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【お知らせ】コケ好きによるコケ好きのためのコケTシャツ 〜新色:2014Autumn version期間限定販売します〜

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2012年、九州のコケ友・Mさんと私で「MOSS-T PROJECT」と称して作った、
コケ好きによるコケ好きのための「コケTシャツ」。

完全にコケ好き2人の趣味企画だったにもかかわらず、期間限定で購入希望者を募ったところ、
2012年バージョン、2013年バージョンともに、予想以上のご注文をいただいた。

また2013年バージョン(ヘザーグレー、ホワイト)については、
少し前から「服部植物研究所」(宮崎県日南市)でも取り扱っていただけるようになった。
ありがたいことにじわじわと人気らしく、先日、在庫が売り切れてしまったとのこと。

また、「あのTシャツってまだ買えませんか?」という質問を
いまだに個人的にいただくこともしばしば・・・。


そこで!

2013年バージョンを再印刷することにし、
このたびもご購入希望者を広く募集することにしました。

さらに!

「2014Autumn version」として、新色も1色追加いたします!


このブログを読んでくださっている方で、
ご興味のある方がいらっしゃればと思いお知らせします。

  ※なお、2013年のコケTシャツの詳細はこちら→ 


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今年の新色は「ライムグリーン」。

そしてパリコレよろしくテーマは、
「京都コケ展限定色:2014Autumn version」。

というのも11月21(金)〜23日(日)に京都府立植物園で「苔・こけ・コケ展2014」が開催されるに際し、
そこの物販ブースでも、このコケTシャツを取り扱っていただけることになったのです。
「それならば、このイベント限定の新色を作って、京都コケ展を盛り上げよう!」ということになった次第。


なので、今回のライムグリーン色はいさぎよく、
京都コケ展と共に始まり共に終わる。
完全に2014年秋の期間限定販売なのであります。

ブログからのお申し込み期間は、本日10/7(火)〜10/20(月)23:59まで。
京都コケ展開催前後の11月下旬にはお手元に届くように発送したいと考えています。


ちなみに、なぜライムグリーンなのか。
これについては、二人でかなり熟考いたしました(^^;)

秋といえば春と並んでコケのハイシーズン。

夏の暑さから解放されてか、たとえばこんなコケたちが
とりわけ鮮やかな姿で目を楽しませてくれるわけで。


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▲トヤマシノブゴケ


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▲エゾスナゴケ


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▲ハイゴケ


色の美しさもさることながら、
いずれも晩秋に向けて胞子体を伸ばすという点でも
まさに秋が旬のコケかなーと。

そんなコケたちからインスピレーションを得て、
今回は彼らの色にわりと近い「ライムグリーン」をチョイス。

今までのグレーやホワイトに比べれば、
鮮やかな色なので着こなすのが難しいかとも思いましたが、
実際に着てみるとまったくそんなことはありませんでしたっ(30代・40代女性の弁)。

むしろ秋冬はダークな色やモノトーンの服が多くなりがちなので、
これくらいの明るい色がコーディネートのサシ色としてちょうどよいねと。

コケさんぽや山歩きなどのシーンでも気分を明るくしてくれる
オシャレな「秋の苔色」と自画自賛のMOSS-T PROJECTなのであります。


もちろん、今回の新色と併せて従来の「コケ画‐T」ヘザーグレー、ホワイト、
そして初期からの定番Tシャツ「MOSS-T」(ホワイトのみ)も同時にご注文可能です。
なお「コケ画−T」については、3色とも京都コケ展でも購入できます。


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▲version2013。服部植物研究所でも取り扱っていただけるようになった2色です!(えっへん)


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▲バックプリントに「Just Looking For the MOSSES!」。2014Autumn version(ライムグリーン)もこのバックプリントはあります。


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▲こちらが「MOSS-T」。20種類のコケが協力して「MOSS」の文字を作り上げています(何ゴケかわかるかな?!)。



さてさて、というわけですっかり長文になってしまいましたが、
最後に前年との変更点・留意点をご確認ください。

1.規格について
生地色は、ヘザーグレー、ホワイトに加え、ライムグリーンの3色。
生地厚さは前年と同じく0.5オンスと薄手で柔らかい生地を使用。半袖のみ。
 ※MOSS−Tは初年度から規格はいっさい変わっておりません。

 
2.価格について
今春からの消費税値上げ等に伴い、Tシャツ制作のコスト、物流のコストも上がっているのが現状です。
今回はTシャツの価格は据え置き(2,800円)ですが「発送手数料」としてTシャツ代に別途300円がかかることをご承知おきください。
 ※ただし、ご注文の枚数にかかわらず発送手数料は「300円」の一律です。


3.京都コケ展での販売について
コケ画−Tは3色とも京都コケ展でご購入できます。

ただし「MOSS-T PROJECT」はプロのTシャツ屋ではなく、
あくまで素人のコケ好きユニットです。
自宅で大量の在庫を抱えるわけにはいかないので、
京都コケ展での売り切りを目指しております。

すでに京都コケ展に行かれることをご予定されている方は、
現地で発送手数料なしのTシャツ代のみ(2,800円)の価格でご購入できます。
とはいえ、行かれた時にはすでにご希望の色・サイズが売り切れという可能性も…。
物販ブースでは、私たちではなく、専門の販売員さんが立たれるため、個人向けに取り置きもできません。

確実にTシャツを購入したいという方は、
発送手数料はかかってしまいますが、
このブログからのご注文をおすすめいたします。


サイズなどの詳細は、下記のフライヤーをご参照ください。
ご注文は1〜4を入力の上、タイトルを 「コケTシャツ注文:( お名前 )」 として、
mosstproject◇yahoo.co.jp  (メール時に「◇」を「@」に変えてください)
までメールをお願いします。
   
※当ブログ左欄にある「メッセージを送る」とはアドレスが異なるので、ご注意ください。
  
------------------------------------------------------------------------------------

1.お客さま情報
  
お名前:
Tシャツの送付先:〒
電話番号:
メールアドレス:
  
2.注文内容(必要ない個所は削除して下さい)
  
Tシャツタイプ:コケ画−T(2,800円 )/MOSS−T(2,800円)
色:コケ画−T(ホワイト or ヘザーグレー or ライムグリーン)/MOSS−T(ホワイトのみ)
サイズ:コケ画−T(G−M・G−L・S・M・L)/MOSS−T(G−M・G−L・S・M・L)
枚数:コケ画−T( 枚)/MOSS−T( 枚)

3.合計枚数  枚、Tシャツ合計金額   円 

4.最終合計金額  円(※Tシャツ代合計に発送手数料300円を足した金額を明記して下さい)

------------------------------------------------------------------------------------


☆「G-◇」はガールズサイズで襟ぐりが広く、袖、身丈、幅が短めのスマートな形。
S・M・Lは男女兼用サイズで袖もガールズサイズより長め。
ガールズサイズは普段のサイズよりワンサイズ上をお勧めします。

☆フライヤーに記載されていない指定外のサイズがご希望の場合は、お問い合わせください。


※複数のタイプを注文される場合には、以下のように別々で記載をお願いします。

<例>
Tシャツタイプ:コケ画−T(2,800円)
色:コケ画−T(ホワイト、ライムグリーン)
サイズ:コケ画−T(いずれもS)
枚数:コケ画−T(2枚)

Tシャツタイプ:MOSS−T(2,800円)
色:MOSS−T(ホワイトのみ)
サイズ:MOSS−T(G−M)
枚数:MOSS−T(1枚)

合計枚数 3枚、合計金額 8,400円

最終合計金額 8,700円


↓↓↓フライヤーです↓↓↓
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※ご注文メールを頂いてから、基本3日以内にはこちらから確認メールを差し上げます。
 3日以上たっても確認メールが届かない場合には、お手数ですがご一報ください。


●代金について 
 ご注文メールをいただいた方各々に振込先をお知らせします。
 振込手数料はお客様の御負担でお願いします。
 (入金確認後の発送となります。)

●ご注文期間と納品時期について
 10月20日(月)までにご注文いただき、 11月下旬発送。
  ※Tシャツ工場の都合により大幅に納期が遅れる場合はお知らせします。

●発送方法について
 1枚の場合、基本的にヤマト運輸の「メール便」を使用。
 2枚以上ご注文の方は、こちらで選択した方法にて発送させていただきます

 ※ご注文枚数に関係なく、発送手数料は一律300円です。
 ※他の発送方法を御希望の方は別途送料をいただきます。どうしてもという方はその旨お知らせ下さい。


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▲着用例(Model:Tシャツ屋アートクルースタッフさん):男性でも細身な方なのでSサイズを着用。
 ちなみに私の場合(女性・身長164センチ・中肉)、ガールズサイズならG-L、普通サイズならSがちょうどいいです。





【コケ情報】10/25(土)18:30~テレビ東京「土曜スペシャル 極旅7」で苔を極める旅!


今週の土曜日、テレビ東京で放送される「土曜スペシャル 極旅7」(18:30~)に、コケ仲間の吉澤かおりさんがご出演されます。
何でもこの番組、「その道を極めた達人が案内する、普通ではなかなか味わえないディープな旅を楽しむ」というのが趣旨らしく、
今回のスペシャルでは、「秘境駅」「秘湯」「滝」、そして「苔」がテーマなのだとか。

 ※番組ホームページの予告版動画を見ると、00:25秒あたりのところで吉澤さんが登場。→ 

普段からコケが好きで日本各地(とくに北八ヶ岳ラブ!)に行かれている吉澤さんのナビゲートで、
コケ好きさん達の中ではおなじみの〝コケが好きなアンガールズ田中さん〟、
そして井森美幸さんの二人がコケを見に鎌倉を歩かれているとのこと。

なお、苔の旅が放送されるのは番組後半とのことなので、
18:30に間に合わずとも焦ることはないかもしれません。
↑※訂正:番組構成が急きょ変更、順番が前半になりました。番組冒頭18:30~から苔の旅が放送されるそうです!(2014.10.25 9:30追記)

どんな内容なのか今から楽しみです。
ご興味がある方、ぜひごらんください!

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▲番組ホームページより画像を拝借。左から吉澤さん、井森さん、田中さん


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ご報告が遅くなりましたが、このブログで少し前からしつこいくらいに案内していた
「叡智の杜プロジェクト」のクラウドファンディング、おかげさまで61の人・団体の参加があり、合計154万1,276円が集まったとのこと。
たくさんのご協力・ご賛同、本当にありがとうございました。→ ★★


あと、先日締め切りましたコケTシャツ、こちらも多くのお申し込みをありがとうございました。
ブログだけでなく、今回ツイッター経由でこのTシャツのことを知ってくださった方が大変多かったようです。
情報を伝えてくださった皆様に感謝いたします。ありがとうございます。

【コケ情報】11/21(金)~23(日)「苔・こけ・コケ・展 2014」開催 in 京都府立植物園


今年も京都府立植物園にて「苔・こけ・コケ・展 2014」(通称:京都コケ展)が開催されます!

京都コケ展とは、昨年に引き続き今年で第2回を迎える
コケ好きたちによるコケ好きたちのためのコケのビッグイベント。

コケのプロ・アマ問わず、園芸好き・フィールド好きの垣根も越えて、
学術的にコケへの理解を深められる講演会・講習会から、
見て触って楽しい展示物や趣味のコケグッズまで網羅した、
いわゆる京都のコケ祭りなのです。

先日参加した岡山コケの会関西支部のコケサロンでは告知用ポスターもいただいたので、このブログでもさっそく宣伝いたします!
   ※コケサロン:岡山コケの会関西支部の会員が定期的に開いている情報交換会。平たく言えば関西のコケ好きたちの寄合です。

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【苔・こけ・コケ・展 2014】
●日程:11月21(金)~23日(日・祝日)9:00~17:00(23日は16:00まで)
●会場:植物園会館1階展示室

◇イベント 
・11/21(金)~23(日) 野点席~苔庭ではんなり お点前を~ 裏千家教授 関西宗志氏(500円)

 
◇植物園教室(コケ展関連講習・講演会)   ※☆:講習会・観察会、★:講演会

  ☆講習会「コケをあしらう魔法の鉢づくり」
   ・11/21(金)受付:10時から 開始:10時30分から12時
   ・11/22(土)受付:13時から 開始:13時30分から15時
   持ち物:作業用の前掛け、作品持ち帰り用の風呂敷などを準備ください。
   講師:大野月子氏(園芸家)
   定員:先着20名、当日受付
   参加費:500円(材料費) 
   会場:植物園会館2階 研修室

  ★講演会「茶道に寄り添うコケ」
   ・11/21(金)受付:13時から 開始:13時30分から14時30分
    講師:関西宗志氏(裏千家教授)
   定員:先着60名、当日受付
   会場:植物園会館2階 研修室

  ★講演会「コケを愛でる 文学に現れる苔」
   ・11/23(日・祝)受付:10時から 開始:10時30分から12時
   講師:青野美幸氏(佛教大学非常勤講師)
   定員:先着60名、当日受付
   会場:植物園会館2階 研修室

  ★ 講演会「コケはじめ」
  ・11/23(日・祝)受付:13時から 開始:13時30分から15時
  講師:大石善隆氏(信州大学農学部 森林科学科・岡山コケの会)
  定員:先着60名、当日受付、参加費無料
  会場:植物園会館2階 研修室

  ☆観察会「植物園内でコケ観察 ここかしこにコケが」
  ・11/21(金)~23(日・祝)受付:15時 開始:15時から16時  
   講師:大崩貴之氏(京都大学理学研究科)岡山コケの会関西支部
  定員:先着20名、当日受付、参加費無料
  集合:植物園会館前

◇展示
・コケ栽培品
・コケ植物解説パネル展示
・コケ生態写真パネル展示
・苔庭ジオラマ
・コケの顕微鏡観察ワークショップ(随時)
・コケアート・コケ工芸品展示・一部即売
・コケ本グッズなど自然観察品即売コーナー
・全国のコケ活動団体紹介(奥入瀬自然観光資源研究会、北八ヶ岳苔の会、屋久島自然史研究会、岡山コケの会、オカモス関西)

・・・てなことで、今年も連日にわたりイベントが盛りだくさん!

昨年同様、展示室内にはミニ苔庭&お茶席が出現し、
裏千家の教授が野点席でお茶を立ててくださるほか、
コケ園芸のプロやアマチュアによる作品が一堂に集められるとのこと。
展示室一面がこれでもか!のコケコケした空間になること間違いなしです。

また、コケグッズコーナーにはMOSS-T PROJECTのコケTシャツ(数はあまりないので早い者勝ちです!)を、
コケ本コーナーでは拙著「コケはともだち」を置いていただく予定です。

関西方面の方はもちろんのこと、植物園内の紅葉も見ごろの時季ですので、
ぜひ全国のコケに興味のある方、このイベントを目指して京都にお越しくださいマセ。
ちなみに私は今のところ22(土)に会場をのぞきに行こうかなと思っています。

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●コケTシャツ進捗状況
 おかげさまでたくさんの方にご注文いただいたコケTシャツ、順調に刷り上がっております。
 このままいけば京都コケ展前には発送作業に入れそうです。ご注文いただいた方、楽しみにお待ちください!
  
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   ※なお、お代金が未納のままだと発送できません。
   まだご入金いただいていない方、ちょっと急ぎ足でお振込いただけると
   発送作業もスムーズに進むので助かります。なにとぞよろしくお願いします。


●関東のコケ好きの皆様
 11/30(日)に岡山コケの会関東支部主催で、顕微鏡を使ったコケ観察のイベントが開催されます(in 埼玉)。
 ルーペで見るよりさらにディープなコケの世界を覗いてみませんか(その美しさに驚きますよ!)。
 岡山コケの会の非会員の方でもお試し参加可能です。「コケに興味はあるけどまったくの初心者…」という方でもだいじょうぶ!
 詳しくは関東支部事務局のムクムクゴケ日記さんのブログをご覧ください。→


苔こけコケ展2014、盛況にて無事終了!

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▲「苔こけコケ展2014」会場入り口。

前回の記事で案内した「苔こけコケ展2014」が11/21~23に京都府立植物園で開催された。
 ※主催:京都府立植物園、岡山コケの会関西支部(通称:オカモス関西)。

3日間すべて好天に恵まれたこともあり、今年も去年に続き盛会で、3日間の延べ入場者数はなんと3,795人!

今回、自分はほとんど事前準備をお手伝いできず、2日目にほぼお客さん状態で来場したのだが、
久々にお会いした方や、初めてお会いするコケに興味がある方とついつい話が盛り上がるうちに閉館時間が間近となり、
やや駆け足で展示を見学。それでも時間が許す限り会場の様子を撮影したので、ここでご紹介したい。


まず、うなぎの寝床のような細長い会場を入ってすぐ、出迎えてくれるのは多種多様なコケたち。もちろんすべて本物のコケ!
ここまで一堂に集められると、まるでナマのコケ図鑑を見せてもらっているよう。おもわず手持ちのルーペでじっくりと観察してしまう。

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▲一面のコケに圧巻!しかもひとつひとつ種類がちがう。

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▲これら数十種類のコケの持ち主はオカモス会員で関西在住のTさん。野外のコケを少しずつ採取し、なんとご自宅のベランダで育て増やしているのだとか。
 コケの種類がある程度わかる人なら、これらのコケが人の手で育てられたなんて驚きの事実でしょう。


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▲中心にあるツバキの葉にご注目。ツバキを飾っているのではない、ツバキの葉に付いた葉上性の苔類を展示しているのだ!


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▲そしてTさんのコケ一群の隣には、これまたボリューミーなコケたちが。コウヤノマンネングサ、オオカサゴケ、シッポゴケ、オオシッポゴケ、フロウソウなど。

これら大型種のコケを栽培をされているのは岡山在住のオカモス会員Kさん(期間限定で宍戸錠似)。
「お触りOK」ということで、得も言われぬコケのやわらかな手触りを満喫させていただいた。


「コケ展」と銘打っていても京都府立植物園という場所柄、植物に興味はあってもコケは初めてという人も案外たくさん来られる。
そこで会場入口ではコケ初心者の来場者にもミクロの世界にじっくり浸っていただくべく、虫眼鏡やルーペを配布する工夫も。

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▲虫眼鏡やルーペだと拡大率・数倍~数十倍の世界。さらに拡大率・数百倍の世界にも浸れる顕微鏡ブースも設置(右下)


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▲そして会場にはコケに詳しいベテランのオカモススタッフが常に複数控え、お出迎え。来場者の質問にも懇切丁寧に対応。
 コケに興味を持ってくれてるというだけでオカモス会員は嬉しいのだ!


また、学術的にコケのことがわかるだけでなく、コケ好きたちによる独自のコケカルチャーにも触れられるのがこのコケ展のよいところ。
素人・玄人関係なく、バリエーション豊かなコケ作品が多数持ち寄られた。

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▲京都でコケといえば欠かせないのが苔庭。見事な苔庭を有し、紅葉の時季にはテレビでもよく紹介される祇王寺さんは京都五山を模したコケオブジェを出展。

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▲オブジェといってもすべてコケは本物。しかも文字の部分もジャゴケで描くというコケづくし!(ピンボケですみません)


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▲さらに傍らには裏千家のお茶がいただける野点コーナーが。コケの京都五山を眺めながらの一服は癒しのひと時。


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▲オリジナルで作られたLED照明器具でコケを魅せるMoss Light-LEDさんの作品。


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▲いろんな形をした石版にコケを埋め込んだアトリエMOSSさんの作品。

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▲なんと私が最近興味を持っている古墳までコケづくし!?(もっとじっくり見ればよかった・・・)


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▲園芸界からはおなじみのミニ盆栽。非常にお手頃価格で販売されていた。


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▲こちらは大阪のど真ん中、心斎橋にあるコケの店・苔なっこさんの作品群。コケはすべて水辺や水中を好むウィローモス。

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▲こちらも苔なっこさんより。流木、石、黒炭、それらすべてに付いているコケは貼ったのではなく、時間をかけて育て生やしたものというから驚く。
 信楽焼のミニ狸がまたかわいいこと。私もこの狸になってコケ岩を眺めたい!


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▲一見地味なようですが・・・こちらは去年のコケ展にも出展されたベテラン選手。去年よりも群落が広がっているのがわかる人にはわかるという通好みの作品だ。


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▲岡山在住の彫刻家Nさんの作品「虫の目でコケを見る」。おなじみゼニゴケがモチーフで左は雌株、右は雄株。


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▲こちらは大阪在住のTさんの作品。

Tさんの作品は、以前にもこのブログで紹介したものと同じシリーズで今回はさらに新作が出展されていた。
コケモチーフの焼物という斬新なアイデアにすでに脱帽なのだが、その愛らしいフォルムと見れば見るほど精巧なつくりには毎回驚かされる。

しかも今回はなんとコケ好きの間では不動の人気がある「タマゴケ」がモチーフ。
左の作品は(サク)そのもので、俯瞰で見るとまた迫力があって面白い。蓋と歯(サクシ)の部分が二重蓋になっている。
ちなみに左奥の作品はジンガサゴケの蓋物。こちらもかわいかった。


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▲東京在住のコケイロさんの作品。コケアクセサリーの数々はほとんどが手芸作品。

コケイロさんの作品は単に「コケ」なのではなく「○○ゴケ」とその種類にまでこだわり、
葉の形や色などその種類がもつ固有の特徴をしっかりつかんで表現しているのがすごいところ。
コケが好きであり、さらに普段からいろんな種類のコケをじっくり観察し、違いを理解していないとこのような作品は作れない。

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▲ハタケゴケのブローチ。遠目に見ると本物かもと見まがうほど。ほぼ実寸大じゃないかしら。

最近、種子植物の花びらや葉っぱなどをそのまま樹脂に埋め込んだアクセサリーをよく見るけれど、
コケの場合、葉っぱの一部からでもそこから再生し新たな個体が生まれる可能性がある(いわゆる無性生殖)。
つまりたとえ植物体の一部分であってもそれはまだ生きている「命あるコケ」。
いつからか、そう思うようになってから樹脂に埋め込むコケ作品を見るとなんとなく心が落ち着かず・・・。

「コケに肩入れし過ぎ!」と言われたらそれまでなのだけど(そして確かにそうなのだけど。笑)、
できればコケの「生(せい)」が封じられてしまうようなものではなく、
創意工夫を凝らしてその人らしくコケを「再現」しているようなものに最近はホッとする。

あくまで私個人の感覚的なものなのだけど、そんなわけでTさんの焼物やコケイロさんのアクセサリーなど
今回展示されたコケアート作品はとかく私の心に優しく響いてくるものが多かった。


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▲そして僭越ながら、こちらはわれらMOSS-T PROJECTのブース。Tシャツやオリジナルポストカードを置かせていただきました!(撮影:M.Mさん)


そして最後に。今、日本各地で観察会や地域観光の視点でコケ活動をしている団体のポスターやパンフレットの出展も。

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▲今年9月に発足したばかりの「北海道コケと地衣類の会」のポスター。今後、道内で年1回は観察会、会報誌発行を予定しているとのこと。

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▲地衣類とコケのキャラクター(ゆるキャラ?!)までいる!


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▲こちらは、このブログでもたびたび紹介している青森県の奥入瀬自然観光資源研究会(通称:おいけん)のパンフレット。

おいけんは今年、奥入瀬渓流で出会えるコケたちを集めた図鑑も刊行するなど、いまコケの活動が目覚ましい団体の一つ。
自分の手元にもその図鑑「奥入瀬渓流コケハンドブック」があるのだが、それについての詳しいお話はまた次回にでも。

また、私は参加できなかったのだが、こういった展示のほかにも専門家を招いての講演会や、
屋外に出てのコケ観察会などが3日間通して行われ、いずれも盛況だった模様。


ちなみにこのコケ展のちょうど2日後、オカモス関西のコケサロン(定例会)があり、
改めて今回のコケ展について会員たちで振り返る時間があった。

そこで昨年に引き続き企画段階からコケ展全体を取り仕切ってこられたオカモス関西代表のMさんは、
「訪れた方が皆、最後は穏やかな表情になって会場を跡にされていた。コケの持つ力を改めて見直した」
とおっしゃっていた。

たしかに、会場の様子は皆でわいわい賑わうというよりも、
ひとりでじっくりと静かにコケを見ている人が多く、
その姿はコケならではの色彩、不思議な色形、生態に触れながら、
思い思いにコケと対話しているようにも思えた。

来場者にとっても主催者側にとっても、
コケへの興味、ひいては小さな自然への好奇心が高められた
有意義なイベントになったのではないかと思う。

【サイズ限定再販】コケTシャツ2014 Autumn version&【NEW】コケポストカード2014

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▲コケ画-Tシャツ(ライムグリーン)とコケポストカード3種。


11月下旬に京都府立植物園で開催された「苔こけコケ展2014」。

このイベントの物販コーナーに私たちMOSS-T PROJECTも出展させていただき、
おかげさまでこのイベントに合わせて作ったライムグリーン色のコケTシャツも
たくさんの方に手に取っていただくことができました。

しかしながら女性二人のMOSS-T PROJECT、ついつい女性目線でレディースサイズを多めに並べたところ、
予想外にも会場では男性向けサイズをお買い求めくださる方のほうが多かったようで、
現在、以下のサイズがまだ新品の状態で手元にあります。

☆コケ画-Tシャツ 【ライムグリーンのみ/1枚/3100円(Tシャツ2800円+送料手数料300円)】
 ★現在在庫があるもの★
 ・G-Mサイズ:2枚
 ・G-Lサイズ:1枚  ←おかげさまでご注文いただきました(2014.12.6 9:20)
 ・Sサイズ:2枚

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  ☆「G-◇」はガールズサイズで襟ぐりが広く、袖、身丈、幅が短めのスマートな形。
   S・M・Lは男女兼用サイズで袖もガールズサイズより長め。
   ガールズサイズは普段のサイズよりワンサイズ上をお勧めします。

  ☆ちなみに身長164センチ、中肉中背の私は「G-L」もしくは「S」サイズがちょうどいいです。

  ☆コケ画-Tシャツについて、および各サイズの詳細はこちらをご覧ください。→  
  

サイズも枚数もかな~り限定的で申し訳ないのですが「2014秋バージョン」の限定販売をうたった手前、
2014年中は在庫がある限り、欲しいと思われた方に届けたい!
そんなわけで、2014年いっぱい上記のサイズのご注文を受け付けたいと思います。

もし「買いそびれた」「今知ったけど欲しい」という方がいらっしゃいましたら、
  mosstproject◇yahoo.co.jp  (メール時に「◇」を「@」に変えてください)

まで気軽にお問合せください。

 ※ご注文は先着順、在庫がなくなり次第終了となることをあらかじめご了承ください。
 ※当ブログ左欄にある「メッセージを送る」とはアドレスが異なるので、ご注意ください。

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●申込みメール
 メールタイトルを「コケTシャツ注文:( お名前 )」 として、
 ①お名前
 ②送付先住所
 ③電話番号
 ④メールアドレス
 ⑤ご希望サイズ・枚数

●代金について 
 ご注文メールをいただいた方各々に振込先をお知らせします。
 振込手数料はお客様の御負担でお願いします。
 (入金確認後の発送となります。)

●ご注文期間と納品時期について
 2014年12月いっぱいまで。代金のお振込が確認でき次第の発送。

●発送方法について
 1枚の場合、基本的にヤマト運輸の「メール便」を使用。
 2枚以上ご注文の方は、こちらで選択した方法にて発送させていただきます

 ※ご注文枚数に関係なく、発送手数料は一律300円です。
 ※他の発送方法を御希望の方は別途送料をいただきます。どうしてもという方はその旨お知らせ下さい。
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さらにもう一つ、事前にブログで紹介できなかったのですが、
ひそかにこんなポストカードも京都コケ展に合わせて作っておりました。

☆コケポストカード 【3枚セットで400円(カード代300円+発送手数料100円)】 ※Tシャツと同時注文の場合はポスカの送料は無料。

ラインナップはこちら!

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▲今年の干支「午(うま)」にちなんでウマスギゴケ。コケが好きなあの人へのThank you cardにぴったり。
 イラストは、ウマ下手がごく一部業界の間でひそかな評判となっているF画伯の手描き。 

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▲そしてこちらは来年の干支「未(ひつじ)」にちなんでハネヒツジゴケ。コケが好きなあの人への年賀状に。

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▲一方こちらはコケ画-Tシャツでおなじみクラミサヨさんのコケ画3種。
 どうです、ステキでしょう?「こんなハガキ、ほしかった!」という声があちらこちらのコケ好きさんたちから聞こえてきそうです(笑)


フェイスブックやツイッターにアップしたところ意外にも反響が多かったので、
これら3種類もセットにして、Tシャツと同じく2014年内で在庫がある限りご希望の方にお分けいたします。

  mosstproject◇yahoo.co.jp (メール時に「◇」を「@」に変えてください)

までご連絡ください。

 ※同じく先着順、在庫がなくなり次第終了しますことをご了承ください。

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●申込みメール
メールタイトルを「コケポストカード注文:( お名前 )」 として、
①お名前
②送付先住所
③電話番号
④メールアドレス
⑤ご希望部数

●代金について 
 ご注文メールをいただいた方各々に振込先をお知らせします。
 振込手数料はお客様の御負担でお願いします。
 (入金確認後の発送となります。)

●ご注文期間と納品時期について
 2014年12月いっぱいまで。代金のお振込が確認でき次第の発送。

●発送方法について
 基本的にヤマト運輸の「メール便」を使用。
※ご注文セット数に関係なく、発送手数料は一律100円です(Tシャツと併せてご注文の場合はTシャツ発送手数料300円のみ)。

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長くなってしまいましたが、ライムグリーン色Tシャツもポストカードもお分けできるのは2014年内のみ。
勝手都合ながら、もともと京都コケ展に向けて期間限定と自分たちでうたった手前、ここはいさぎよくいきたいと。
そんなわけですのでご興味がある方、質問などありましたらお気軽に、そしてぜひお早めにご連絡いただければと思います。

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▲ウマスギゴケカードはこの時季なんでクリスマスカードにもおすすめですよ。

コケを植え替える

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今年も残すところあと1週間だ。
明日のクリスマスが過ぎてしまえば、
さらに加速度的に師走感が増してくるんだろうなぁ。

さて、そんな年末の最中、久々にコケの植え替えをやってみた。

きっかけは2週間ほど前に母がくれたカンハタケゴケ。
カルチャースクールのハイキングで植物に詳しい先生(とくにコケやキノコ、粘菌に造詣が深いそうだ)から
「娘さん、コケ好きなんでしょう」とハイキング先で見つけたのを持たせてくれたそうで、それが私の手に回ってきた。

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▲カンハタケゴケ。2週間前はもっとぷっくりとして元気そうだったのだが、なんだか最近痩せてきた模様。

たしかにコケは好きだけど、私はコケを育てるのが実は苦手だ。
正直、目をかけてあげたものほど、うまくいったためしがない。

だから普段から積極的に苔玉や苔鉢を買ったりしないし、
今わが家にあるのは、お付き合いやご厚意でいただいたものばかり。
そしてそれらの中でも結果的にわが家のベランダ環境を気に入ってくれたコケだけが残っている。

コケという生き物は見ているとなかなかの頑固者、堅物だ(と思う)。
他の植物(例えば世に広く出回っている観葉植物と言われている類)のように
与えられた環境が厳しくても妥協してなんとかそれなりにやっていこうという精神がない。
気に入った場所じゃないとすぐ逃げていく(イキイキしていたのが数日でダメになることがよくある)。

また私もそんな彼らのためにあれこれ努力するのは苦手。
もともとが「尽くすタイプ」じゃないからしかたがない。。。
だから来る者拒まず去る者追わずで、
少人数でも相性のいい子が残ってくれればそれでいいと思っている
(思い返せば人間関係もほぼこれと同じかも…)。

さて話がそれてしまったが、そんなわけなので、その名の通り畑や田んぼなど
湿った土上に常住するカンハタケゴケが、マンション3階のわが家のベランダで(しかも私のもとで)
うまく育つのは大変厳しいと思うのだが、湿らせたティッシュを入れたガラスケースに入れていたら、
なんだかカビてきたので(過保護にしていたらこの通りだ)、ここは心を鬼にして外に出してみることにする。

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▲湿ったティッシュを敷いたガラスケースの中にペットボトルの蓋を台座にし2週間ばかりをすごしてきたカンハタケゴケ。
 周りの小さな緑は極小化してしまったイチョウウキゴケだ(詳細は後述)。


そしてこの際だから、私のものぐさのせいで土植えの機会を逃していた
いくつかのコケたちも植え替えてみることに。

<イチョウウキゴケ>
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これのどこが!?と思われるでしょうが、以前は↓こんなに↓元気だった彼ら。

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水を入れた鉢に入れ、1年以上ベランダで元気でいてくれたのだが、
この夏にうっかり水を切らしてしまったところ途端に小型化。
水を足してやるも次第に消滅し数が激減・・・(なぜだか原因はわからない)。

あまりの小ささにこのまま水の中に漂わせていると見失いそうで、
ダメもとで残った子たちを湿ったティッシュを入れたガラスケースに入れて様子を見ること半年。
なんとか成長をやめることなく極小ながらも生きながらえているという現状。

イチョウウキゴケはもとは田んぼでよく見られるコケで、田んぼの水が抜かれても土の上で育つことができる。
同じくイチョウウキゴケを育てている東京に住むコケ友Aちゃんのアドバイスも受け、
ものは試しと土の上で育つかどうかチャレンジしてみることにする。

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▲わが家の中で一番小さな鉢(ルーペとほぼ同じサイズ)の上に載せてみる。でも、すでにどこにいるのやら…。
 ティッシュからどうしても離れないものはティッシュごと土に載せる。

なお、土は田んぼの土が用意できなかったので赤玉土。ますますうまく育ってくれる気がしない…。
心配なので植え替えは全体の半分。残り半分は引き続きガラスケースで様子を見ることにする。


<スナゴケ>
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これは静岡に住むコケ友Tさんが作ってくれたスナゴケ栽培キット。
2年ほど前にいただいたのだが、なかなか開封せずそのままにしていたもの。

鉢も数種類の用土もすべてセットにしてくれているので、説明書にのっとって順番に入れていくだけ。
鉢の底に敷く網まで用意されていて、ものぐさな私にはなんとも至れり尽くせりな便利キットである。

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▲(左)2年前にいただいたものなのでスナゴケがやや褐色化してしまっているのだが…用土の上にほぐして撒いてみる。
 (右)コケが飛ばないよう最後に砂をかぶせる。


<ギンゴケ>
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▲赤玉土をメインに鹿沼土を加えたものを鉢に入れ、細かくほぐしたギンゴケを撒く。
 風で飛ばないように上から粒の大きな鹿沼土と多肉植物用土をふりかける。

東京から関西に引っ越して新しいベランダになってからでも、
へそを曲げることなく生育しているギンゴケ。3~4年物。

静岡から持って帰ってきたただの溶岩石に水をかけ続けていたところ、
おそらくわが家の近所から飛んできたのであろうギンゴケの胞子が付着し、気づけば群落を築いていた。

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▲何もないただの石からコケが生えてきた!? まるで魔法のようで最初に見つけた時はかなり嬉しかった。

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▲石の凹み部分にたまったホコリや土を頼りに根付いたと推察。

実はもう一種、ハリガネゴケらしいコケも居ついたことがあったが、
ここ半年はギンゴケしか見当たらない(それこそ新しいベランダが気に入らなくなって逃げてしまったのかも)。

これも一部を今回土に植え替えて苔鉢になるかどうか試してみることにする
(蟲文庫・田中美穂さん著書の『苔と歩く』P90-91のように育ってくれるのが理想なのですが…)。


さてはて、これからどうなることやら・・・。
とりあえず風が直接当たらないように他の植物を植えている
大きな鉢でこれらの苔鉢を囲み、半日陰の場所に置く。
寒い時季の植え替えなのでただでさえ成長は遅いと思うのだが、
春にはまた成長経過を記したいと思う。


≪おまけ≫
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コケの植え替えをしていたらリトープスの鉢をうっかり倒してしまい、
ついでだからとこちらも土を新しくして植え替え。

プリプリと大きく元気のある子たち(○印)と、
あまり育たず皺がよりがちな子たち(△印)に分けて、
今後どうなっていくか様子を見ることにする。


あと、そうそう。おそらく今年のブログ更新はこれが最後になりそうだ。

このブログをいつも読んでくださっている方、
気まぐれ更新なこのブログにお付き合いいただきありがとうございました。
来年ももれなく気まぐれ更新になること間違いなしとは思いますが、
また気軽にのぞいてやってくださいませ。来年もどうぞ楽しいコケライフを☆


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▲最後に。MOSS-T PROJECTのコケTシャツをお求め下さったKさん。 

 実名は明かせませんが、なんとなんとKさんのKは「苔」、つまり名字に漢字の「苔」がつくお方なのです!!!
 Tシャツをお申込みいただいた時はそれはもう驚いたのなんの!(そしてもう一生途切れることはないであろう羨望の眼差し)
 
 Kさんはこのブログのプロバイダーでもあるgooのスタッフ様なのですが、
 苔な方がコケTシャツを着てくださっているという稀有な事実が嬉しくて
 ご本人から許可をいただき着ている姿を掲載させていただきました。→gooのツイッターでも公開中☆
 

未年のヒツジゴケ&【コケ情報】2月15日(日)石倉良信コケトークイベント「苔道入口 vol.2」開催

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すっかり遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
今年もマイペースですが、コケを楽しみ、気づいたこと、また気になるコケ情報などを
できるだけこのブログに記していきたいと思っています。
僭越ながらコケに興味のある方の一助となれば。どうぞよろしくお願いします。

さて、今年は未年ということでトップ画像は「ナガヒツジゴケ」にしてみた。

昨年末に希望者にお分けした絵葉書のヒツジゴケは「ハネヒツジゴケ」だったが、
ヒツジゴケと名のつく両者とも、植物体の様子がヒツジの毛のように柔らかそうなことが名前の由来、
そして、見た目だけでは同定するのがとっても難しいことでおなじみのアオギヌゴケ科の一種である。

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▲ナガヒツジゴケのアップ。

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▲こちらはウマヘタが一部で評判のF画伯作のハネヒツジゴケ。

数あるコケの中でもわりと色んな場所に(都市部でも普通)よく生えている彼らだが、
見ての通りの地味な見た目ゆえ、あまり注目されていないこと請け合い。

でも今年は未年なので、彼らをよくよく観察してみて、
ルーペでも同定できる「コケ目」になれたらステキかも…。
ひとつ今年の目標としてみよう。

ちなみに手持ちの複数冊の図鑑の情報をまとめると、

・ナガヒツジゴケ
葉が閉じ気味である(湿っても葉が開かない)。中肋(蘚類の葉の中心部分を貫く線「中央脈」のこと)は葉の途中まで。

・ハネヒツジゴケ
湿っていても乾いていても葉が開き気味。中肋は葉の途中まで。

・アオギヌゴケ
ハネヒツジゴケによく似ているが、中肋が長く、葉の先端まで達している。

なお、いずれも都市部でもよく見られるが、皆さん人に踏まれないような場所に生えているところがポイントである。

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さて、話は変わって。

外での観察がきびしい真冬はコケ好きにとってはオフシーズンなわけであるが、
そんな季節に嬉しいコケイベントが開催されるのでご紹介します。

観劇がお好きな方はご存じの方も多いでしょう、
コケが大好きな舞台俳優・石倉良信さんが、
代官山で2月15日(日)にコケイベントを開かれます。

石倉さんは都市部に生えているコケがとりわけお好きというシティ派ゴケフェチ(笑)で、
アスファルトの隅やマンホールの凸凹などにけなげに生えているコケのたたずまいに心惹かれ写真を撮ったり、
ご自宅のベランダにコケ専用棚を作ってコケを育てたりと、お忙しいお仕事の合間にコケに癒されながら
コケの魅力をブログやツイッターで日々発信しておられるコケ友さんです。

 ☆石倉良信公式ブログ: 「ほろ酔い日記」

そんな石倉さんがコケの魅力をさらに広く伝えるべく、
コケイベント「苔道入口」を開催されます。

以下、石倉さんからの案内を転載します。

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

Kindle版電子書籍『苔道』創刊記念イベント 「苔道入口」~下を見れば素敵な出逢い~ Vol.2

そうです!電子書籍で苔本を出してしまいます!今までにない苔本です(笑)
くだらないようで奥が深い本になりそうです!色んな苔企画を考えています。
そんな創刊記念イベント、是非遊びに来てください!

・日時:2015年 2月15日(日)12:00 open 12:30 start
・会場:代官山「山羊に、聞く?」 http://yagiii.com/wp/
・料金:2500円(自由席)(コケDELIランチプレート&ドリンク付)予約制 
  ※14時以降のドリンク代別途
・チケット発売:1月18日(日)10:00~
・チケット予約フォーム https://ssl.form-mailer.jp/fms/613666d0233020
    ※コチラからの予約受付のみ。スマホからのご予約の場合はkokedouiriguchiあっとgmail.com(あっとは@に変えてください)からの
      返信メールを受け取れるよう、予約前にブロックの解除の設定をお願い致します。

・内容:苔好き俳優、石倉良信が、自ら実践している独自の苔の楽しみ方と、苔世界の素晴らしさを伝える苔トークライブ。
    日曜のお昼、ちょっと遅めのランチが付いたお得なイベントです。
    苔好きの人はもちろん、苔に興味のない人も十分楽しめて、帰る頃には、ちょっと苔が気になる存在になると思う。
    そんな苔づくしイベント。。。皆さん!お待ちしておりモス!!
    尚、カフェでの開催の為、非常に人数が限られていますので定員になり次第締め切らせて頂きます。
    早めのご予約をオススメ致しまーす。

お問い合わせは、kokedouiriguchiあっとgmail.comまで(「あっと」は@に変えてください)


石倉良信

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

なお、今回のイベントは「vol.2」とあるように、実は3年前に「苔道入口 vol.1」が開催されています。
その時は私もゲストでちょこっと出させていただきました。その時の様子も当時のブログに書いていますのでご参考になさってみてください。

今日が予約開始日なので、興味のある方はお席がなくならないうちにお早めに予約をどうぞ!
出版される電子書籍『苔道』も気になる~!!

カレンダーをめくるとき

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▲今年はこのコケカレンダーを部屋に飾っています


------(最初にちょこっとコケ情報)------------------------------------------------------------------------------

明日2/15(日)昼 11:30~12:00にBSフジにてコケを特集した番組が放送されます。

『ガリレオX「苔ガール!コケ坊主? 苔に秘められた進化の謎」』

初放送は5日にすでに放送済みとのことで、うっかりそれを見逃してしまったワタクシ・・・。
明日の再放送は必ず見なくては!

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今年もあっというまに1か月が過ぎた(おぉ早い!)。

昨年はコケ以外のことでわりとバタバタした日々が続いていたため、
とうとう2年連続作ってきたコケカレンダー「苔暦」が
作れずじまいだったことが心残りのひとつ。

しかし年明け、そんな私に思いもよらないプレゼントが届いた。

封を開けてびっくり、なんと普段から親しくさせていただいている
“コケな皆さま”合作のコケカレンダーが入っていたのだ。

企画してくれたのはコケ友YさんとTさん。
「2015年版の苔暦がなかったから、今年は私たちで作ってみたよ」と。

ううぅ・・・感激のあまり涙が出ました。いや、おおげさではなく、ほんとうに。


カレンダーづくりにかかわられたのは14人。

12か月の一月ひと月に12人それぞれのお気に入りのコケの写真が載り、
さらにTさんとYさんの愛らしいコケ写真が表紙と裏表紙を飾る。
どれもこれも何とまぁ美しいこと!皆さんのコケへのあたたかい眼差しがひしひしと伝わってくる。

またカレンダーの数字部分には「NO MOSSES,NO LIFE」の文字と共に
かわいいコケのイラストが入っているのも見逃せない。

こんな唯一無二の贅沢コケカレンダー、世界中どこを探しても他にあるまい!
なんちゅうマニアックな、と呆れられるかもしれないが、
何と言われようとこれは私にとっては家宝級の宝物だ!


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▲2015コケカレンダーは2月~2016年1月まで。ちなみにカレンダー欄の8/10、12/2、1/22、1/29日には「今日の誕生花はコケ!」とあり、
12/25には「メリークリスモス」と書かれている!


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▲さらにカレンダー欄の下には「NO MOSSES,NO LIFE」のロゴと(おそらく)イチョウウキゴケコケと思われるかわいいイラスト入り♪


これから毎月、毎月、カレンダーをめくるとき、きっと私はお一人おひとりの顔を思い浮かべ、
その人と一緒に観察会で見たコケのことや、私に話してくれたコケの話、熱心にコケ観察されている姿などを思い出すことだろう。
そして今のこの気持ちを再び思い出してまた幸せな気分に浸れるはずだ。
こんなものを年明け早々いただいて、2015年はなんて幸先がよいのだろう!


最後に。制作にかかわられた14人の方から写真をブログに載せる了解を取ったので、
コケカレンダーの中身を一挙ご紹介させていただこう(制作者の名前はイニシャルのみ)。
個性的なコケの面々に負けず劣らずの十人十色のキャプションにもご注目!


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▲表紙。ムクムクゴケと落ち葉のコントラストが美しい!(撮影者:Tさん)


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▲2015年2月:「コケ植物の胞子体は子孫を残すための大事な部分。これが繊細な構造を有し、個性的で、美しいことには、
 意味があるに違いない。若い胞子体には、希望や生命の息吹が感じられる。」(東京理科大野田キャンパスにて/Nさん)


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▲3月:「2013年3月21日 Malaysia,Fraser's Hill,Bishop trailにて」(Schistochila aligera(Nees&Blume)J.B.Jack&Stephani(オヤコゴケ科)/Oさん)


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▲4月:「1.枝の基部では葉が三列螺旋状についているのがわかる。2.『枝はやや平らに葉をつけ、先が太くなって尾状に伸びる』という
 平凡社図鑑の記述がよくわかる。3.胞子体が初めて見つかった場所にて。4.立ち上がらない平坦な群落をつくることも。
 5.風の強い所では針状に尖った枝になる。」(コモチイトゴケ亜科の稀産種5種/Aさん)


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▲5月:「2011.May.18 京都高尾にて顕微鏡写真。春先からコケの緑はイキイキさを増してきます。
 そんな蘚類の隙間にこそっと居候を決め込んでいるヨウジョウゴケの仲間に出会うとよく冬を越してきたと感心します。」
 (シコクヒメクサリゴケ Coloejeunea shikokiana/Mさん)


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▲6月:「蘚類なのか苔類なのか、姿も名前も幻のコケ!こんなに美しいなんて、想像を超えた美しさにうっとり!惚れなおしたぜ!
 誰かに気が付いてほしかったのかな 耀きすぎでしょう!でも気がつくな!いつの日か 君にふさわしい魅力的な名前に変えたい!
 だから耀こう!今年もまた会いにいくから!」(ミズゴケモドキ 八ヶ岳にて/Fさん)


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▲7月:「2015年の八ヶ岳に思いを馳せながら、2005年の八ヶ岳で出会ったコケたちを選んでみました。
 (左から)マルダイゴケ、クマノチョウジゴケ、ウチワショウジゴケ、ヤリカツギ」(八ヶ岳のコケたち/Kさん)


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▲8月:「2014年8月27日 京都市西京区、西芳寺川上流で撮影。この場所は、西芳寺(苔寺)の奥になり、川沿いの谷筋は湿気が多く、
 四季を通して元気なコケを見ることが出来ます。」(トサノゼニゴケのコーラス/Tさん)


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▲9月:「TG-3深度合成モードで撮影。生息する森の様子が、ぼんやりと写り込んでいる所が気に入ってます。」
 (ヤクシマミズゴケモドキ Pleurozia subinflata(Austin)Austin/Hさん)


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▲10月:「奥入瀬渓流の中のコケを代表するひとつです。」(アオハイゴケ/Kさん)


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▲11月:「2009年11月30日 岡山県岡山市福浜町。岡山市中区の操山周辺には、『ダンゴゴケ天国!』が広がっています。
 ぜひ一度、見に来てください。(キビノダンゴゴケ(Sphaerocarpos donnellii)/Nさん)


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▲12月:「2013.3.13.屋久島 白谷雲水峡。このコケを見て、あの伊沢正名さんがコケ観を一変させ、屋久島にはまったという。
 アンチヤクスギ派を代表する美しい苔」(ウツクシハネゴケ/Oさん)


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▲2016年1月:胞子を抱きその成熟を待つjelly beansたち。耳をすませば彼女たちのひそひそ話が聞こえてきそうだ。」
 (オンセンゴケ(Bryum cellulare)/Mさん)


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▲裏表紙。(おそらく)ウマスギゴケ。(撮影者:Yさん)


みなさん、すてきなコケカレンダーを本当にありがとうございました!


冬ごもりの楽しみ

3月に入りしだいに暖かい日も増えてきて、
自分の住む関西の辺りでは梅の花が見頃を迎えている今日この頃。

とはいえ何日か暖かい日が続けばまだ寒の戻りで、
クローゼットの奥にしまいかけていたレッグウォーマーをまた引っ張り出してきたり、
寝る前に湯たんぽを布団にしのばせたりと冬のくらしに逆戻り。

寒くて家で過ごす時間が多い日は、コケの本をインターネットで探したり、
すでに買ってあった本を読んだりして過ごすのが楽しみの一つだ。

おこづかいがたまるたびにちょっとずつ海外のコケの本を買い足しているのだが、
先日買ったのは「Mosses and Liverworts of the Mediterranean(地中海のコケ)」(Jan Peter Frahm著)という一冊。

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Preface(まえがき)によると、
「60年前、地中海エリアの沿岸部は船でしか行くことができず、内陸も悪路であったため地中海のコケの分布はほとんど知られていなかった。
しかし観光旅行の爆発的増加とインフラ整備により遠い地方へ足を伸ばすことも可能になり、
さらに地中海エリアにはコケ学者の興味をひく面白い種類がたくさんあったため、
とくにイタリアとスペインにおいては(ここ60年で)コケ研究が活発に進み、新しい種もたくさん発見されている」
…云々というようなことが書かれてある。
  ※ちなみに当方、辞書を引いてどうにか読んでいるという英語レベル。アバウトな要約である旨、ご容赦を!


この本をアマゾンで見つけた時から、とりわけ読みたかったのは「ミカヅキゼニゴケ」のページだ。
コケの中でも珍しい帰化植物といわれるミカヅキゼニゴケの原産地は地中海沿岸部。
つまり「この本に載っていないわけがない!」と踏んだわけだ。
そして予想通り、ミカヅキゼニゴケはしっかり写真付きで掲載されていた。


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▲こちらがミカヅキゼニゴケ。つぶつぶの無性芽を入れるカップ(無性芽器)が三日月形であることからこの名がついた


多くの帰化植物がそうであるようにミカヅキゼニゴケも繁殖力が旺盛であるが、
そのほとんどが無性芽による無性生殖であるというのがこのコケを語る上で欠かせない大きな特徴の一つである。
胞子体をつけることは非常に稀で、日本でもいままで見つかったことが一例あったくらい・・・とか(すみません、うろ覚えです)。

それは世界レベルで見ても同じくで、ミカヅキゼニゴケは世界各地に広く分布しているコケにもかかわらず、
繁殖はほぼ無性芽まかせで、生殖器官をもった個体を見つけるのはなかなか難しいという。

しかし!やはりこの本、「地中海のコケ」とタイトルがついているだけあって、
地中海沿岸が原産のこのコケについてわりとしっかりした説明があり、超レアな胞子体の写真もしっかり載せているではないか。

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▲左ページがミカヅキゼニゴケ。ほほぅ、胞子体ってこんな形なんだ!柄は白くてやわらかそう(興奮!!)
  ※本の中身をそのままスキャンして載せるのは倫理的にちょっとアレなので、見づらいですがこのような画像でご勘弁を。

さらに胞子体写真の左には雄器托(ユウキタク/雄株の生殖器官)と思われる写真も!

じつは数年前、自分もミカヅキゼニゴケの雄器托をつけていると思われる群落に
出会ったことがあるのだが、本当にそうなのか確証がもてないままであった。

残念ながらこの本の写真にはキャプションによる詳しい説明がないのだが、
本文に「雄株は葉状体にいぼのような構造を持つ」とあり(推察:構造=造精器を指している?)、
本全体の写真の載せ方のパターンを見るにおそらくこれは雄器托であろうと思われる。


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▲こちらが以前出会った雄器托をつけていると思われる群落(東京都内、2012.4月撮影)。


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▲さらにアップ。コケのからだの先端部分に盤状の雄器托があるのがわかる。色が白いのは…若いからかな?!


ちなみにこの写真を撮ったのは、東京のとあるお寺のそばにある庭園の日かげがちな湿った土上で、季節は春であった。

あのミカヅキゼニゴケの群落、いまごろどうしているだろうか。この春もまた雄器托をつけるべく準備をしている頃かな。
稀とはいわれているものの、もしかしたら無事にお嫁さんも見つかって、子ども(胞子)もできてたりして。
空想にふけるのも楽しい冬の終わりである。

マイ タマゴケ クロニクル vol.1

顔に当たる風が気づけば驚くほど暖かくなっていて、
いよいよ春が来たと感じる今日この頃。

道端のちいさな草花や軒先の大きな木々もそれぞれに花を咲かせてにぎやかだが、
コケもご多分にもれず、ひそやかに(いやコケにとしては大々的に!だろう)春を迎えている。


登山や野山を歩くのが好きなコケ好きたちにとって、
この時季にもっとも気になるコケの一つが「タマゴケ」だろう。

「タマちゃん」の愛称がコケ好きの間ではもはや当たり前になっているほど
幅広い層から愛され続けているこのコケは、その名のとおり玉のような球形の群落を作る。
そしてこの時季になると、これまたまん丸な(サク)をつけ、
ひと目見たら忘れられないほどユニークで愛らしい表情を見せるのだ。

春になったらその姿を見ようと、タマゴケ愛好家の間では、
桜前線ならぬ「タマゴケ前線」の北上がこの時季の一大関心事。

かくいう私もタマちゃんファンの一人として桜の開花予報と一緒に
「タマゴケのが出ますよ予報」もニュースでやればいいのにとすら思っている。


欧米ではタマゴケのことを「Apple moss」という。
この時季の丸く膨らんだばかりの若いからその名がついたのだろう。

アメリカのコケ図鑑「Common Mosses of the Northeast and Appalachians」(Karl B. Mcknight,Joseph R. Rohrer,Kirsten Mcknight Ward, Warren J. Perdrizetら共著)
のタマゴケの頁では「若い時の明るい緑色の球形のは、小さなリンゴに似ている」と書かれている。


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▲たしかにこの時季の若いは青りんごのよう。の上にちょこんとかぶさる蓋はリンゴの葉っぱに見えなくもない!?(東京都、4月初旬)

リンゴといえば日本人は赤色をイメージする人が大半と思うのだが、
青リンゴを連想するのがいかにも欧米らしい。


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▲一方、日本のコケ好きは蓋が取れたあとのこちらのタマちゃんを「目玉おやじ」と呼ぶ。(三重県、4月中旬)


思い返せば、私のタマゴケとの初めての出会いは2008年、真夏の八ヶ岳であった。
コケは気になっていたものの「気になる」程度であったため、タマゴケの存在は知るはずもなく、
そのまん丸な姿をひと目見た時に「何これ!!!」と衝撃を受けたことを今も鮮明に覚えている。
そして下山後、すぐにコケ図鑑を買い求め、それ以来みるみるうちにコケにはまっていった。


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▲(ややピンボケで見づらくてすみません)胞子体が球体の群落からツンツンと四方八方から出て、まるで緑の針山だ。(長野県、8月末)


いま見れば、このタマちゃん、すっかりが茶色くなって見頃はとうにすぎているのだが、
コケのことをよく知らなかった当時の私にとって「もしかしたらもしかするとこれは森の精霊かも…」と本気で思わせるほど、
じつに美しく神秘的なオーラをこのコケは放っており、非常にインパクトがあった。


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▲若いが青リンゴなら、こちらの古いは焼きリンゴかも。


タマゴケは日本国内なら北海道から九州(ただし屋久島では見られないそうだ)の山地で見られるので、
いまもハイキングや登山でほうぼうの山を訪れるたびにタマちゃんチェックは欠かせない。

次回は、これまで出会ったタマちゃんたちについてさらに詳しく振り返ってみたい。

マイ タマゴケ クロニクル vol.2

2008年の夏にタマちゃん(タマゴケ)と初めて出会った私は、
その愛らしい姿にすっかり心をわしづかみにされ、
それからというもの山に入るたびに「タマちゃん、タマちゃん…」と
念仏のように唱えながら(はたから見るとかなり怪しい)再会を試みるのだった。

その後、何度か八ヶ岳を登った際には小さな群落と出会い、
また最初に出会った針山タマちゃん(なんだか人の名前みたいだ)とは
同じ登山ルートを登るたびに再会し、その鞠のようなフォルムに毎回きゅーんとなっていたのだが、
次に衝撃的なタマちゃんと出会ったのは、思いもかけぬ場所、
母の実家がある田舎の山中でのことだった(ちなみにこれまた長野県)。


山の緩やかな斜面に建つ母の実家には、田舎ならではのそこそこ大きな庭がある。
そして庭からは、地続きで裏山に入ることができる。

法事で母の実家を訪れた私は法要を終えて、
久々に顔を合わせた親戚たちが居間で談笑する中をこっそり抜け出し、
また例のごとくコケチェックをしに庭に出た。

 ※コケチェック:コケ図鑑を読むようになってからというもの、行く先々、とくに緑の多い場所へ行くと、
  必ずどんなコケがそこに自生しているのかをルーペと図鑑でチェックするのが習慣となっていた。

庭に配置された大きな岩に付いたコケ、スギなどの樹幹に付いたコケなどをルーペを使って夢中で見る。
ルーペでコケを覗いていると、まるで森に入っているような豊かな気持ちになれる。これが何とも楽しい。
そうして小さな森を見てはちょっと移動、見てはちょっと移動を繰り返しているうちに、
知らないうちにどんどん庭の奥へ奥へと進んでいたらしく、気づけば裏山に足を踏み入れていた。

親戚たちの声が届かない所まできてしまい、これはさすがにまずいだろう。
そう思い、庭へ戻ろうと踵を返したその時だった。

(ん?なにやら強い視線を感じる・・・)

そう、何かにじっと睨まれているような。

(タヌキか!? ま、ま、まさか、、、クマ!!?)

クマと遭遇した自分の姿が頭をよぎり、背筋が寒くなる。
もし本当にクマだったらえらいこっちゃ!
まずは冷静に。そしてクマに背中を向けぬようにせねば!

できる限り物音を立てぬようにおそるおそる辺りを見回してみる。

すると・・・


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▲ジーーーーーーッ!

ぎゃ!!!

タマちゃん!! しかもなんと大勢な!!

いままで見たことのない巨大な群落からは、無数の「目玉おやじ」がにょきっと顔を出し、
このおやじ部分だけ見ていると、なんだか、エイリアン襲来、そしてこのままにじり寄られて囲まれて、
最終的には誘拐されちゃうんではないかとすら思えてくるものものしさである。


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▲ちょっと引いて見てみるとこんな感じ。大きさは大人の頭部くらいはあった。(長野県、4月中旬)


まさか田舎の裏山で潜伏中のエイリアンと遭遇するとは。
しかし、ビビりつつも不思議とまたいっそうタマゴケに心惹かれてしまう。

あの睨み、キモチ悪いはずのに、なぜだか快感。
むしろ「もっと睨んで!」とさえ思えてしまう。
なんだろう、この感じ。うーむ。これぞタマちゃんマジック!

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▲ジーーーーーーッ!


それ以来、あの赤い目玉にまた睨まれたくて、
タマゴケ探しは胞子体が出て(サク)の蓋が取れる春先(4月頃)を狙うようになるのであった。

【コケ情報】第9回コケ観察会@東京理科大学 野田キャンパス

前回まで書いていた続きもの「マイ タマゴケ クロニクル」はvol.3までを予定しているのですが、その前に。
春のコケ観察会開催との嬉しい情報がコケ友・中島さんより届きましたので、お知らせします!


※2015.4.17追記:下記の中島さんの観察会は、今日の時点で定員まであと5人だそうです。ご興味のある方はお早めに~!

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中島さんが毎年春・秋に定期開催されているコケ観察会(地衣類も見ますヨ)も早9回!
2011年からスタートし、秋に参加された方は春のコケの表情もまた見たいと、
さらに何回も参加されている方は定点観察できるのが面白いと、リピーターさんも多いコケ観察会なのです。

関東近郊の方だけでなく、時にはかなりの遠方から参加される方もいて、
「コケに興味はあるけどまったく知識がない」という方でもウェルカム!とのこと。

詳細は下記のとおり。定員は10人までの先着順なので、
ご興味がある方はお早めに申し込まれることをオススメします。


【第9回コケ観察会】 主催者・講師:中島啓光(横浜国立大学)

☆日時/集合:5/16(土)午前11時、東武野田線運河駅改札前
☆定員:10名
☆場所:東京理科大学野田キャンパス・自然公園
☆内容:プロジェクターを使ったコケ説明会の後、昼食(各自持参)をはさんで、
    午後からキャンパスと自然公園に生育するコケ植物(10種類以上)と地衣類(5種類以上)を観察します。
☆終了予定時刻:午後4時
☆申込:件名を“第9回コケ観察会申込”とし、氏名、当日の連絡先を明記したEメールを、
    h-nakaji■ynu.ac.jp (■を@に変えて)宛にお送りください。

~中島さんよりメッセージ~
2011年7月の「コケとキノコの観察会」(第1回コケ観察会)に始まり、
年2回のペースで開催してきた観察会も今年で5年目。
初心者の方に、コケ(コケ植物と地衣類)の魅力を知っていただく、きっかけとなれば幸いです。


【コケ情報】苔庭がぐっと身近になる!コケの新刊「苔三昧 ~モコモコ・うるうる・寺めぐり~」


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▲大石善隆著/岩波書店より2015年3月25日発行。


ここ最近、プライベートが小忙しくて、
ゆっくり本を読むのもままならなかったのだが・・・。

やっと読めました、“前代未聞のコケの入門書”と
コケ業界でもウワサの『苔三昧』


コケに興味がある人なら誰しも気になるコケスポットの一つが「苔庭」。
でもなんとなく自分にとってちょっと敷居の高い存在であった。

というのも、そこは「庭」なわけだから、どなたさまかの管理下にある場所である。
そしてどちらかといえば、静かに景観を眺めるよりも一つ一つのコケにルーペをかざして
その姿かたちを詳細に見るほうにより興味をひかれるコケ好きの立場からすれば、
自然のフィールドに比べて苔庭は自由度が低い。

しかも苔庭を有しているのはだいたいが社寺仏閣。

そんな場所でうずくまってルーペでコケを見たり、カメラでコケを激写しまくったり、
ましてや「はー。かわいいわぁ」「キミは素敵だねぇ」なんて独り言をぶつぶつ(←本人は真面目にコケに話しかけているつもり)、
なんていうのは、おこがましくてなおさら気が引ける。
ましてや「何ゴケかな?」なんて、気軽につまみとることもできないし・・・。

じつは今までしばしば鎌倉や京都へ苔庭を見に行ってはいたものの
正直なところ、いつもこっそりひとめを避けて、
コケに触る(もちろんつまみとってはおりませんヨ!)のさえ緊張しながら、
おそるおそるコケと触れ合っていたのである。

でもきっと、私のようなコケ好きさんは他にも大勢いらっしゃるのではないだろうか。

そんな苔庭とコケ好きの間にそびえたつ見えない壁に、
風穴を明けてくれるのがこの『苔三昧』なのである。
そういった意味で、この本は確かに前代未聞、画期的かもしれない。

本書は、苔庭のコケをじっくり見たい人のための内容で、
苔庭のコケの生態、主なコケの種類、庭の歴史・文化など多角的に掘り下げて書かれている。

従来の苔庭を語る本は、「日本庭園」について読者がすでにある程度の知識があることを前提に書かれたものが多かったが、
本書は苔庭の「基本のき」から優しく説いてくれており、コケや庭の知識がまったくない人にとっても非常に読みやすい。


著者は、コケ研究者の大石善隆さん(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター研究員)。
大石さんは西芳寺(別名:苔寺)をはじめとする京都の苔庭の調査・研究の実績もある方で、
2013年にNHKが一年かけて西芳寺の苔庭を取材した特別番組にも出演されていることは、
コケ好きさんの間では知られるところである。

大石さんは執筆するにあたって全国各地の苔庭を巡り、本書には厳選した70か所(!!)を掲載。
北海道や沖縄など掲載がない県もあるが、北は秋田県から南は熊本県まで、必ず自分が住んでいる近隣の県は載っているので、
「苔庭といえばどうせ京都でしょ・・・」と決めてかかっていた人にとっては必ずや嬉しい発見があるだろう。

しかも、各庭に生えているコケの種名も記載されている(そしてそれがどんなコケなのかを説明したコケ図鑑もアリ)ので、
先の「苔庭のコケだからつまみとれないし、はっきりした種名がわからない・・・」というモヤモヤも解消。
まさにかゆいところに手が届いた一冊なのだ。


ちなみに内容とは離れるが、さらなる読みどころとしては、大石さんの文章にもご注目。
そのお人柄がにじみ出ているような文章なので、ぜひそこも味わっていただきたい。

先日ちょっとした用事があってメールのやり取りをしたところ、
「なんだか売れなさそうな本で・・・」と出版早々弱気な大石さん。
これだけ立派な本を書き上げておきながら、なんてことをおっしゃるか!

書き出しはそんな謙虚な大石さんのお人柄が出ているかのような、ちょっと緊張気味の文章。
しかし中盤の「全国の苔庭ガイド」を過ぎたあたりからは筆が乗ってきたのか、
まるで読者の隣に寄り添って話してくれているかのようなノリノリの書きぶりで、
本人がコケの世界に入り込み、楽しんで書いておられるのがひしひしと伝わってくる。

とくにコケの雄株と雌株の出逢いについて書かれた頁では、
「雄株ばかりのコケをみつけると、『大丈夫。来年はきっとステキな出逢いがあるよ』と温かいエールを送りたくなってしまいます」
との一文。雌に出会えなかった雄ゴケに同情し、親身にいさめ励ますコケ研究者っていったい・・・。

大石さんのハンパないコケ愛ぶりが感じられるとともに、
コケに語りかけるそのお姿を想像して思わず笑ってしまった。
  ※↑上記はあくまで個人的な感想なので、皆さまも実際に読んでそれぞれに大石さんの文章を感じてみてくださいマセ。


この本を読み終わった後、ふと、数年前にコケのイベントでお世話になったお寺の住職がおっしゃっていた言葉を思い出した。

 「お寺って一般の人にとってはちょっと敷居が高い気がしてしまう場所かもしれませんけど、
 本来のお寺というのは、誰でも気軽に集まれる場所なんです。
 近所の人がおしゃべりしにきたり、子供たちの学びやだったり。ほら、『寺子屋』っていうでしょ。
 だから、大した用事がなくても『お庭のお花やコケを見に来ました』っていう理由で寺の門をくぐってもらうのも全然構わないんですよ」

そう、勝手に敷居を高くしていたのは、自分の思い込みだったのかもしれない。
少なくとも、本書に掲載を許可してくれたお寺はコケを見に来てもらうのはウェルカムなのではないだろうか。

 
これから初夏にかけては一年でひときわコケが美しいシーズン。
近いうちに本書に載っているわが家に最寄りのお寺をぜひ訪れてみたい。
この本を片手にコケを見ていたら、あわよくば住職さんとコケトークができるかもしれないし!

本書の表紙・裏表紙にちりばめられた苔庭写真を眺めているだけで、そんな嬉しい予感さえしてくる。


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▲帯が付くとこんなかんじ。本のカバーはトレーシングペーパーのような透かしになっていて、これまたおしゃれなのだ。


マイ タマゴケ クロニクル vol.3

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さて、のびのびになっておりました「タマゴケ クロニクル」の最終章。
待っていてくれた人がいらっしゃるか否かはわかりませんが、遅くなってしまいすみませんでした。


春先のタマゴケ「タマちゃん」を待ちわびるようになって気づいたのは、
周囲のコケ友さん、またコケ好きの方の話に耳を傾けていると、やはり私と同じように
タマゴケが胞子体をつけるのを心待ちにしている人がとても多いということなのだった。

春にコケ好きが集まると、どんな場所でタマちゃんと出会ったか、どんな群落だったか、
いかにかわいかったかと、タマちゃん談義に花が咲く(いや「胞子が咲く」か!?)。

コケ好きじゃない人にはにわかに信じられないかもしれないが、
コケ好き同士でタマゴケの話をし始めたらコーヒー1、2杯の時間はじゅうぶんに間が持つ。

それほどにタマゴケのあの色、形、たたずまいは、コケ好きの心をくすぐる。
タマゴケはもはやコケ界のアイドル的存在なのだ。


そしてここ数年、私はアイドル・タマちゃんを追っかけて西へ東へ。
次第にどんな場所に行けばタマちゃんに会えるのか図鑑を見ずともコツがつかめてきた。



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▲三重県にて。4月中旬。


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▲近づいてみると・・・いました、目玉おやじ!




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▲タマゴケに出会うなら低山へ。山道ぞいにひそんでいることが多い。東京都4月上旬。


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▲おぉ!巨大群落!


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▲しかし、とうてい手の届かない高さ・・・高嶺の花ならぬ高嶺のコケ。


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▲4月上旬の東京のタマちゃんはまだ青リンゴ状態でした。



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▲こちらは山形県のタマちゃん。毎年GWに訪れる夫の実家の近くの裏山。


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▲手のひらよりも大きな群落。崩れやすそうな土の斜面によくくっついていられるなぁ。


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▲桜前線と同じくタマちゃん前線も南から北上、東北の見ごろは4月下旬から5月あたりなのかもしれない。


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▲ちなみにこれは今年のGWの様子。
 今年は全国的に夏の陽気で、同地も10日間連続の晴天。
 残念ながらタマちゃんはすっかり乾燥してアイドルらしからぬうらぶれた姿に・・・


最後に。ここ最近の新しいタマゴケトピックとして、
このかわいいタマちゃんを脅かす、
おそるべき菌類がいることも記しておきたい。

それは「タマゴケ寄生菌」と呼ばれ、タマゴケの雌株に寄生して、
本来、胞子体が出るべきところを菌糸で覆ってしまうというのである。

もしタマゴケの群落から真っ白い柄が何本も伸びていたらご注意を。
それはタマゴケ寄生菌の可能性が高い。
(写真で紹介したかったのですが、ざっと探したところ手持ちの中からは見つからず…)

なおこの菌についての詳しい話は、Google等で「タマゴケ 菌」で検索してもらうと、
日本植物分類学会が公開している「ニュースレター No. 47」の16ページ目に
コケを研究している学生Oさんが寄稿された文章が読める。

また、自然科学系雑誌「このは」(文一総合出版)でも「コケに寄生する菌類」のタイトルで
コケ研究者のAさんがタマゴケ寄生菌について触れられている。

ご興味がある方はぜひ読まれたらよいと思う。

刻まれた皺は実りの証、ヤノウエノアカゴケの赤い春

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▲ヤノウエノアカゴケ(2015年5月兵庫県)


今月初旬、兵庫県立 人と自然の博物館主催のコケ観察会に参加した。
久々に春のコケたちを満喫し、さらにこれまた久々にお会いしたコケ友さん、コケ諸先輩方とのコケトークも楽しかった。
ちょっと遅くなってしまったけどその時のレポートをば。


今回の観察地は兵庫県の南東部、駅の目の前すぐにある住宅地と工場地帯から少し離れたら、
川が流れ、田んぼや雑木林が一帯に広がるのんびりとしたロケーション。

講師のAさん(『コケはともだち』でもお世話になった、かのAさんです!)のガイドで、
道端(主にコンクリート)や田畑の脇の水路、そして林内のコケなどを中心に観察した。

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じつはこのコース、4年ほど前にもAさんの案内でコケ観察をしたことがあるのだが、
やはりガイドしていただくと観察する種類が多いので、
たとえ前に同じコケを見ていたとしても必ず新たな発見がある。

また、この4年の間にこちらのコケ目(コケを見る目)も
それこそコケの歩みとはいえ、少なからずアップしているというのもあるのだろう。

同じコケにも前回にはない新たな着眼点で眺めることができ、
さらにそんな自分自身に気づくこともまた楽し♪てな具合で、
同じコースでも、新鮮な気持ちでコケを見ることができた。


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▲道端のエゾスナゴケ。都会のどまん中にはめったにいないが、地方の道端や駐車場などのコンクリート上では時々見かけます


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▲田畑脇の水路にいたコツクシサワゴケ。タマゴケと同じタマゴケ科、タマちゃんの親戚筋というところか


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▲ウキゴケ(下)とホソバミズゼニゴケ(上)。同じく水路にて。
 前回参加した観察会ではウキゴケは少なかったと記憶。嬉しいことにここ数年で勢力拡大した模様


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▲参加者のおひとりがカエルを見つけました


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▲以前から図鑑で見てずっと気になっていたヘラハネジレゴケとついにご対面!
 アップにすると何とも個性的な形だ。和名のとおりヘラのような形の葉、そして葉先から伸びた白いおひげは葉の中肋だ


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▲ヘラハネジレゴケを見つけた場所。見つけたのはまったくの偶然で、本当は違うコケをつまみとるつもりだったのだが、
 つまんでみたらヘラハネジレゴケだったという・・・


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▲よくよくルーペでのぞいたところ、他のコケに埋もれるように生えている。私のコケ目ではまた出会うのは難しいかもなぁ(^^;)


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▲こちらは地衣類。ダイダイゴケの一種。Aさんに「水をかけると変化しますよ」と言われ霧吹きで水をかけてみる


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▲するとくっきりオレンジ色だったのが、鈍い緑色へと変化!
 これは表面にある菌類が水を含んで透明になり、下の藻類の緑色が浮き出てきているからとか


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▲道中ではコケや地衣類以外にも目についた植物を観察。これはウマノスズクサの花。
 花をつけているのはあまり見かけないとのことで、参加者たちのあいだで盛り上がった


この日だけで10~20種類ほどのコケを見たのだが、
なかでも自分が特筆しておきたいコケは「ヤノウエノアカゴケ」である。

このコケ、街中の道の隅っこや公園の土上などにわりと大きな群落を作り、
「アカゴケ」の名のとおり、胞子体の柄が真っ赤なので、とても目に付きやすいコケである。

しかし、いかんせんこの赤い柄ばかりが目立つため、「あぁ、あれはヤノウエノアカゴケだろうな」と
柄を見ただけでなんとなく知った気になってしまっていて、じっくりと向き合ったことがなかった。
よくよく振り返れば、柄が赤いこと以外、自分はこのコケについてなにも知らない。
また、他にも胞子体が赤い柄のコケがあるが、それらとどう区別するのかもわからない。大いに油断していた。

そんなわけで今回、Aさんのレクチャーで改めてヤノウエノアカゴケを
じっくり見る機会を得られたことは、とても大きな収穫だった。


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▲コンクリート上に群生するヤノウエノアカゴケ


まず、知らなかったのがヤノウエノアカゴケが胞子を飛ばすのが春だということ。

春といえば、前回の記事で書いたタマゴケのタマちゃん、そして街中ではコンクリートやブロック塀にハリガネゴケの仲間たちが
ツヤツヤとした若い緑色をした(サク)をたわわにつけるのが、代表的なコケの風物詩であろう。
もうここ何年も自分はそちらに気を取られまくっており、ヤノウエノアカゴケはまったくのノーマークであった。
また、コケ友たちと話していても「春はヤノウエノアカゴケが見ごろだよね~」なんて話はいままで出たこともない。

それはなぜなのか。

ひとつ考えられるとしたら・・・

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このとおり、どうにもこうにも(サク)が地味!

だからではないだろうか(^^;)

ヤノウエノアカゴケの(サク)をルーペで見てみると、
表面はしわしわ、しかも乾燥した状態だと葉茎も縮れて、
なんだかもう枯れかけている感が否めない。

しかしAさんのお話によると、このしわしわの時にヤノウエノアカゴケは胞子を飛ばしていて、
この皺のようなスジ(上の写真ではちょっとわかりにくいですが・・・)が、
(サク)に8本入っていることがヤノウエノアカゴケを他の種類のコケと見分ける大きな特徴なのだという。

ためしに群落を指先でなでてみると、シワシワの(サク)から胞子が飛ぶこと、飛ぶこと!

いままですっかりノーマークだったヤノウエノアカゴケ、
しかし(サク)に刻まれた皺は実りの証。
なにごとも見た目で判断するというのは軽率というもの。

ヤノウエノアカゴケよ、軽く見ていてごめんなさい。
次の春も、みなさんが渋い姿で満開になるのを楽しみに待っていますヨ。


◆今日のコケ絵日記(久々に描いてみました。自分の中のまとめとして)

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【コケ情報】6月12日(金)「美の壺」のテーマは『心癒される苔』

今週金曜日19時30分~20時に放送されるNHK・BS「美の壺」のテーマがコケのようです。これは必見!

--------------<番組ホームページより抜粋>------------------------------------------------------------------

古来、日本人に愛されてきた苔(こけ)。苔盆栽から苔玉へと、身近に飾れる苔の人気が高まっている。
庭園家・重森三玲が表現した和の苔庭園の傑作。石と苔のせめぎ合いが計算され尽くした究極の風景とは?
司馬遼太郎が愛した北陸の壮大な苔庭。神々しさを感じさせる美の秘密に歴史悲話アリ?
さらに、世界的なアーティスト達が苔を使って文化を超えた苔作品を披露。
心を癒やすもののあはれから、生命の神秘まで。驚異の苔美学を!

【出演】草刈正雄,【語り】木村多江

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たしか6、7年ほど前にも「美の壺」ではコケをテーマに取り上げたことがあり
以来「美の壺」はよく見ているのだけど、再びコケが取り上げられるとは嬉しい限り。
果たして今回はどんな内容なのか。いまから楽しみです。


※ちなみに再放送予定もすでに決定済み!

・6月16日(火)午前11時00分~
・6月18日(木)午前6時30分~


それにしてもナレーターは木村多江さんだったとは。
よく番組を見ていたのに今まで気づかなかった(^^;)


身近なコケを再観察~コツボゴケの見分け方~

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▲コツボゴケ(6月、東京都内の公園にて)


前回の記事に書いたコケ観察会で、見直したコケがもう一つある。コツボゴケである。
ヤノウエノアカゴケと同様、低地の公園や寺社仏閣の庭などでよく見かける身近なコケのひとつであり、
またコケの中でもとくに大型でパッと見た姿も特徴があるため、コケ初心者でも見分けやすい。
というわけで、このコケもよくよく振り返ってみればじっくりと向き合ったことがなかったのであった。


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▲コツボゴケの群落。大型で独特の黄緑色、そして大群落を作っていることが多いので、遠目からでもよく目立つ


コケ植物のからだは根っこを持たない。
そこで成長に必要な水と光をからだに素早く取り込むために、
多くのコケは葉の細胞は多層構造ではなく一層のみでできている。

コツボゴケのすりガラスのように薄い葉はその特徴を確かめるのに非常にわかりやすい例であり、
初心者向けコケ講座などでもコツボゴケの葉を光に透かしながら、実際にその薄さをルーペで見るレクチャーがよくある。


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▲透けるように薄いコツボゴケの葉


そういえば、屋久島でエコツアーガイドをされているOさんは、

 「コケは細胞が一層なので、緑色でも他の植物にはない透明感がある。
  コケの葉が森に差し込む光を通す、この緑の透過光が森に独特の透明感のある風景を生む。
  結果的に、コケがたくさんある森とそうでない森では、つくりあげられる景観がまったくちがってくる」

以前、そんなふうにコケの森の美しさについて話されていたのだけど、
私はコツボゴケを見るとその話をよく思い出す。

屋久島のコケの森にはなかなか行くことができなくても、コツボゴケの葉を一枚、ルーペでのぞきこみ、
その淡い緑色のきらめきを眺めているだけでまるで自分が屋久島の森にいるかのよう・・・
いや、むしろ自分自身がコケになって屋久島の森の木漏れ日に当たっているかのような感覚にさえなれるのである。
 (とはいえ、実際の屋久島の森の中でコツボゴケはあまり見かけないのだけども)

この夢のようなトリップ感覚。
もしコツボゴケをのぞきこみ恍惚とした表情の女性を見かけたら、それはおそらく私である。
アブナイのでぜひ声はかけないでいただきたい。

しかしながら、まだコツボゴケをじっくりと見たことがない方は、ぜひルーペで見ることをオススメしたい。

  注:コケは明るい場所で見ることが必須ですが、目の安全のためにくれぐれもルーペで太陽を見ないようにしてくださいね。


とはいえ、その美しさに浸るのはよいけれど、ついついそれで見慣れた気になってしまい、
コツボゴケとよく似た種類までコツボゴケに見えていることに、観察会に参加して、はたと気づいた。

コツボゴケとよく似た種類とは、そう、コツボゴケが属する「チョウチンゴケ科」の仲間である。


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▲コツボゴケ雌株。


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▲コツボゴケ雄株。


チョウチンゴケ科の仲間は、雌株はこのような提灯形の(サク)を持ち、
雄株は雄花盤(ゆうかばん)と呼ばれる、まるで花のような形の生殖器官を持つ。
そして先に挙げたように、透き通るような薄い葉を持つものが多い。

そうすると、この子も・・・

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この子も・・・・

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そしてこの子も・・・

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なんだか誰もかれもがコツボゴケに見えてきたぞ!?


「これじゃいかん!」と思い、改めて複数の図鑑の
チョウチンゴケ科のページをじっくりと読み直すことにした。

要点を整理すると、つまりこういうことなのだった。

 ●チョウチンゴケ科は7つの小さなグループ(いわゆる「属」)で構成されている。
 
 ●コツボゴケは、7つのグループのうちの「ツルチョウチンゴケ属」のグループに属する。

 ●ツルチョウチンゴケ属は10種類のコケで構成されていて、コツボゴケの他にも
  「ツルチョウチンゴケ」、「ツボゴケ」、「オオバチョウチンゴケ」などがある。

 ●ツルチョウチンゴケ属は直立タイプと這うタイプの茎をあわせもつのが大きな特徴である。
  (コツボゴケと同様よく見かける「コバノチョウチンゴケ」は「コバノチョウチンゴケ属」に属し、茎は直立タイプのみ。
   よく岩場で垂れ下がっているのを見ますが、あれは這っているのではなく直立茎が垂れ下がっている状態なのでしょう。
   またよく見ると葉も透けるほど薄くはありません)

ツルチョウチンゴケ属かどうかを見分けるには、
直立茎と這う茎(匍匐茎)の有無を確かめるのが、
ひとつの大きなポイントなのだと思う。

さらに4月の観察会の時にAさんから、
コツボゴケとその他のツルチョウチンゴケ属のコケを見分けるには、
葉の特徴を知るのがポイントであることを教わった。


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▲コツボゴケの葉のアップ。よ~く見てみると・・・


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葉の上半分の縁にギザギザの歯が見える。一方、下半分はなめらかである。
この「上半分のギザギザ」こそがコツボゴケならではの大きな特徴なのだという。

さらに、コツボゴケと同じような場所に生えているが、
葉の縁全体に極小の歯があり(ルーペでやっと見えるか見えないか程度)、
また葉に横ジワが入っていると、それはツルチョウチンゴケであろうとのこと。


最後に、このことを忘れぬよう自分の中のまとめとして、今回もコケ絵日記を描いてみた。

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絵のクオリティはともかくとして、こうして自分の手を使って描いておくと、
記憶にしっかり刻み込まれるのはもちろんのこと、次にこのコケたちと出会えるのがとっても待ち遠しくなる。
身近なコケにさえ待ち遠しさを覚えるのが嬉しくて、それがむしろ次も描こうというエネルギーになっているくらいだ。
欲を言えば、こうやって描き続けているうちに写生のウデがもう少し上達したらよいのだけどなぁ。

【コケ情報】宮崎県総合博物館にて「小さなコケの世界 ~It's a small moss world~」

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      ▲ブログ「ムシメガネ」より。「小さなコケの世界」展示の一部。      


6月20日から宮崎県総合博物館にて「小さなコケの世界 ~It's a small moss world~」の展示が始まっている。
その展示の制作にMOSS-Tプロジェクトで一緒にコケTシャツを作ってきたMさんがかかわっておられます。

残念ながら、今回私は足を運ぶことが叶わないのだが、
Mさんのブログで展示の様子を詳しく紹介されておられるので、
パソコンの画面からその雰囲気だけ楽しませてもらっている。

九州地方にお住まいの方、ぜひ宮崎県総合博物館に行かれてみてはいかがでしょう。
いや、もちろん九州の方に限らずとも! 展示は7月10日までとのこと(でも早まることもあるとか)。

そして、行きたいけど行けないという方は、ぜひご一緒にブログをチェック!
写真を見ているだけでも、Mさんのコケに対するあたたかな視線がじわじわと伝わってきて癒されます。
自分なんぞはむしろ癒されたいがために、もう内容は知っているにもかかわらず
「ムシメガネ」をちょくちょくのぞくシマツであります…(^^;)


 ムシメガネ  ※当ブログの画面左側「ブックマーク」のリンクからでもとべます

  ●小さなコケの世界(講座関連展示@宮崎県総合博物館) 

  ●コケジオラマ


それにしてもMさんがミニチュアの人物模型をコレクションされているとは意外だったなぁ。
でもブログを拝見しているとなんだかとても楽しそうで、すでに欲しくなってきている自分もいたりして。

【お知らせ】2015.7.17(金)~「ちいさな苔の写真展 Ⅱ」が始まります @オリンパスプラザ大阪

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大阪は本町にある「オリンパスプラザ大阪」にて、
オカモス関西で集っているコケ仲間の皆さんと
写真展を行うことになったので今日はそのお知らせをば。

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●会場/オリンパスプラザ大阪 オープンフォトスペース
      <アドレス>
      大阪市西区阿波座1-6 MID西本町ビル1階
      <アクセス>
      地下鉄四つ橋線本町駅22番23番出口からすぐ

●期間/2015年7月17日(金)~23日(木)まで ※ただし19日(日)・20日(月祝)は休館です。

●時間/10~18時 ※最終日は15時まで

●写真/オカモス関西(佐伯・辻・辻野・波戸・藤井・村井)

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プロの写真家は一人もおりませんが、
コケを見つめる視線のアツさは皆人一倍のコケ愛好者たち。

どんなコケの何をどうフレームに切り取るか、
それぞれの個性が出たコケ写真がそろっています。

「スマホでこんな美しい写真が撮れるんだ~」
「コケをこんなふうに撮るなんて!Mさんは光の魔術師やね!」

と展示する前からお互いの作品を前にすでに内輪で盛り上がったりも。

この暑さの中、透明感のあるコケの緑は見ているだけですっと心が涼みますので、
お近くの方、ご興味がある方、ぜひ足をお運びいただければ嬉しいです。

どうぞよろしくお願いします。


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▲私の展示写真の中から。白谷雲水峡のフォーリースギバゴケ(2012.8月 屋久島)

苔の里 ‐叡智の杜‐から苔盆景届く

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昨年、このブログでもお知らせした「叡智の杜プロジェクト」から先日、ついに苔盆景が届いた!

このプロジェクトは、石川県小松市日用町にある苔庭・苔の里(旧・苔の園)を、

 「世界中から未来を考える人々の叡智を集めて国際会議の開催や九谷焼や山中漆器を現代に蘇らせる展示、
  苔を大切にする活動、さらには山菜料理と現代のフードカルチャーを合わせた食のイベントの企画、蛍やトンボ鑑賞会、
  伝統音楽と現代音楽のコンサートなど様々な動きを作っていく」 (Motion Gallery「叡智の杜プロジェクト」より)

そのための場所として設備を整え、そして世界の人々に開放していこうという主旨で、
日用町で長年、苔の里の苔庭を守ってきた人たちが中心になって立ち上げられたもの。

昨年の秋、クラウドファンディングで公に呼びかけてこのプロジェクトに賛同してくれる人から寄付を集め、
苔の里の敷地内にある古民家「Wisdom House」の修繕費に充てたとのことだったのだが、
そのWisdom Houseがついに完成したということである。

そして、クラウドファンディングの面白いところはただ寄付を集めるのではなく、
寄付をしてくれた人には、のちほど〝お楽しみ〟が待っているということ。
応援の「コース」が選べ、その寄付の額に応じた特典が付いている。

私のもとに届いたのは叡智の杜ポストカード、そして今回の苔盆景と「Wisdom House」の招待状。


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   ▲小松市出身の長谷川銀さんの叡智の杜ポストカードは、年賀状として年始に届いていた


驚いたことに苔盆景は、届いた箱を開けると、まるで白ごはんを茶碗に入れて温めるときのように
鉢全体にラップをかけらた状態であった。そのため背の高いヒノキゴケとスギゴケ類(オオスギゴケかな?!)は
ラップで抑えられていた名残でいまだやや倒れ気味であるけれど、次第にもとどおりになるのだろう。

普通の植物(維管束植物)ならそんなことをしたら茎が折れてダメにになってしまうだろうに、
コケの場合、このような少々手荒い(?!)梱包でも鉢から土さえ漏れなければ、この方法もアリなのだ。
自分は園芸方面には疎いので、このような方法が一般的なのかわからないのだが、
このナイスアイデアに感心するとともに、鉢の形からしてまさに「温め前のコケごはん」のありさまに思わず笑ってしまった。


なおこの苔盆景、日用町の神社(苔の里のすぐ隣にあるコケむす神社)に
広く生えているヒノキゴケでつくったものということである。
さらにシラガゴケ類、スギゴケ類、スナゴケ類が一緒に盛られているのは、
苔の里に群生している種類をイメージしてのことかもしれない。

自分はたまたまこのプロジェクトの主催者のお一人である
Kさんと知り合いだったことから2013年に現地を訪れ、
大正時代に建てられたという修繕前の古民家と苔庭の専門家であられた
故・大石鉄郎氏の苔庭(旧・苔の園/現・苔の里)を拝見した。

同地の銘木である日用杉の木立の足元にヒノキゴケやシッポゴケ類、スギゴケ類を中心に
まさに「コケの絨毯」という形容がぴったりのコケの群落がどこまでも広がっており、
山中の静けさもあいまって、なんとも幻想的な雰囲気に心が洗われるような気持ちになった。
あの感覚はいまもありありと思いだすことができる(あぁ、またすぐにでも行きたいなぁ)。

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説明書によると、ケアは2~3日おきに霧吹きなどで
表面がしっとりするくらい細かい水をかけてあげるとのこと。
コケ育てのウデはいつまでたっても上達しない自分であるけれど、
今回は繊細なヒノキゴケも入っているし、いつにもまして気合を入れてかからねば。


最後に、叡智の杜から最近、以下の告知が出ていたので転載いたします。
苔庭のお掃除なんて、それこそ苔庭が自宅にあるというなら話は別だけど、
普通はなかなかできるチャンスがないと思うので、
ご興味のある方はぜひ参加されてみてはいかがでしょう。

----------<苔の里(叡智の杜)8月2日 ボランティア活動 参加者募集>------------------------

楽しく語らいながら、苔の里づくりをしませんか?
苔の里 夏のボランティア活動に、ぜひご参加ください!
子供連れ、学生・企業団体など皆様のご参加をお待ちしています

●日時:8月2日 9:30~11:30(小雨決行。荒天時延期)

●趣旨:苔の里(里山)の美しい景観や文化の維持・継承と生物多様性の保全を目的とする産官学民参加型のボランティア活動

●内容:苔の里の清掃や草刈りなどの景観維持活動。景観維持活動終了後に、苔の里と古民家交流施設ウィズダムハウスについて、ご案内させていただきます。

●備考:子供から大人までどなたでもご参加いただけます
   ボランティア保険には、主催者側で加入します
   石川県里山ポイントの対象活動です
   持参必須物はありませんが、飲料は各自ご用意ください。

●申込先:0761-65-1426 高(たか)まで
    (原則7月25日までにお申し込みください)

●集合:9:25迄に石川県小松市日用町寅71横の苔の里駐車場
(日用町Pの看板あり)

皆様からのお申込みを、お待ちしております。

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