月24日(土)午前11時 東武野田線運河駅改札前
内容  : 初心者を対象とした、説明会付きのコケ(コケ植物と地衣類)観察会
      キャンパス内の会議室にてプロジェクターを使ったコケ説明会の後、
      昼食(各自持参)をはさんで、午後からキャンパスと自然公園に生育する
      10種類以上のコケ植物と5種類以上の地衣類を観察します。
参加費 : 無料
申込  : 件名を「第7回コケ観察会申込」とし、氏名、当日の連絡先を明記したEメールを
      中島さん宛て h-nakaji◆ynu.ac.jp 宛(◆を@に)にお送りください。


なんだかGW明けの関東の土曜日はコケづくしになる模様・・・(笑)
ご興味のある方は早めの申し込みがおすすめです!

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さらにイベントではありませんが、もうひとつコケ情報。

少し前に奥入瀬の「コケ散歩ガイドブック」のことを書きましたが
さらに今回、新たなコケさんぽマップが完成したとのこと!


▲ハンディサイズの4つ折りパンフレット

前回はどちらかといえば対象が子供向け、
今回は大人向け(奥入瀬に来られる自然が好きな方向け)だそうです。


▲中身を開くとこんな感じ(見開きの右半分)

わがやの家庭用プリンター兼スキャナーではパンフレットの半分の面しかスキャンできなかったのですが、
実際はもう左半分にもマップが続いていて、奥入瀬渓流の上流・中流・下流、
そして水源となる十和田湖周辺で見られる主なコケ16種類が紹介されています。

このマップを手に渓流沿いを歩くのはきっと楽しいだろうなぁ。

現地の河井大輔さん(NPO法人奥入瀬自然観光資源研究会 理事長)によると、
いまの奥入瀬はまだ残雪に覆われており、スノーシューなしではところどころ歩くことができないのだとか。

しかし、すでにコツボゴケやタマゴケなどのコケたちが
いっせいに?を伸ばし始めているとのこと。

奥入瀬の春はこれからのようです。

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そして、ここからは私自身のコケ近況報告。

冒頭の写真は、数日前の京都での一枚。

「岡山コケの会 関西」はほぼ毎月、コケ観察会が行われており、
今月は初夏の陽気の中、京都市内の山あいでコケ観察をしてきた。

山道を歩いている途中、そこここに立派なタマゴケ群落を目にするも、
この冬は寒さが厳しかったせいか、もう4月も下旬になるのに胞子体をつけているものがとても少ない。

よくよく見ても、これから胞子体を伸ばす兆しもなさそう。
何らかの理由で受精がうまくいかなかったのかもしれない。

一方、そんな華のないタマゴケ(といったらタマちゃんに失礼か…)をよそに、
他では威勢よく胞子体をつけている種類もいて。

そのなかのひとつがこちら。


▲どうです、大群落でしょう?


よくわからないって? 
近づいて側面からのぞいてみると・・・



▲たわわに実るハリガネゴケの一種でした



▲まだ青々しい感じからして、中の胞子は熟していないご様子


それにしても立派なサクだこと!



しばらくルーペで眺めていると、なんだかみずみずしいヘチマのように見えてきて。
さくさくと切って浅漬けにしたら、さぞおいしいだろうなぁ、なんて(あぁお腹がすいてきた…)。


それにしてもこんなにヘチマに似ているのに
なぜ「ハリガネゴケ」という名前なのだろう。

「どこが『ハリガネ』なんでしょうね?」

と思わず一緒にコケを見ていた方に聞いてみたら、

「(コケの小さい体からしたら)これだけの重みのサクをこんな垂直面で支えている強靭な柄が、ハリガネっぽく見えるかも」

とのお返事。

 ※正式な和名の由来ではなく、あくまでイメージです。





なるほど〜、たしかに!

細い針金をくの字に曲げたその先に
サクがぶら下がっているように見えてきた。

それにしてもサクの先端にある未成熟なサク歯の束が、
光に透けて、まるでキラキラ輝く宝石のよう。

針金の柄をほどよいところでカットして、
耳につけたら、そのままピアスになるんじゃないかしら。

誰も足を止めないような道端で
小さくて美しいものをひたすら見つめる昼下がり。

妄想は果てしなく広がっていく。

ミジンコゴケ(その1) −意外とあっけない出会い−

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▲スギの木の根元。いったい何を写してるの?!とツッコミたくなるショットではありますが・・・しかしヤツはここにいる!

遅まきながら屋久島コケフォレーレポートのつづき。

屋久島コケフォレー3日目は、
今回のコケ合宿で最も衝撃を受けた一日であった。

コケフォレーは毎日午前中は島内の異なる環境へ出向き、
それぞれの環境特有のコケを見て回る。

ご存じの方も多いと思うが、屋久島は九州本土の南に浮かぶ外周約130?ほどの島で、
レンタカーを借りれば3時間程度で1周できる。

しかし地形は決して平たんではなく、島の内陸には
九州一の高さを誇る宮之浦岳(1,936m)をはじめ、1800m級の険しい山々が連なる。

南にあるためつい温暖な気候をイメージしてしまうが、
冬は標高の高い場所では雪が降り積もるほど。
そのような地形的特徴から屋久島は「洋上のアルプス」の異名を持つ。

小さな島に標高の高い山々が連なるということは、
つまり海辺から内陸に向けて急激に環境が変わっていくということでもある。

屋久島では海岸付近の低地は亜熱帯性の森が広がり、
少し上がって標高1,000mあたりまでは冷温帯性で
東北から九州までの暖温帯に生えている照葉樹林が見られる。

さらに登り進めば「屋久杉」をはじめとする針葉樹の森が陣取り、
標高1,800mを越えた山頂付近になると亜高山帯の植生が広がる。

この標高差における植生の違いは小さなコケについてもまたしかり。

亜熱帯性の森と亜高山帯の森では、
見られるコケの種類がまったく異なってくる。

そういった意味でも、屋久島はひとたび訪れれば
九州から北海道までコケトリップができたような気分になれる、
とってもおトクな島なのである。


▲環境省「日本の自然遺産」より抜粋


さて、前置きが長くなってしまったが、コケフォレー3日目に
私たちが訪れたのは標高460mほどに位置する渓谷だった。

今回は苔類を専門に研究されている古木達郎さんが講師ということで、
あそこにもここにもキラキラと輝く蘚類の誘惑はあれど、それらをすべて振り切って
「今回は苔類のみに集中するぞ!」とひそかに決意する。

古木さんは(前の記事にも書いたが)素人の質問にも常に真摯に答えてくださる方で、さらには
「せっかく屋久島まで来たのですから、もし見たい苔類があったら言ってくれれば探しましょう」
とまでおっしゃってくださる。

もちろん社交辞令だったのかもしれないが、そのひとことにちゃっかり乗っかった私は、
「今日の観察地で、このコケは見られますか?もしいれば見たいのですが…」
と毎日のようにリクエストを出すシマツ。

その一つが、図鑑で見てひと目で心奪われた「ミジンコゴケ」なのだった。


そう、名前に「ミジンコ」などとついているのだ。

ただでさえ小さいコケ、そのなかでもとりわけ小型な種類が多い苔類、
さらに日本に600種類ほどいるその苔類の中において
「ミジンコ」の名を冠するコケとなれば、これはぜひとも見てみたい。

しかも平凡社のコケ図鑑によれば生育地域が「鹿児島県〜琉球、小笠原」とある。
つまり屋久島はエリア内であるが、地元・関西に帰ってからではどんなに見たくても見られないということ。

このチャンス、生かさずしてどうする!?

厚かましい私のミジンコゴケリクエストにも快諾してくださった古木さんは、
「いるところにはいるんですよ。スギやヘゴの木の根元、根元と土中間の辺りのね、少し暗くて湿りかけたような所にね」
と言いながら、ずんずんと渓谷の奥へ入っていかれる。

それを追っかける私と同じくミジンコゴケに興味津々のコケ好き数名。

(図鑑によれば茎の長さは約5?、幅はたった0.2〜0.4?。そのようなミクロなコケ、いくら古木さんでも見つけられるのだろうか・・・)

すこし不安になりながら古木さんの背中を追いかける。
いくらなんでもそんなすぐには見つからないだろうと高をくくっていた矢先・・・

「あ、ここにいますね〜」

とあっさりおっしゃる古木さん。

「えっ(早っ!) ミジンコゴケ、そこにいるんですか?!」



▲「はい、ここです」とスギの根元を指をさす古木さん

あわてて駆け寄るが、どこにいるんだか私にはさっぱり見えない。

「す、すみません、どこでしょう…(汗)」

「ここです、ここ。いや〜、けっこうな大群落だな〜」

と言ってミジンコゴケがついた樹皮の一部を手渡してくださる。


▲ちっちゃ!緑のモヤモヤは見えるが、小さすぎて形がよくわからない


そこでルーペでよく見てみると・・・







絡み合うように生い茂る透明感のある美しき緑色。
そしてルーペで見てもやはり茎と葉の区別がよくわからない。
なんだか頼りなげで、緑色の糸こんにゃくのようにも見える。

こ、これもコケなのか・・・。

「適した環境を探せばいる所にはいるコケですが、ここまで大きな群落は珍しいですね」

と古木さん。

自分が想像していたよりも小さく、そしてあまりに簡素なつくりに驚きつつ、
この樹皮の破片を持ち帰り、顕微鏡で観察することにする。 (つづく)


【告知】6/7(土)コケトレvol.7開催、今回はハイゴケ part2です☆

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先月に引き続き、あめつち主催のイベント「コケと親しむ緑のトレーニング」(略してコケトレ)を
6/7(土)17:00から世田谷ものづくり学校で開催します。

7回目となる今回のテーマは「ハイゴケ part2」。

ハイゴケは去年も取り上げたテーマですが、
今回は夏に向けて涼しげな「吊り苔玉」を作り
ハイゴケの魅力をバージョンアップ版でご紹介する予定です。

詳細・お申込みは「あめつち」のホームページにて。→こちら

  ※このブログからは申し込みは受け付けていません。

手前味噌で恐縮ですが、おかげさまで毎回なかなかの人気を博しているこのイベント。
予約がわりとすぐにいっぱいになってしまうので、ご興味のある方はお早めにどうぞ。
募集は昨日から始まっています。


ミジンコゴケ(その2)−コケたちよ、もっとミクロであれ!−

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ミジンコゴケを持ち帰り、まずは実体顕微鏡で観察。

  ※実体顕微鏡:対象物を切ったり、プレパラートに載せたりせず、そのままの状態で拡大する顕微鏡。
    倍率は数倍〜40倍くらいまでの比較的低倍率。
 


おぉ、ルーペよりもはるかに1個1個の個体が明確に見える!
先ほどは糸こんにゃくのように見えていたものが、
今度はウミブドウのように見えてきた。


ミジンコゴケはムチゴケ科に属するコケである。

ムチゴケ科にはこの他に、ムチゴケ、コムチゴケ、フォーリームチゴケなど「〜ムチゴケ」と名のつくコケ、
スギバゴケ、フォーリースギバゴケ、コスギバゴケなど「〜スギバゴケ」と名のつくコケ、
さらには西表島にしか生育が確認されていない「テララゴケ」などがある。

〜ムチゴケと名のつくコケたちは大型(数センチ〜十数センチ)のものが多く、
日本全国の森や林でわりと見られるメジャー種。


▲フォーリームチゴケ。茎の長さは3〜8センチ。鞭枝(べんし)と呼ばれるムチのような茎がブラブラと垂れ下がっているのが特徴。
(3月、屋久島)


また〜スギバゴケと名のつくコケたちはムチゴケの仲間に比べて一見、
線が細いというか繊細な体のつくりをしているが、群落はわりと大きいのでそれなりに目立つ。
自分の経験上、ムチゴケが自然と目にとまるレベルの
コケ目になっていれば、ほどなくして見つけられるコケであろう。


▲こちらはフォーリースギバゴケ。茎の長さは10センチほどとけっこう長めだが、直径は0.5センチと細くて繊細(3月、屋久島)



▲さらにアップ。一見、葉がないように見えるが、茎と枝についているボコボコとしたものが葉である


極小のミジンコゴケがこれらのコケと同じ科に属しているなんて、なんだか不思議であるが、
顕微鏡でからだのつくりを見てみると、茎は這い、二又に枝分かれしているところなどはムチゴケのようだし
葉は非常に小さくて、一見ないかのように見えるあたりはスギバゴケのようで、
ミジンコレベルに小さいとはいえ、やはりこれもムチゴケ科のはしくれなのだと見て取れないことはない。


▲そしてこちらがミジンコゴケを生物顕微鏡(数百倍まで拡大できる高倍率顕微鏡)で見たところ。
 茎の長さわずか約5ミリ、幅は葉を含めて0.2〜0.4ミリ。茎からちょぼちょぼと何か出かかっているように見えるのが、なんと葉っぱ!


▲さらに、そのミクロサイズの葉の先には透明細胞があるのが特徴


しかし、いくら大目に見たってミジンコゴケは他のムチゴケ科の仲間と比べたら、
小さいことはもとより、からだのつくりがシンプルすぎる。

茎はわかったが、数百倍に拡大して見ても葉がどうにも葉っぱっぽくない。
見れば見るほど緑の棒っきれからちょっと枝が伸びかけたという感じで
教えてもらわないと葉の存在にはとても気づけない。

ミジンコゴケの葉はもしかして、退化してこんなお粗末なことになってしまったのだろうか。

もしかしたらミジンコという名前のゆえんも、
いまにも消え入りそうなその存在感の薄さからきているのかしら。

そんな素朴な疑問を古木さんに伝えたところ、
いやはや、とんでもない答えが返ってきた。


「むしろ逆です!ミジンコゴケはムチゴケ科の中でもっとも進化した最新型モデルのコケなんですよ」

「エエェッ!?」(マスオさんよろしくのけぞる私)


ここからは、その時の古木さんの詳しいお話をリアルタイムで
聞き書きしたメモが手元に残っているので、それを簡単に要約する。

 注)とはいえ、あくまで自分のために整理した文章ですので意味がわかりにくい部分があるかも。
   また明らかに認識が間違っている個所などあれば、コケに詳しい有識者の方、ご指摘いただけると助かります。

・ムチゴケ科の中で逆に最も原始的なのはスギバゴケで、その次にムチゴケなのだそうだ。

・原始的なコケというのは直立性が多く、進化が進んだコケほど匍匐性(這うタイプ)になる。
 匍匐して地面に張り付いていると、直立しているよりも風を受けにくいため乾燥にも強い。
 乾燥に強いということは、乾燥しがちな土地にも広く進出できるということであり、
 たとえば都会の公園や庭先でよく見られるハイゴケ(蘚類)はそういった意味で進化が進んだコケと見てよい。

・また、コケとは進化しているものほど小型化する傾向もある。

・つまりものは考えようで、体が大きくない・葉も発達していないというのは一見デメリットのように思えるが、
 つまりはそれだけ「体の形成にエネルギーを使っていない、省エネタイプ」ということでもある。

・なおかつ、そんなシンプルな体でありながら、枝葉が発達した大型のコケたちと同じ場所に生きられるということは、
 それだけ、徹底的に無駄を省き、かつ機能的なボディを備えている証拠というわけである。


この話を聞くまで私は、小さなコケたちの中でも、
少しでも他のコケより大きく育って表面積をかせいだほうが、
コケとして勝ち組な生き方なのだろうと勝手に思っていた。

しかしコケの哲学はこれとは真逆で、面積をかせぐ云々よりも、
より小さくシンプルであること、エネルギーを無駄遣いしないことをよしとし、
それこそがコケたちが求める「スマート」な生き方、「進化」と呼ぶにふさわしい生き方ということなのだ。

うーむ、なんだかまるで機能性・小型化をカッコ良しとする日本の電化製品のようではないか!?


私はミジンコゴケのことをすっかり誤解していたようだ。

ミジンコゴケはまさにミクロでなんぼのコケ界の看板をしょって立つ、
コケ界きっての牽引役なのではないか!

いやはや、ミジンコゴケさん、おみそれしました。

それにひきかえ、コケに魅せられたはしくれながら、
面積での陣取り合戦をとやかく言っているワタクシの脳は
しょせん、まだまだフツーの植物サイズでございます・・・。

他の植物に比べて、すでにじゅうぶん小さいにもかかわらず、
まだまだ小さく、より隙間、隙間へ向かおうとしているコケ。

コケの考えていることは底が知れない。

その奥深さに気が遠くなりながらも、
これからもますます心惹かれてしまうことになりそうだ。


▲シダの前葉体と一緒に生えていたミジンコゴケ(3月、屋久島)





苔涼やかに。

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▲シノブゴケの仲間(2009年8月・和歌山県)


今日から7月。しばらくぶりでございます。
お元気でいらっしゃいましたでしょうか?

実は私の方は5月、6月はちょっとプライベートでハプニングがあったり、
体調を崩してしまったりで、このブログの更新もままならない日々を送っていました。
鬼の霍乱か・・・いやはや、珍しいこともあるものです。

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さてさて、ベッドに横になっている間、時間だけはあったので、
去年購入して読みかけになっていた「胞子文学名作選」の続きをようやく読むことができた。

ちなみに今日の「苔涼やかに。」というタイトルは、同書に収められている「苔やわらかに。」(著者:伊藤香織氏)からもじったもの。
写真も「涼やか」という言葉がぴったりの水辺にたたずむシノブゴケを選んでみた。


同書には本当にさまざまな隠花植物をテーマにした作品が掲載されていたのだが、
「苔やわらかに。」は、主人公の年代が自分とほぼ同じで「婚活」「超就職氷河期」など
自分のこれまでの人生に非常に身近なキーワードが物語の背景にあったせいか、とりわけ印象に残った。

他にも印象に強く残ったといえば、尾崎一雄氏著の「苔」もよかったなぁ。
主人公がコケを丁寧に観察する姿の後ろに、著者もまたつぶさにコケを見ていたであろうことがうかがえて、
なんだか無性に嬉しくなったりした。

また、一作ごとに巻末に書かれている編者・田中美穂さん(蟲文庫店主)の解説を読むのも楽しみで、
ただ作品を読むよりも、田中さんの言葉の力で、より奥深い想像の世界に引き込まれていったように思う。

装丁も宝石箱のようにすごく凝ったつくりであるし、
ブックデザインも一作ごとにあらゆるからくりがしかけられていて、
とにもかくにも読み応えのある、大変満足感のある一冊でした。


なお、また写真の話に戻るが、この写真を撮ったのはいまからもう5年前の2009年のこと。

「浮島の森」(和歌山県新宮市)という、太古の植物が積み重なってできた泥炭の上に森ができ、
それが沼に浮いているという不思議な島を訪れた時に出会ったコケ風景である。

どうしてこんな古い写真をいまごろ引っ張り出してきたかといえば、
実は去年の秋に大盛況を博した「苔・こけ・コケ展」(オカモス関西と京都府立植物園の共催)が
今年も11月21〜23日に開催されることになり、その出展作品として自分の写真も少し飾らせていただけることとなったからだ。
ここ数日は、5年前からの写真を総ざらいとまではいかないが、とりわけコケが美しかったロケーションを思い出し、
その時撮った写真が収められているフォルダを開いては、一枚ずつチェックしてこれぞと思うものをピックアップする作業に追われていた。

京都コケ展については、また詳しいことはこれからオカモス関西から最新情報が入ってき次第、
こちらでもお伝えできればと思うが、コケ好きの皆さま、この秋もぜひ京都へ足をお運びください。


<私信>
ブログからすっかり離れている間に、ブログ専用のメールアドレスに届くメッセージのボックスもほとんど開かずにいたところ、
何通かメッセージをいただいていた。長い間、返信できなかったこと、この場でもお詫び申し上げます。

その中のおひとり、私の本を読んでコケが好きになったというメッセージをくださった中学3年生のYさん、
そのようなメッセージをくださり、本当にありがとうございました。すごく嬉しくて、これからもがんばろうという勇気がわいてきました。
コケ好きがまわりにいらっしゃらないとのこと、残念ですよね。でもいるところにはいます!
博物館の観察会などチャンスがあったらぜひ行ってみてほしいです(年上のお友達が多いと思いますが…)。
ルーペをのぞいてミクロの森の探検家になるひと時、楽しいですよ!

直接返信したかったのですが、ご本人のメールアドレスが書かれていなかったので、こちらにて失礼します。
すっかり返信が遅くなってしまいましたが、ご本人が読んでくださることを願って。 藤井久子より


【コケ情報】茅野市の博物館にて企画展『北八ヶ岳のコケ』開催中!

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暑中お見舞い申し上げます。

暑さにかまけてまたブログをおさぼりしている間に、
7月が終わってゆきます・・・。


さて、7月26日から茅野市八ヶ岳総合博物館(長野県)にて、
企画展『北八ヶ岳のコケ』が始まっているのをご存じだろうか。

北八ヶ岳といえば、その地域のコケの豊富さ、種類の多様さ等が評価され、
2008年には日本蘚苔類学会(コケ研究のための学会)から「日本の貴重なコケの森」の認定も受けた、
いわばコケ聖地といっても過言ではない研究者たちもお墨付きのコケスポットである。

さらにこのエリアの環境保全を行い、今のままの自然を後世に伝えることを目的に
2010年に地元の山小屋のオーナーらが立ち上げた「北八ヶ岳苔の会」は、
毎年春〜秋に北八ヶ岳のコケの森を歩くツアーイベントを主催しており、
コケ好きさんの間ではもちろんのこと、アウトドアが好きな人たちにとっても、
いまや有名なコケトリップツアーとなっている(人気過ぎて「予約が取りづらい」との噂もw)。


そんな「北八ヶ岳」のコケたちをテーマにした今回の企画展、いったいどんな展示内容なのか。

パンフレット(上記)を見ただけだとよくわからなかったので、
気になって先ほど博物館に電話で聞いてみたところ、博物館内の一角にコケブースを設け、
北八ヶ岳のコケの写真を約60枚とコケの標本を展示しているとのこと。

そしてなんでも写真撮影者は、北八ヶ岳苔の会のコケツアーで定期的に観察会の講師をされ、
この春には自由大学の苔学の講師もして頂いた樋口正信さん(国立科学博物館植物研究部グループ長)というではないか。

なお、今回の企画展開催に際し、8月中には関連イベントも開催されるとのこと。

この夏、北八ヶ岳にコケを見に行かれるご予定の方、
もちろんまだ夏のご予定を決めておられない方も、
ぜひ遊びに行かれてはいかがだろう。

<平成26年度茅野市八ヶ岳総合博物館企画展:北八ヶ岳のコケ>
●場所:茅野市八ヶ岳総合博物館(入館料:大人310円、高校生210円、小中学生150円)

●期間:2014年7月26日〜9月28日(7/28、8/11、8/18、8/25、9/1、9/8、9/16は休館日)

●関連イベント
1、講演会『北八ヶ岳のコケ』
・日時:8月3日(日)13:30〜15:00
・場所:茅野市八ヶ岳総合博物館研究室
・講師:樋口正信 理学博士
・聴講料:無料(申し込み不要)
・定員:40人

2、コケ観察会 〜麦草峠と白駒池付近にて〜
・日時:8月10日(日)10:00〜13:00
・集合:麦草ヒュッテ駐車場
・講師:北八ヶ岳苔の会会員
・参加費:無料(要事前予約)
・定員:20人
・持ち物:雨具、傘、ルーペ、弁当

3、ワークショップ「コケのテラリウムづくり」
・日時:8月17日(日)13:30〜15:00
・場所:茅野市八ヶ岳総合博物館研究室
・講師:鵜沢美穂子 先生(ミュージアムパーク茨城県自然博物館学芸員)
・聴講料:100円(要事前予約)
・定員:20人




ちなみに余談だが、個人的には『北八ヶ岳のコケ』に加えて、
9月に同館で開催される縄文土器「仮面の女神」の国宝指定特別企画も気になるところ・・・。

ドイツのコケとチョコレート

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▲この夏の収穫。叔母からのドイツ土産。

あっというまに9月。
うっかり1か月以上もブログをおさぼりしてしまった・・・。

この夏は結局、なんら夏らしいこともせず、
コケ遠征にも出かけなかった。

そこで気分だけでもバカンスをということで、
従姉が住むドイツへ遊びに行くという叔母に頼み、
お土産を持って帰ってきてもらった。

その内容はずばり、「コケ」と「チョコレート」。

そう、これは私の人生に欠かすことのできない
「二大好きなモノ」なのである。

ちなみに「大」と付けば「三大」をうたうのが一般的かと思われるが、
私の場合、残りの一つは「ココナッツ」である。

そして何を隠そう、買ってきてもらった「BOUNTY」というチョコレートは、
なんとチョコの中にココナッツフレークがぎっしり詰まっているという、
一粒で私の二大欲求を満たしきってくれる超優れモノのチョコレートなのである。

昔は日本にも輸入雑貨の店などに置いてあったのだが、
どういうわけかここ5、6年くらいでまったく見かけなくなってしまい、
なかば「BOUNTY」の中毒者であった私はとてもさみしい思いをしていた。

しかし、ドイツのスーパーには通年置いているという情報を聞きつけ、
このたびも大量に買ってきてもらったというわけ(実際は写真の量の5倍w)。
おそらく冬いっぱいは持つかと思う。考えただけで至福だ。


さて、話がすっかりチョコレートの方を向いてしまったが、コケの方はどうだったか。

叔母は植物は好きだが、特別にコケが好きなわけではないので、
果たしてどういうコケを、何種類くらい採ってきてくれるか、未知数であった。

「どうやって持って帰ったらええかな? 湿らせとかないとしわしわに枯れちゃうよねぇ?」

案の定、そのような質問を受けたので、

1.採る時は許可を得て、
2.ひとつまみ(少量)をそのまま紙に包んで、
3.採った場所と日付を明記して、

持って帰ってきてくれたら十分だと伝えだのだが、
ご覧のとおり、えらい量を持って帰ってきてくれた。

しかし、ざっと見てみるに種類は2種類。

ナミガタタチゴケらしきものと、
もう一つは・・・ハイゴケ科の何かだろうか。







もしかしたら日本には生育していない種類かもしれないが、
あとで図鑑と顕微鏡でゆっくり調べてみよう。
これもまた至福のひと時だ。



-------------【コケ情報】----------------------------------------------------------

親しい身内にのみ公開している自分のフェイスブックではすでにお知らせしたのだが、
もう何年も前に惜しまれながら閉園してしまったすばらしい苔庭「苔の園」を
新たに「苔の里/叡智の杜」として復活させようという取り組みが、
地元の石川県小松市で始まっているのをご存じでしょうか?

叡智の杜公式ホームページ

いま、リニューアル開園に向けて必要な支援・資金を集めるべく、
クラウドファウンディングのサイトを通して、全国に支援の呼びかけが行われています。

クラウドファウンディング・モーションギャラリー「叡智の杜プロジェクト」専用サイト

そう、最近巷で流行中という「クラウドファウンディング」、
これは一般的な寄付とは何が違うのか?!(じつは私も最近知ったところ…)
そのへんのことにも触れながら、次回はこの取り組みについてもう少し詳しく書きたい思います。


【コケ情報】「叡智の杜プロジェクト」について〜初めてクラウドファンディングに参加してみた その1〜

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▲晩秋の苔の里(石川県小松市日用町 2013.12月初旬)


前回の記事で予告したとおり、今回は石川県小松市で始まっている「叡智の杜プロジェクト」について。

まず、このブログを読んでくださっている皆さんは、
かつて石川県小松市日用町(ひようまち)に
「苔の園」(こけのその)という苔庭があったことをご存じだろうか。

その苔庭はスギの木立の中に一面に広がるコケ空間で、
中心部には遥か昔の尊い方のお墓を思わせるような
全面コケに覆われた見事な丘陵が鎮座している。

寺社仏閣によく見られるような全体の景観とのバランスを
細かく計算し構築されたような苔庭とは一線を画し、
この地の自然環境の中で育つべくして育ったコケが、
自らの力のままに生い茂ったという印象の苔庭だ。

散策路を歩くと、まるで自分が緑の海原の中を歩いているような幻想的な気持ちになる。
それと同時にこれだけ量も種類も豊富なコケが粛々と培われてきたという事実に
気の遠くなるような時間の重みを感じ、自然と厳かな気持ちにもなってしまう。

「苔の園」は、以前この地で日本蘚苔類学会の大会が開かれたこともあり、
コケ研究者やベテランのコケ好きさんの間ではかなり知られた苔庭の一つであった。

しかし同地の造園・管理に携わられた大石鉄郎氏の死去と、
隣接する道路の拡幅工事に伴い、2009年に惜しまれながら閉園してしまった。

ちなみに2009年といえば私個人はコケへの情熱がちょうど本格的にふつふつとし始めた頃で、
「全国のコケの名所を一つずつ回りたい!」と思っていた矢先に知ったこの閉園のニュースに、
ひどくがっかりしたことを今でもはっきりと覚えている。

となると、なぜ苔の園に行ったことがないはずの私が
さも見てきたかのようにこの苔庭のことを語れるのか。

それは苔の園閉園後も地元住民の有志によって苔庭のケアが日々行われ、
この5年間、開園当時そのままに庭のコケたちが守り続けられてきたからだ。

それだけこの苔庭が地元の人たちにとっても価値のあるものだったということだろう。

そして今年春に行った自由大学の苔学の講師のご縁で、
今回の叡智の杜プロジェクトの中核を担う「一般社団法人 叡智の杜」から
「見学に来てみませんか?」とラッキーなことにお声がかかり、
「苔の里」と名前を新たにした苔庭を拝見する機会に恵まれたというわけだ。


さて、すっかり前置きが長くなってしまったがここからが今日の本題だ。

そんなわけで苔の里にすっかり魅せられた私は、一ファンとして、
この新しいプロジェクトのことをぜひ紹介しておきたい。


<叡智の杜プロジェクトとは>

地元の有志らによって守られてきた苔庭「苔の里」と
隣接する古民家や、周辺のスギ林なども含めた里山一帯を保全・修繕し、
このエリアの美しい自然と文化の価値を高めて国内外の人々や叡智が集う
「叡智の杜」として新たに蘇らせようというプロジェクト。
企画・実行は、国と小松市、さらに日用町の住民有志らを中心とした「一般社団法人 叡智の杜」による。


なんでもこのプロジェクトによって古民家はラウンジやカフェ、ギャラリースペース、
研修施設などの多目的施設(しかもオシャレな!)にリフォームし、
さらに苔庭にはコケの資料館を新設するかも(予定)とのことである。

このビックプロジェクトにはやはり莫大な資金がかかる。
そこで現在、一般社団法人 叡智の杜では、クラウドファンディングという手法を使って、
県内外の一般市民もこのプロジェクトを応援できる取組み(まずは古民家修繕のための応援)を行っているという。


さて、ここまででさらっとプロジェクトの説明をしてみたものの、
この「クラウドファンディング」とはいったいなんぞや? 
最近ちょこちょこと言葉だけは聞き巷で流行っているぽいが、普通の寄付と何が違うのだろうか。

応援する気はあるものの、このブログの更新とアマゾンでのお買い物がやっと、
その他の通販サイトのクレジット決済などにはいまだビビっているネット弱者であり、
なおかつ納得しないと動きたくないという面倒くさい性分でもあるワタクシは、
この海のものとも山のものとも知れないクラウドファンディングというものがどうにも敷居が高く感じているのである。

プロジェクトのクラウドファンディング専用サイトというものをちょいちょいのぞき見はするものの、
なかなか「プロジェクトを応援する」という青いボタンが押せずに数か月が過ぎ、今日まできてしまったというシマツ。



しかし! なんでもこのプロジェクトを応援するには期限が決まっていて、
うかうかしているうちにもう〆切まで残り1か月を切っているというではないか!

これはあかん!本末転倒!ということで覚悟を決めて(←大げさw)
先ほどとうとう「プロジェクトを応援する」を押してきました!

さて、その手順とは・・・と続きを書こうと思ったが、ここまでですっかり長文になったので、
詳しい手順については次に書くことにしたい(私のようなアナログ派が情報を待っていると信じて)。

ネット弱者じゃない方は、どうぞワタクシたちのことは気にせず、
「プロジェクトを応援する」を押してみてくださいマセ。

そして少しでも興味がある方は、まずは専用サイトの動画の美しい苔庭風景をご堪能くださいマセ。

☆叡智の杜プロジェクト クラウドファンディング専用サイト

☆叡智の杜の活動が逐一わかるFacebookページ

先にズバリ言いますが、手続きは思った以上に簡単だったことをここにご報告しておきます!

【コケ情報】「叡智の杜プロジェクト」について〜初めてクラウドファンディングに参加してみた その2〜

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前回の記事のつづき。

(ここまでのお話)
叡智の杜プロジェクト」を応援するためにクラウドファンディングに初めて参加することにしたワタクシ、
しかし、クラウドファンディングがそもそも何モノなのか知らないネット弱者(アナログ派)であるゆえ、
インターネット上での手続きにへんな不安を感じてしまい、プロジェクト専用サイトを見てはまごつくこと数か月なのであった・・・。


さて今回の「叡智の杜プロジェクト」が応援者を募っている
インターネット上のプラットフォーム「Motion Gallery」の説明によると、

<クラウドファンディング(crowd funding)とは> ※以下ホームページから抜粋。

クリエイター・表現者が不特定多数の人からプロジェクト資金を募る事を指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、
プロジェクトを始める前の段階でアイデアを元に資金を募る、新しい資金調達の仕組み

なのだとか。

「クラウドファンディング」でインターネット検索してみると、
この「Motion Gallery」以外にも巷にはあまたのクラウドファンディングサイトが存在し、
インターネット上で幅広い層からプロジェクト資金を募るというのが
「クラウドファンディング」のひとつの決まったスタイルなのらしい。

アイデアやプロジェクトの企画者は「プレゼンター」と呼ばれ(今回の場合、プレゼンターは叡智の杜プロジェクト)、
プレゼンターはプロジェクト実現後に特典(金利や株式ではなく、モノ・サービス・体験等)を
プレゼントすることを誓約しプロジェクト資金を募る。

一方、掲載されているプロジェクトを応援する人は「コレクター」と呼ばれ、
設定された額面の中から選択して特典を購入し、
事前に資金提供することで、プロジェクトの実現をあと押しする。

なお、今回の叡智の杜プロジェクトが資金を募っている古民家修繕費用の目標金額は、なんと8,880,000円也。

は、はっぴゃくはちじゅうまん・・・・・・。
こ、これは高い・・・高いゾ!!

もちろん土木建築方面に疎い私にとっては高いわけで、
この金額が修繕費用として妥当なのかもしれないが、
いやはや、募集期間はもう1か月を切っているのになんとも心配ではないか。

サイトを見ると

「目標到達に関わらず、2014月10月14日23:59までに集まった金額がファンディングされます。」

とあるので、自分が提供した資金は無駄にはならないようなのだが、
「あんたはホンマに性格が欲どおしい(=「欲深い」の関西弁?)」と常々母から厳重注意を受けている私としては、
もう一つ心配なのが、目標到達しない場合、特典はこちらに届くのか否かということである。

そこで、今回の叡智の杜プロジェクトのクラウドファンディング担当者・小柴ミホさんにメールをしてみたところ、
「目標額に達成しない場合でも、コレクターに特典はお送りします」とのこと。

おぉ、ならよかった! ←(まさに欲どおしい!)


あともう一つ気になっていた、インターネット通販などにありがちな
クレジットカードでしか決済でしかできないのかということだが、
これについても銀行振り込みかクレジット決済にしたいか選択ができるという。
これまたネット弱者としては安心材料である。


さて、ではいよいよ具体的なネット上の手続きの仕方について。手順はわりと簡単だ。

1.専用サイトの右側(または最下面)にある「プロジェクトを応援する」のボタンをクリックする、
  もしくは3,000円〜の好きなチケット(これが嬉しいことに特典内容が盛りだくさんでなかなか悩む)を選択しクリックする。




2.クリックすると「Motion Gallery」への事前登録画面が現れる。
  パソコンのメールアドレスを使って登録することもできるし、
  フェイスブック利用者はそこからも登録できる(ちなみに私はメールアドレスで登録)。




3.必要事項に記入して「登録する」をクリックする。
  するとまもなく、自分のメールアドレスにMotionGalleryから「本登録」の手続きのメールが届くので、
  指定のリンク先にて本登録を済ませる。

4.本登録を済ませると、改めて3,000円〜の「応援チケット」の選択画面が現れる。
  特典内容をよく確認し自分のお財布と相談の上、チケットを選択する。

5.そのまま画面を下にスクロールしていくと「決済方法選択」の欄がある。
  「クレジットカード」か「銀行振り込み」、どちらの決済にするか選択する(ちなみに私は銀行振り込みを選択)。
  さらに画面の最下面にある「次へ」をクリックして、次のページへ。

6.「決済情報の入力」の画面が現れるので、名前・住所など必要事項を記入(これがないと特典が送られてこない!)。

7.最後に「内容の確認」の画面が現れる。応援額・チケット内容・名前・住所などが記入事項を最終確認し「予約する」をクリック。

8.(私の場合、銀行振り込みなので)「銀行振込予約を受け付けました」の画面が現れる。終了。

このあと、まもなくして登録メールアドレスに銀行の振込先口座などの詳細情報が送られてくるので、1週間以内に入金する。
入金すると、きちんと「入金確認しました」のメールも届きます。


▲入金確認しましたのメール(画像が粗くてすみません)


いやはや、まごついていた自分が恥ずかしくなるほど、手続きは思った以上に簡潔・丁寧であった。
アマゾンでお買いものするのとさして手間は変わりない。
「応援チケット」の選択さえ迷わなければ、ものの5〜10分ほどですべては完了する。

しいて言えば「Motion Gallery」そのものに一度登録せねばならないのが面倒くさいが、
かといってこの手続きに必要なメール以外に「Motion Gallery」から
ダイレクトメールが届くとかいうことも今のところないので、その点もよい。

この数か月、なにを迷っていたのか。
杞憂とはまさにこのことである。

ちなみに「Motion Gallery」に未登録であってもプロジェクト専用サイトのホーム画面の横にある
「アップデート」や「コレクター」のページは見れるので、そこもぜひ見てみてほしい。
とくに「アップデート」では叡智の杜プロジェクトの過去の活動記録やアイデアリレーインタビューが掲載されており、
様々な職種の人のこのプロジェクトへの期待や夢などが知れて、なんだかわくわくする。

 
 
 ▲アップデート内のページ。


そんなわけで募集締切は10月14日なので、応募できるのは今日含めあと23日間だけ。
どのチケットにするか迷っているうちに締切が過ぎていたなんてことのないように、
ご興味のある方、申し込みはお早めにどうぞ!


●おまけ
苔庭「苔の里」の前身である「苔の園」を築き上げられた故・大石鉄郎さんのご著書があると、
コケ友Mさんから聞いて、さっそく探して読んでみた。

苔盆景と苔庭のつくり方、増やし方、病害対策など大石さんの長年のご経験に基づいたノウハウが書かれており、
さらに苔盆景・苔庭の歴史や、園芸素材として向き不向きのコケなどについても触れられている。

コケは野生。どこで育ててもそれなりにけなげに成長してくれる観葉植物とは違い、
場所を移されたり群落を乱されたりと環境を変えられると、それでもそこで妥協して生きようという道は選択しない。
だからこそ、どれだけそのコケが好む環境を人間側が推し量り、整えてあげることができるか。
そこがコケ園芸の肝。それができないと両者にとって結局、不幸な末路をたどることになってしまう。

コンパクトなサイズの本ながら、できる限り具体的なノウハウを説き、
随所に大石さんのコケとコケ園芸を楽しみたい人への思いやりが感じられる文面から、改めてそんなことを考えてしまった。
いまだベランダでうまくコケを育てられない自分は、まだまだコケと親しむ道のりは長いなぁと痛感。



 

【コケ情報】10/18(土)東京理科大野田キャンパス 第8回コケ観察会

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コケ友・中島啓光さんが毎年春と秋に開催しているコケ観察会がこの秋も開催されます。
リピーターも初めての方も歓迎です。定員はきっかり10名までなので、参加希望の方は早めにお申し込みをどうぞ!

講師  : 横浜国立大学大学院 研究教員 中島啓光さん
定員  : 10名
場所  : 東京理科大学野田キャンパス・自然公園
集合  : 10月18日(土)午前11時 東武野田線運河駅改札前
内容  : プロジェクターを使ったコケ説明の後、昼食(各自持参)を挟んで、
      午後からキャンパスと自然公園に生育するコケと地衣類を観察します。午後4時頃終了予定。
参加費 : 無料
申込  : 件名を「第8回コケ観察会申込」とし、氏名、当日の連絡先を明記したEメールを
      中島さん宛て h-nakaji◆ynu.ac.jp 宛(◆を@に)にお送りください。


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そして、前回・前々回と連続投稿している叡智の杜プロジェクトも、
参加締切までいよいよあと15日となりました。なんだか本当にあっというま!



僭越ながら先日、クラウドファンディングのサイト内「アップデート」のコーナーにて、
苔の里についての小さなコラムを寄稿させていただきました。
あの静謐ながら生命力に満ちた苔庭を創りあげているコケたちのパワーを肌で感じたときの感動を綴っています。
よろしければお時間のある時にでも読んでいただければ幸いです。
  ※ちなみに現時点で、文末にある私の似顔絵イラストがなぜか苔庭の写真よりでかいというムードぶち壊しなことになっており・・・。
   恥ずかしいを通り越してもはや申し訳ない気持ちでイッパイ・・・いま画像サイズの修正を依頼中です。

また進捗状況としましては、先週からぐんと参加人数が増えている模様。
しかしやはりまだ「興味はあるけどどのチケットにするか悩んでいる」という方が、私の周りにはけっこうおられまして。
特典豊富でたしかに迷うかとは思うのですが、とはいえ締め切っちゃってからではもともこもないので、どうぞお申し込みはお早めに。
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