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【コケ情報】8/9(日) 「博物ふぇすてぃばる!」にコケイロさん出展&さっそくコケTシャツを着てみた!

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▲kokeiroTシャツ(made by コケイロ)


8月8日(土)9日(日)の2日間、東京・九段下で「第2回 博物ふぇすてぃばる! 」が開催される。

同イベントは「自然科学、自然史、生物学、古生物、鉱物、化学、物理、天文などなど、
博物学ゆかりの題材からなる創作・展示・研究の販売・発表イベント」(以上、博物ふぇすHPより抜粋)とのことで、
前回好評だったことから今回は会場を拡大し、全国から博物学好きが集まるイベントとなる模様。

そしてなんと、コケ界からもお二方の出展があるとのこと!
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☆8月9日(日)出展ブース名「コケイロ」(場所:B-31)→詳細

☆8月8日(土)、9日(日)出展ブース名「Cafe de Foret」(場所:B-20) →詳細
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いいな、いいなー。東京にいたら絶対行くのに~!
もう、しょうがないから、誰か私の代わりに行ってきて~!


・・・おっと、思わず心の叫びが出てしまいました(笑)


しかしながら、コケイロさんとはコケ友なのをいいことに、
ちょっと無理を言って出展作品のひとつをいち早く買わせていただいた。

それが、こちら!



そうです、全面コケ・コケ・コケのコケTシャツ。
しかもコケの原画はコケイロさんの手描き!

そしてTシャツの包み紙をよく見ると・・・



ん??



なんと!「各コケの名称はコチラでご確認いただけます」と!
なんちゅう行き届いたアフターサービス!

そうそう、たしかに絵を見ているだけでも美しくてうっとりするのだけど、
「このコケはなんだろう?」という疑問も同時にわいてくるのよね。

そして、さっそくのこのアドレスのホームページをぞいてみたらば、想像以上に充実のコケ紹介が!
なんだか1枚のTシャツで、二度も三度も楽しませていただいたような、実にお得な気分となったのであった。

この興奮は実際にTシャツを手に取った人にしか体験できないと思うので、
ぜひご興味のある方は「博物ふぇす!」へGOしてくださいませ。


ちなみに、袖を通すものといえば気になるのがサイズ展開。
サイズはS・M・Lとあるらしいのだが、私はSサイズを購入。

そしてまっことに僭越ながら、より具体的な情報を提供すべく、
実際に私が着てみた画像をアップしておきます。


▲身長164cmの中肉中背。ワンピースの上に重ねてもゆったり着れる感じ。大半の女性はSサイズでOKかと思います。



▲どうせなので男性モデルも(身の回りに適当なメンズがおりませんで、とりあえず夫に協力を要請…というか強制w)
 170センチ弱のやや細身体型、こちらも十分余裕で入ります。

せっかくだからとアップしてみたものの、モデルのしょぼさは否めなし(はぁー…)。

でもでも、コケ好きが着ればコケ気分がアガるのはもちろんのこと、
コケを知らなくても、いま流行のボタニカルファッションとして自慢の一枚になること間違いなし。
だってこんなTシャツ、巷ではぜったい量販していないんだから!

なお、コケイロさんの出展作品の数々はこちらのホームページでも確認できるので、行かれる方はぜひ事前チェックを!
あ、行かれない方も目の保養になるのでぜひチェックをww

一つひとつコケイロさんがコケへのイメージを膨らませて、それをどう表現すればよいか試行錯誤を重ねたハンドメイド作品です。
頭の中にあるイメージをこのように手に取れる形で具現化できるのってすごい才能だと、頭も手先も不器用な私などはつくづく。
いつも完成したものを買わせてもらうばかりなのだが、そのたびにコケを楽しむ視点の幅を広げてもらっているような気持ちになる。
それがまた嬉しくて、次の作品にも期待してしまうのである。

コケイロさん、開催までいよいよあと1週間、身体に気をつけてがんばってね!

青い森へ再び。

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▲奥入瀬渓流にて。オシダに光が宿る


「毎日暑すぎる…」「暑くて寝れない…」と暑さに文句を言っているうちに
8月が終わっていくような気がしていたが、数日前からようやくホッとひと息つける涼しさが戻ってきた。

いや、空は日に日に透明度が増してきているし、
夕方の雲はなんだかちれぢれとしたものがたくさん浮かんでいる。

風が吹いたときの匂いはなんだか生き物が土に還っていくような感じがして、
これはいよいよそこまで秋がきているのだと、夏の終わりに少しさみしくもなる。

でもとりあえず8月中にブログが更新できたので何よりです。


この夏は例年になくたっぷり休みを取り、旅を満喫することができた。
というのもお盆帰省で夫の実家がある山形へ行く前に、さらに北上して青森へ。

私が今住んでいる関西からだと、山形へ行くにも青森へ行くにもそれぞれ交通費にウン万円かかるのだが、
ふと思い立って調べてみたところ、山形―青森間は新幹線と在来線を乗り継いで1万円ちょっと。
乗車時間も約3時間ですむと知り、今回は山形へ行く前に急きょ青森旅行をねじこんだのであった。

行き先はもちろん、秋田県との県境にほど近い十和田湖を水源とする「奥入瀬渓流」。
約2年ぶり、人生4度目の奥入瀬である。


今回はコケも楽しみたかったが、それ以上に夏の奥入瀬渓流という、
そこかしこに生命力が満ち溢れる青々とした森をしっかりと体感したかった。

というのもいままでの奥入瀬訪問では「木を見て森を見ず」ならぬ
「コケ見て森を見ず」状態であったから(なんとも森に失礼でお恥ずかしい…)。
今回は4度目ということもあるし、あえて意識は青い森の上へ上へ。









ふー。森の空気を胸いっぱい吸い込むだけで、なんだか心が生き返る。

奥入瀬渓流とは、奥入瀬川の水源・十和田湖にほど近い子ノ口(ねのくち)から焼山(やけやま)までの全長14kmのエリアのことで、
約200mの高低差のある渓流沿いには、トチノキ、カツラを中心とした落葉広葉樹林の森が広がっている。


▲トチノキ




▲若い葉は5枚。手を広げたような形で、各葉の根元は1か所に集まっている


▲よく似ているがこちらはホオノキ。朴葉焼きの料理でもおなじみの葉っぱ。
 葉は車輪状につき各葉の根元が離れているところがトチノキと見分けるポイントだ



▲こちらはカツラの大木




▲丸い葉は秋になると濃い黄色に紅葉し、さらに落葉間近になるとカラメルのような甘い香りがする。
 この香りさえあればシロップなしでホットケーキが食べられるほど、私はこの香りが大好き(笑)



▲川向こうの木々の足元に茂るのはヤグルマソウ


▲園芸品種はひょろっと伸びた茎に青やピンクの花をつけるが、野生種は葉がとても大きい



▲シダの一種、ミツデウラボシ。「ミツデ」の名の通り本来は三つ葉だが、北国では単葉になるとか。
 葉の裏のソーラスが星に見立てられて「ウラボシ」なのだが、パン好きの私には「カイザーゼンメル」に見える…
  (カイザーゼンメルのフリー画像が見つけられなかったため載せられませんが気になる方は検索してみてくださいマセ)


しかしやっぱり足元も気にせずにいられないのが、コケ好きの悲しき性。

いつの間にかうつむき、うつむき歩いていたところ、
案内してくださっていた現地のネイチャーガイド・Kさんが、
「ここがおもしろいですよ」と腐木が積まれた一帯を指さす。




Kさん 「コケ以外にもいろんなやつがいるんです。今日はいるかな~」

さっそくルーペを取り出し、のぞきこむKさん。

私 (お、なになに? なにがいるの!?)

うずくまる私たち。



▲お、いた!やっぱり腐木といったらコケ!チョウチンゴケの仲間かな


▲(ブレブレですが)こちらはアオモリサナダゴケ。東北で多く見られ、青森県で最初に見つかり記録されたことが名前の由来


▲クモの繭(卵のう?!)


▲キセルガイ


▲腐木の上にはツルアジサイ、オヒョウ、アイコ(東北ではイラクサのことをこう呼ぶ。猛毒)など。



▲お、粘菌?!


▲あ、こっちにも粘菌だ!(ブレブレですみません)



▲白い粘菌


▲オレンジの粘菌。コケの上についている!


▲この粘菌、腐木と土のはざまに生えていたヒラハイゴケ(他のコケも混じっています)に付き、優雅に胞子を飛ばしている模様


▲あれ?! コケでも粘菌でもないものが何か見えますよ


▲おそらくコヤガの幼虫とのこと。からだに粘菌を身にまといながら、なんと粘菌をむしゃむしゃ食べていた!
 (正確にいうと粘菌を身にまとっているかは不明だが、からだの色が同化していた)

朽ちかけた木片の隙間に、湿ったやわらかい土にうずまるように、
ひそやかに生きるミクロサイズの生きものたち。
その生き様のどれもが私の想像を超え、なんと不思議で愉快なこと!
一つ一つがキラキラとまばゆい宝石のように輝いて見える。

腐木とは、木が「死」を迎えたあと、土に還っていく過程の姿だ。
しかし、その「死」のまわり、上も下も、朽ちかけているからだの中さえもが、
小さな生きものたちにとっては人生ドラマの舞台であり、
無数の小さなものたちがその場所で命を燃やし、輝いては、消えを繰り返す。

大きなものの一つの死の足元で、一日のあいだに何度も、数時間の間に何度も、
人間の目ではとうてい捉えきれない数とサイクルで、小さなものたちの生と死が交錯する。

そして彼らに居場所を与えている大きな腐木もまた彼らの手を借りながら、
大地に還り、いつしか完璧な土へと完成していく。
なんという美しいシステムだろう。

腐木が、そしてそこに潜む小さな生きものたちの営みが、
生命の不変の真理を教えてくれる。

私は彼らの姿をひと時も見逃すまいと
時間も忘れてルーペの先を見つめ続けた。


◆今回もコケ絵日記を描いてみた。この感動を忘れぬうちに・・・

  

【コケ情報】9/10(木)~15(火)高田裕子さんの個展が開催されます@大阪

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今日は主に関西方面にお住いの方々に朗報をば!

屋久島在住の画家・高田裕子さんの個展が、
9月10日(木)~15日(火)に大阪・心斎橋にて開催されます。

高田裕子さんの存在は、コケ好きの方(とくに岡山コケの会会員)ならご存じの方も多いはず。

トップ画像の絵もそうですが、まるでおとぎの世界に迷い込んでしまったかのような幻想的な風景画。
岩や倒木を覆う緑はもちろんコケで、この幻想的な雰囲気に一役買っている。

しかしながら、高田さんの絵はこのコケたちがが決して脇役にとどまらない。

近づいて見れば、つんつんと伸びた若い緑色や黄色の胞子体、
さらによく見てみると、コケの形も群落ごとに違い、
何種類ものコケがきちんと描き分けられていることに気付く。



コケの種名がある程度わかっている人ならば、「お、これはきっと○○ゴケだな」と、
屋久島に息づくコケたちの姿に思い馳せられるに違いない。
この美しくも細かなコケの描写が、いままで私の周りの何人のコケ好きたちの心を躍らせてきたことか(もちろん私も含みます)。


高田さんの絵は引いて見ると屋久島の「静寂」を切り取っておられるようで、
いつも胸の中がすーっと静かに澄みわたっていく。

なのに近づいて見たとたんに、絵の中でコケはじつに独特の存在感でもって躍動し、
水という命の源を森の中の誰よりも先に受けている彼らこそが、
この屋久島の森を生み出しているのだと気づかされ、今度は急に胸の中がじわじわと熱くなってくる。

一枚のカンバスの中に潜むそんな静と動のコントラスト、
さらにまた新たなインスピレーションを感じに、
今回も高田さんの作品の数々を間近で見てこようと思います。

なお、ありがたいことに高田さんは会期中、
いつでもギャラリーにいらっしゃるとのことです。



【高田裕子個展】
●会期:2015年9月10日(木)~15日(火)AM10:30~PM6:30(最終日PM3:00まで)
●場所:ギャラリー永井 詳しいアクセスはこちら→ 



さらに、ここで終わりかと思いきや、
今回はもう一つ嬉しいニュースが!

9月10日に高田さんの絵をまとめたご著書が発行されるとのこと。

  
  ▲「水の森」絵・文/高田裕子 発行/アノニマ・スタジオ 発売/KTC中央出版


現在、発行元のアノニマ・スタジオのホームページではカメラマン・大沢成二さんが撮った
高田さんが画を描いていかれる過程を収めた映像作品が公開されています。

こんなふうに筆を重ねて森ができあがっていくのだという驚きはもちろん、
映像で見ると、コケたちがより立体的に、質感まで伝わってきそうなくらいリアルに迫ってきて見惚れてしまう。

とくに、今回はちょっと個展に行けそうにない…という方、
ぜひこちらで作品を見てみてください。オススメです。

【コケ情報】第10回コケ観察会@東京理科大学 野田キャンパス

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コケ友の中島啓光さん が毎年春・秋に定期開催しているコケ観察会がこの秋も開催されます。
2011年からスタートして、今回でなんと記念すべき第10回目!(中島さん、おめでとう!!)

いつもの通り、リピーターさんも「コケに興味はあるけどまったく知識がない」という初心者の方でもウェルカム!です。
関東近郊の方だけでなく、時にはかなりの遠方から参加される方もいらっしゃいますよ。

詳細は下記のとおり。定員はキッカリ10人なので、
ご興味がある方はお早めにお申し込みをどうぞ。


【第10回コケ観察会】 主催者・講師:中島啓光(横浜国立大学)

☆日時/集合:10/17(土)午前11時、東武野田線運河駅改札前
☆定員:10名
☆場所:東京理科大学野田キャンパス・自然公園
☆内容:プロジェクターを使ったコケ説明会の後、昼食(各自持参)をはさんで、
    午後からキャンパスと自然公園に生育するコケ植物と地衣類を観察します。
☆終了予定時刻:午後4時
☆申込:件名を“第10回コケ観察会申込”とし、氏名、当日の連絡先を明記したEメールを、
    h-nakaji■ynu.ac.jp (■を@に変えて)宛にお送りください。


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あと、上記とはまったく関係ないのですが・・・。

このブログでもたびたびレポートしている青森県・奥入瀬渓流で
先のシルバーウィークにこんなことがあったそうです。

「コケのテーブル」、表面はがされる 奥入瀬渓流沿い (朝日新聞デジタルの記事より)→ 

PEATでスキンケア&コケ情報

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しばらくお休みしていた仕事をここ最近少しずつ再開したのだが、いざ蓋を開けてみると、
おぉ!とちょっとのけぞる量になっており(それはそれでとってもありがたいことなのですが)、
てんやわんやの9月、そしてそのまま10月に入ってしまった…という今日この頃である。

思いおこせば日に日に雲が高くなっていったり、日が暮れるのが早くなっていったりと、
空を眺めていると秋がもうそこまできているのだという気配を感じていたのだけど、
つい先日、少し視線を落としてキンモクセイの橙色とあの強い香りをかいだ瞬間、
はっきりと秋の輪郭をつかみとったという実感がわいたのだった。

そして、忙しさにかまけてここ最近鏡もろくに見ていなかったわけなのだが、
ある日の深夜、鏡台の前で改めてまじまじと自分の顔を見てみると、
そこにはすっかりくすんだ肌をまとった自分がいて、ちょっとおののいた。

この肌のくすみ、何とかならんものか…。
いや、ならんとしても何かしないとこのままでは気がすむまい。

どうやら深夜の鏡には、普段ほとんど肌の手入れもしないズボラ女子の
わずかばかりのプライド(?!)をかきたてる不思議なパワーがあるようだ。

さて、どうする。

ふと「そうそうあれがあった!」と思い出し、戸棚の奥を探す。
そして出してきたのがこちら。



フィンランド製のフェイスパックだ。

どうです、パッケージからしてちょっとおしゃれでしょう?

もちろん、日焼け止めすら適当にしか塗らない私がこのような海外製のパックの存在を知るよしもなく、
美容グッズにちょっと詳しい従妹があるとき「こんなのあるよ!」と教えてくれて、以前購入したものである。

パッケージに「PEAT」(ピート)と書かれているが、
つまりこれは「泥炭(でいたん)」、泥炭パックということ。

泥炭とは、湿地や沼地などにおいて水生植物やコケなどが枯れて堆積し、
完全には腐らないまま、長い年月をかけて部分的に分解され、炭化したものだ。
一見すると褐色の土の塊のようで、中には多量の水分を含んでいる。

この湿原や沼地で泥炭のもととなる「コケ」というのが、主にはミズゴケの仲間をさす。
ミズゴケは英語名で「Peat moss」という名前がついているほどだ。

ミズゴケは湿原や沼地の一面を覆うようにふかふかの大群落をつくる。
そして表層で生きているミズゴケの下には、彼らの前の世代のミズゴケたちがの大量の死体が、
さらにその下には炭化して「泥炭」になりつつあるさらに古い時代のミズゴケが堆積している。

つまり、表面積のみならず、深度においてももまた「大群落」というわけで、
彼らが湿原や沼地という環境そのものをつくり、保持しているともいわれている。



▲ミズゴケの一種、ホソバミズゴケ。


・・・っと、ちょっと話が遠回りしてしまったが、そんなわけで、
このパックのパッケージにもかわいらしいミズゴケのイラストが描かれている。




そして、蓋を開けると中身はこんな感じ。
成分は「水・泥炭」のみというだけあって、まさにザ・泥炭色。




これを顔の表面に塗ってパックする。塗っても匂いはほとんど感じない。
説明書によると、肌表面の古い角質を取り除きハリを与える効果があるのだとか。
また、お湯に溶けやすいので入浴剤として使ってもよいらしい。
さすがにパックした顔はお見せできませんが、使った後は肌が少しツルツルになった気がする。

日本にも昔から緑茶石鹸や米ぬか化粧水をはじめ、最近では日本画や日本人形の顔料となる胡粉を使った「胡粉ネイル」などもあるが、
フィンランドは「ピートパック」。こうしたコスメにもお国柄があるのだなと妙に感心してしまった。

ちなみに、数年前にコケ友のHさんからアメリカ土産で
こんなものをいただいたこともあった。



ラベンダー、パチュリ、オークモスを使ったハンドメイドソープ。
この「オークモス」とはコケではなく、樹枝に生える地衣類のこと。
オークモスは香料として、主にエッセンシャルオイルや香水に使われることが多いという。

この石鹸もメインで香るのはおなじみのラベンダーなのだが、
やはりそれだけじゃなくて、ちょっとスパイシーで渋みのある複雑な香りもする。
個人的には、この「渋み」が水を含んだ樹皮や腐葉土のようなイメージを持った。

数年たっても香りはしっかりあるし、なんだかもったいなくて、
いまだ使えずにピートパックと同じ洗面台の戸棚に大事にしまっている。


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【コケ情報】

1.10月6日(火)24時25分~25時25分放送のフジテレビの新番組「おっかけのおっかけ」で、
  「コケに恋するコケおっかけ」としてコケ仲間のSさん、Yさん、Iさん、Tさんらが出演されるとのこと。
  ※ただし、番組表をチェックしたところ関西圏では放送がない模様…残念無念!
   タイムラグがあってもよいから、どこかで放送してくれないかな。。

2.同じく10月6日(火)9時50分~11時15分放送の関西テレビの「よ~いドン!」の「となりの人間国宝」のコーナーで、
  大阪・心斎橋で苔盆栽や苔鉢を栽培・販売されている「苔なっこ」さんが出演されるとのこと。
  ※逆にこちらは関西ローカルの番組のようで、関西圏外では放送がないかもしれません…。

3.前回の記事に書きましたが、10月17日(土)開催の「第10回コケ観察会@東京理科大学 野田キャンパス」の申し込み受付中です。
  すでに何人か申し込みがありましたが、まだ定員までには達していないとのことなのでご興味のある方はお早めにどうぞ。



【お知らせ】英文ウェブメディア「IGNITION」にコケの記事を寄稿

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10月も気づけばあっという間! 先月に続き、どうにか月末に更新ができてよかった!
(本当は1週間に1度は更新したいのですが…気力はあるが体力が追いつかず(T_T)カナシイ!)

昨日あたりから、ようやく今月初旬から取りかかっていた仕事がひと段落つき、ホッとしているところ。
これからは11月21日(土)~23日(月・祝)開催の「第3回苔・こけ・コケ展」(開催場所:京都府立植物園)に向けて、
ひたすら邁進していく所存! また詳細については、後日ブログでご案内したいと思います。


さて、今日のお知らせは・・・

このたび大変ありがたい機会をいただき、海外読者向けに日本のカルチャー情報を発信している英文サイト「IGNITION」に、
コケの魅力や、私がコケに惹かれる理由、最近のひそかなコケブーム、おすすめのコケスポットなどについて文章を書かせていただいた。
英文の記事なのですが、写真もたくさん載せているので、ぜひ一度見ていただけると幸いです
(他の記事もまた興味深いものばかり。ジャパニーズカルチャーは奥が深い!)。

●IGNITION 「A Moss Girl’s Guide to Japanese Moss Viewing

ちなみに、私の日本語の文章を英訳してくださったアメリカ人の翻訳者が、少し前まで京都に住んでいてコケをよく愛でておられたのだとか。
なんという嬉しい巡り合わせ! 個人的なアドレスを編集者の方から教えていただいたので、これからコケの写真を送ってみようと思う。




【コケ情報】11月21日(土)~23日(月祝) 「苔・こけ・コケ展2015」開催!

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11月に入り、街はハロウィンから一気にクリスマスムードへ。でもちょっと待って、その前に! 
コケ好きが集まるビッグイベントが今年も京都府立植物園で行われます。
毎年お越しの方も、初めての方もぜひ「コケの不思議」に触れにきてくださいマセ。





☆会 期: 2015年11月21日(土)~23日(月祝)、9:00~17:00(23 日は16:00 まで)
☆会 場: 京都府立植物園 植物園会館展示室  ※ご来園には地下鉄・市バスをご利用ください

☆イベント
◇11月21~23日 野点席 ~苔庭ではんなり お点前を~ 
   ・裏千家教授 関西宗志
   ・飲食費/500 円 
   ※会場内で随時開催。裏千家のお点前で抹茶がいただけます。

◇11月21~23日 10:00~11:30「植物園内のコケ観察 地上のコケ・樹幹のコケ・岩壁のこけ」(観察会)
   ・共催/日本蘚苔類学会
   ・講師/大崩貴之(京都大学大学院 人間・環境学研究科 、岡山コケの会関西支部)
   ・定員/各日先着20名、参加費無料

◇11月21日 10:30~12:00 講習会 コケを身近に:「コケテラリウムを楽しもう」
   ・講師/岡山コケの会関西支部
   ・材料費/500 円
   ・定員/先着20名

◇11月21日 13:30 ~15:00(受付13:00 ~) 講演会「苔を魅せる器づくり」
   ・講師/岡本 和芳(陶芸作家)
   ・定員/先着60名

◇11月22日 10:30~12:00講習会「コケが活きる魔法の鉢づくり」
   ・講師/大野月子(園芸家)   
   ・定員/先着20名
   ・材料費/500円(セメント・色粉など)
   ※持ち物/作業用の前掛け、作品持ち帰り用の風呂敷、ビニル手袋 などを準備ください

◇11月22日 13:30 ~ 15:00(受付13:00 ~) 講演会「コケが語られる 文学に現れる苔」
   ・講師/青野美幸(京都医療科学大学  非常勤講師)
   ・定員/先着60名、参加費無料

◇11月23日 10:30 ~ 12:00(受付10:00 ~)講習会「コケと遊ぼう」コケテラリウムを作る
    ・講師/泉原 一弥(地球温暖化防止活動推進員・やぁね、こけちゃっカー(屋根苔着車)製作者)
    ・材料費/500円(容器・培養土・コケ材料など)
    ・定員/先着20名

◇11月23日 13:30 ~ 15:00(受付13:00 ~)講演会「コケ植物の美と多様性,その生き方 -小さい体に精一杯工夫を凝らしたくましく生きるコケ-」
   ・共催 日本蘚苔類学会
   ・講師/秋山弘之(兵庫県人と自然の博物館・前日本蘚苔類学会会長)
   ・定員/先着60名、参加費無料


上記の通り、観察会やテラリウム作り、講演会などのイベントも盛りだくさん、さらに今年はコケグッズの物販も充実しています。
今年の自分は会場壁面のコケ写真展示にかかわるほか、拙著「コケはともだち」とコケカレンダー「苔暦2016」を物販品として置かせていただきます。
さらにMOSS-T PROJECTで3年前に初めて作ったコケTシャツ(長袖バージョン)も再販させていただく予定
(枚数が少ないのでご希望の方はお早めに会場へお越しくださいっ)。

他にも屋久島の高田裕子さんのポストカードやkokeiroさんのアクセサリー類など、
普段は手に入れたくてもなかなか手に入れられない珠玉のコケグッズがそろっていますよ。


そして私は現在、写真展示の準備とコケカレンダー完成に向けて鋭意作業中でございます。


▲展示用写真の一部


    
▲コケカレンダー「苔暦」のためのイラスト(何ゴケかわかるでしょうか!?)


この時季の京都は紅葉もきれいですし、植物園内のイチョウの大木が色づくさまは圧巻です。
ぜひ、コケと季節の植物を楽しみに京都府立植物園までお越しください。

 ◆京都府立植物園の利用案内&アクセス→ 

「おとなのためのコケ講座」@みえむ

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いよいよ昨日から京都府立植物館で「苔・こけ・コケ展2015」が開催されているが、
初日ですでに来場者は1000人を超えているとかで、かなり盛況とのこと(すばらしい!)。

自分はこの企画展のためにここ1週間は会場の展示物や物販の準備に追われていたのだけど、
じつは他にも今月はいろいろとコケ活動があり、充実した1か月になっている。

その第1弾は、11月7日(土)に三重県総合博物館(通称:MieMu/みえむ)で行われた「おとなのためのコケ講座」に参加してきたことだ。
「おとなのための」だなんて、なんてステキな響き!と案内が出されて早々、意気揚々と申込んだはよいものの、
よくよく調べたら現地に行くのに2時間半かかることを知り(しかも前日に…)、当日は午前10時の開催に間に合うよう午前7時には自宅を飛び出たのだった。


▲三重県総合博物館の最寄駅は津市。駅前のロータリーからバスに乗り、博物館までは5~10分ほど。



▲三重県総合博物館。


平成26年4月にオープンしたみえむはオープンしてまだ1年半ということで、とてもきれいな施設だった。
そしてコケがテーマの本格的な講座はオープン以来、今回が初めだったのだとか。


▲講師は若手女性研究者のMさん(嬉しいことにMOSS‐Tシャツを着てくださっていた!)。


今回の講座は博物館の敷地内にあるコケを採取して、顕微鏡で見て図鑑と照らし合わせてみるという内容だった。
まず「コケとは何か?」という基礎的なレクチャーを座学で受けたあと、野外に出てMさんが作られた「コケマップ」に沿って7種のコケを採取する。

この日の参加者は11人。コケ初心者の方が大半を占め(とはいえコケ以外の植物や自然に詳しい方が何人もいらっしゃった)、
さらにクマムシなどコケの中のムシについて調べている方や、東京からわざわざ夜行バスに乗って(!)こられたコケ友のTさんがいて驚いた。


▲まずは敷地内の明るくて土が軟らかめの盛土に生えるコケを採取する。さて、何種類のコケがいるでしょう?



▲いろいろなメンツが見えてきた。



▲コスギゴケ。



▲ケヘチマゴケ。



▲ユミゴケ(これはコケマップのリスト外)。



▲次に踏みしめると靴に水がしみてくるような、水分の多い土壌にて。ウマスギゴケを採取。



▲さらに日陰がちな雑木林のなかへ。



▲ここではコカヤゴケを採取。他にヒメタチゴケの大きな群落からも一部を採取した。



▲日当たりの良い場所に生えるギンゴケを見つけに行く途中に生えていたネジグチゴケ。
 裸地の中でひときわ目立っていた赤い柄がコケ好きたちの目にとまらないわけがなく、しばし撮影タイム。



▲はまだ若く、これから成熟していくようだった。この秋中に胞子を飛ばすのか、いや次の春に向けて準備中という感じかな?!


昼食を食べた後は、いよいよ顕微鏡でコケ観察。

Mさんいわく、
「今日はこちらで先に何ゴケかを教えてしまっていますが、本来はコケの名前を調べる時は、
 まずは図鑑とコケを見比べて『絵合わせ』をすることが大切です」
とのこと。

今回、図鑑は「原色日本蘚苔類図鑑」 (保育社 ※現在は廃版) と「日本の野生植物―コケ」(平凡社)が、
顕微鏡は、実体顕微鏡と静物顕微鏡が参加者一人ずつに用意されていて、顕微鏡のセットの仕方から教わった。



▲上から時計回りにウマスギゴケ、ヒメタチゴケ、コスギゴケ。こう見るとコスギゴケのなんと小さなこと!


採取後に採取袋(クラフト紙)に入れておいたコケたちは、
たいがい紙に水分を奪われてこのように乾燥しているため、
まずは水滴を落として元の状態に戻す。



▲実体顕微鏡で見たコスギゴケの(帽をかぶった状態)。


何においてもそうだが、コケの同定をするときも判断するための材料が多いに越したことはない。
このように胞子体のついたものが見つかればラッキーだ。

それにしても久々に顕微鏡で見たコスギゴケの帽は、えもいわれぬきめ細やかで美しいつくり。
当たり前だが、これって人や虫がつくったわけではなく、コケ自身がつくり出したものなのだ。

毎回のことながら、顕微鏡下のコケの世界には生命の神秘を感じてしまう
(と同時に、しばらく見ていると「なんかヴェトナム風揚げ春巻っぽい」と神秘のカケラもない想像も膨らませてしまったワタクシ。コスギゴケよ、ごめん・・・)。



▲こちらは生物顕微鏡で見たヒメタチゴケ。

実は私はこの日、大阪で友人の結婚パーティーが夕方からあったため、ここでタイムオーバー。
泣く泣く途中退室することに・・・(なんせ、2時間半かかるんで!)。

参加者のみなさん、7種類すべて観察できたかな。
次回はじゅうぶん時間に余裕を持って参加したい。


なお、Mさんが最初の自己紹介でご自分がコケを意識するようになった
きっかけを話してくださったのがとても印象に残ったので最後に書き留めておきたい。

Mさんは小学2年生の時に、教科書に出てきた海外児童文学「むぎばたけ」(アリスン・アトリー著)のなかで、
ハリネズミのねぐらがふかふかのコケのベッドだったという一文を読んで以来、コケに目覚めたのだという。
私自身は文系で、国語が好きだったということもあり、このエピソードにとてもほっこり。

しかしよくよく考えれば、Mさんはまだ10代にもならない時分から、物語に出てくるたった一文でコケに目覚め、
現在に至るまでそのままコケの道をまっしぐらに進んでこられたのだから、そのコケへの情熱たるや計り知れないものがある。

でもきっと、本来、質の高い物語というのは物語の主題とは関係ないような部分にまで、
そこかしこに子どもの想像力を広げてくれる装置が仕掛けられているものなのかもしれない。
そして著者でさえ予期しないようなところで小さな読者の心を心地よく刺激し、
読者が大人になってもなお心のよりどころとなり続ける存在なのだ。

Mさんをそんな気持ちにさせ、いまもコケ研究の原点となっている「むぎばたけ」、近々ぜひ読んでみたいと思う。


【お知らせ】コケ好きのためのカレンダー「苔暦2016」ができました。  ※今日から販売スタートします!

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       ▲今年も作りました。コケ好きのためのカレンダー「苔暦2016」


いよいよ師走に入りました。

毎年この時季になると忘年会や年末進行、クリスマス、年賀状書き、帰省の計画などなど、
イベントが一気にどっと押し寄せて忙しくなりますが、みなさま元気におすごしでしょうか。
(改めて挙げてみると、明らかに1か月にこなす量ではない気がします・・・)

さて、そんなお忙しい中をさらに分け入るようで恐縮ですが、
今年もコケ好きのためのコケカレンダー「苔暦」を作りました。

このブログを見てくださっている方の中で、ご興味のある方がいらっしゃったらお分けいたします。  ※なくなり次第、終了します。


 「苔暦2016」  <壁かけ用、1部:1400円+送料 ※送料についての詳細は下記をご参照>


今年の12か月はこちら!

      
 
     

    

    

    

    



昨年はお休みさせてもらったので2年ぶりのお目見えです。
今年は例年のものとデザイン・仕様をちょっぴり変えてみました。


▲仕様:210×148㎜(A5サイズ)/全4色カラー。祝祭日の記載あり。吊り下げ用麻紐付き。
   ジェントルホワイトフェイス121.5K使用で、ややざらっとした手触りでマットな質感です。


さらにリニューアルに合わせて、せっかくなのでテーマを決めて写真を選んでみました。

2016年版のテーマはずばり、「身近なコケを再観察 (I look at familiar mosses again.)」です。

コケを見始めた頃、家の周りやさんぽ中に見かけるコケに幾度となく感動をもらいましたが、
その感動はコケを見始めて何年もたったいまなおまったく色あせておらず、むしろ増幅中。

身近に出会える普通種のコケだからってなめちゃいけない。

どんなコケも観察し続けているとたいへん奥が深く、
時間がいくらあっても足りないくらい面白いです。

そこで、今回は身近によく見られるコケの写真をチョイスし、
さらに観察中に気づいたことや、調べてみて改めて知ったことなどを
イラストとキャプションにまとめてみました(これは自分にとっての感動の記録も兼ねているわけです)。



▲2月はハマキゴケについて、4月はフタバネゼニゴケについてのイラスト入り。
 キャプションは12か月すべてに、イラストは6か月分に入れています



▲透かし紙の帯紙付き。



▲カレンダー上面に穴があいています。壁掛けカレンダーとしてどうぞ。


なお、前回まで配送に使っていたクロネコメール便が今年の春に廃止されたため(なんと残念な!)、
今回は日本郵便で送らせていただきます。カレンダー代に加え、下記の通り別途送料がかかります。

それぞれ送料最安値の配送方法を選んでいますが、ご希望の配送方法(宅急便など)がある場合はご注文の際にご相談ください。


【ご注文冊数による送料の違い】 ※カレンダーは1400円/冊です。

■1冊:送料140円(普通郵便)

■2冊:215円(ゆうメール)

■3冊~5冊まで:300円(ゆうメール)

■6冊以上:送料無料 ←(一度にそんなにご購入くださるのは大変ありがたいので!)
 

購入希望の方は当ブログ左側のバーにある「プロフィール」の下、「メッセージを送る」にご連絡ください。
その際、下記の必要記入事項をご記載ください。

 ※iphone からこのブログを読まれている方だと「メッセージを送る」の欄が表示されないようです。
  ご注文は、bird0707◆mail.goo.ne.jp (◆を@に変えてください)のメールアドレスに送ってくださいませ。


こちらからご注文の確認とお振込先についてのお返事を差し上げます。


----メッセージへの必要記入事項-------------------


1.お客さま情報
  
・お名前:
・カレンダーの送付先:〒
・電話番号:
・メールアドレス:
  
2.必要部数   部  送料     円  ★合計金額  円

------------------------------------------------

●金額
 1部=1400円 (送料:1冊140円~。6冊以上は無料)
 
●代金 
 ご注文メールをいただいた方、各々に振込先をお知らせします。
 振込手数料はお客様の御負担でお願いします(入金確認後の送付となります)。

●発送方法
 PP袋で個包装の上、「普通郵便」または「ゆうメール」で発送します。 

●ご注文期間:12月3日~1月いっぱい頃まで。

 ※品切れ次第終了いたします。

 ※ご注文メールを頂いてから、基本3日以内にはにこちらから確認メールを差し上げます。
  3日以上たっても確認メールが届かない場合には、御手数ですがご一報ください。
 ※Amazonや巷の通販のような敏速な対応はできませんが、できるだけ早めに対応・発送させていただきます。


ではでは、皆さまのお申込みをお待ちしております。




▲ご自分用としてはもちろん、コケが気になるあの人へのクリスマスプレゼントにもよいかもしれませんヨ!

コケカレンダー「苔暦」ができました Part2(梱包編)

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コケ好きのためのコケカレンダー「苔暦2016」の告知を始めて1週間。
注文をくださる方々のメールを開くと、注文の必要項目以外に短いメッセージを添えてくださる方が多くて、なんだか嬉しい。

「今年は○○○へコケを見に行きました」や「胞子活動を続けていますよ」など毎年ご注文をくださるおなじみさんや、
はたまた「最近コケが好きになり始めた初心者なのですが…」、「道端のコケが気になってしかたありません」というはじめましての方など、
みなさん銘々にコケと向き合ってらっしゃるのだなぁと思うと「さて私もまた!」という気になってくる。

  注)「胞子活動」とは
    コケが胞子で増えることにちなみ、その胞子のようにふわふわとコケを求めて出歩く行動や
    コケの魅力を周囲に散布する(広める)行動を総じて「胞子活動」と呼ぶ。
    ちなみにキノコも胞子で増えることから、コケ好きのみならずキノコ好きの間で使っても通用する。


そんな皆さまに向けて、ちょっとばかりの遊び心でこんなものを作ってみた。




はい、「手作りコケシール」でございます。

数年前からコケのアンティーク画をお小遣いがたまるたびに少しずつ集めていて、
さらに資金がたまると額装にするのだが、ちょうど額に入れる前の図譜があったので、今回はそれらを利用してみた。




作り方は次の通り、至極簡単である。


1.クラフトシール紙を用意する(今回は100円ショップ「セリア」で購入)。




2.複数種の図譜をコピーする。


3.文字ページを下地として、画を切り抜いて好きなように下地にはりつける。




4.プリンターに1をセットして、3をコピーする。


5.封筒に合わせてカットすれば完成。




どの部分の柄があたるかは届いてみてのお楽しみ。
先週のご注文者にはもう届いている頃だろうけれど、皆さん気づいてくれたかな。




なお、「コケにまつわる話」は注文時の必須事項ではありませんので、
基本は必要事項と送付先・連絡先のみをぱぱっと送っていただくでまったく構いません
(これを読まれたことで、へんなプレッシャーがかかりませんように!)。

一方で、「私はむしろコケへの思いのたけを語りたい!」という方の長文メールも歓迎です。

まだ在庫はありますので、ご興味のある方、ご注文をお待ちしております(^^) →注文方法の詳細についてはこちらへ。



●おまけ その1

この更新ペースだと11月のコケレポートがもはや年内に書ききれないおそれが出てきたので、
ひとまず11月のオカモス関西の観察会(観察地:神戸市内)で出会ったとびきりの美人さんだけでもアップしておきたい。



▲コスギゴケ。落ち葉とドングリもフレームインした秋らしいスリーショット




▲アブラゴケ。親指の先程度の小さな群落がポツポツとあるのはよく目にするが、ここまで大きな群落でしかも胞子体付きとは珍しい



●おまけ その2

オカモス関西の活動で最近ご一緒するようになったSさんのブログ「そよ風のなかで Part2」を「ブックマーク」に追加しました(当ブログの左欄)。
とにかくこのブログ、どのコケの写真も息をのむほど「美しい!」のです(オカモス関西の重鎮Mさんが思わず嫉妬してしまうほど!)

Sさんはご職業柄、生物にもともとお詳しいとのこと。コケの他にも鳥や虫についてもブログにたくさん記事を書かれています。
各生物を図鑑のよう種別に分けてくださっているので、好きな時に気になる生き物のページに飛べるのも便利です。
ぜひご覧になってみてださい(ちなみにMさんのみならず私も嫉妬してます!今度、撮影法をご教授いただきたく!)

Moss wreath & Moss brush made in Sweden

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Merry Christmas!

もとい、

Merry Christmoss!!  
 ↑(コケ好きの間ではこの時季はこの挨拶でいくことになってまして…ジーザス、お許しあれ。。。)

今日が終われば、いよいよ年も暮れ。

子どもの頃はこの時季は楽しいイベント目白押しで、大変ワクワクしたものだが、
大人になったいま、私の頭の中は毎日の「To Do List」でいっぱい…。

今年中には仕上げるはずだった企画書、原稿、年賀状・・・。

すでに来年に持ち越すことがほぼ確定の事項があれやこれやと出てきており、
毎日ため息をつかずにはいられないという状況である
(というか、待っていただいている方はこの状況を知ったらさらに深いため息をつかれるに違いあるまい。ごめんなさい)。


なお、前回・前々回の記事から熱烈宣伝させていただいております、コケ好きのためのカレンダー「苔暦2016」、
ありがたいことに多くの方からご注文をいただきまして、おかげさまでだいぶ在庫数が減ってきました。





在庫がなくなり次第終了となりますので、もしご興味のある方はお早めにご注文いただけるとありがたいです。
また、お振込がまだの方の分は取り置きしておりますので、ご都合のよい時にお振込をよろしくお願いします。

  ※「苔暦2016」の詳しいご注文方法は、こちらをご覧ください。


さて、年末の気忙しさはちょっと横に置いておいて(本当は置いておいちゃいかんのだが…)、
今日は最近手に入れたコケグッズを紹介させていただきたく。
というか、自慢させていただきたく!

そう、トップの写真、これを何だと思われただろうか?

ちょっとずつ引きで見てみると・・・











じゃじゃーん!





じつはこれ、コケでできたリースなのである。

直径は約30センチと大型。
色合的にもまさにクリスマスにぴったり。

このリースを手に入れることができたのは、
近所で生活雑貨店を営まれているAさんのおかげである。

Aさんは、持ち主が永く大切に使える、使いたい、と思える生活用品を
国内外問わず自分の目利きで探し出し、自分の気に入ったものだけを取り扱っておられるこだわりの女店主。

お店にはいつも他では手に入らないような食器類や花器、衣類などが(そのほとんどが手作りの大量生産できないもの)
センス良く並べられ、そのハイセンスな空間は訪れるたびに自然とため息がこぼれてしまう。

とはいえAさん自身は「カリスマバイヤー」「こだわり店主」でありながら、
そういった肩書きからイメージしがちな我の強さや押しの強さはなく、とても控えめな方で、
世界中に散らばっている個人の生産者が生み出す手作りの品を地道にコツコツと掘り起こす採掘者のようでありながら、
お客さんと商品の一期一会をそっと手助けする仲人さんのような雰囲気も醸し出している。

そんな物腰柔らかなAさんなので、普段からコケコケ言っている私にも大変親切で、
「コケがいいんですよ!」という私の胞子活動(という名のしつこいアピール)も決して聞き流すことなく、
いつも真剣に聞いてくださる貴重なお方なのである。

そのAさんが、この秋に北欧へ買い付けに行かれた際、
スウェーデンの民芸市でこのリースと出会ったとのこと。



▲なんと美しい編み目!



▲中心をクロスしているのは、乾燥させたベリーだろうか


作者は自らその市にブースを出して販売していた40~50代のスウェーデン人の女性で、
普段はテーブルコーディネーターの仕事をされているらしい。
このコケのリースの他にも植物で作った作品がいくつも並んでいたという。

それにしても素朴ながら、見る者をほっこりあたたかな気持ちにさせてくれるこのリース。

帰国後にAさんのお店に置いたところ、材料が何かは知らずに直感的に「ステキ!」と思う人が多かったそうで、
いろんな方に売ってほしいと言われたのだという。ふふ~ん、やっぱりねぇ! (←なぜか得意げ)
しかしながら今回は私が、いの一番に「買います!!」と手を挙げたとのことで、
この一点モノのリースを運よく手に入れることができたというわけである。


しかも!Aさんはリースだけでなくこんなものも買い付けてきてくださった。





こちらはコケのブラシ。作者は同じく前述のスウェーデン人女性だ。
先ほどのリースはスウェーデンの伝統的な民芸品か、はたまた作者の完全なオリジナルアイデアなのかわからないのだが、
こちらのコケのブラシは、暖炉の掃除用に昔からスウェーデンの民家で日常的に使われてきたそうだ。

ちなみに、Aさん、

「コケで作られていると思って買い付けてきたのですけど、本当にこれってコケですかね~!?」

と売ってくださる際に素朴な疑問。

たしかにあまりに立派な出来栄えで、本当にホンモノのコケなのかしらと疑ってしまう。
一見するに、スギゴケの仲間のように見えるのだが・・・。





そこで家に持ち帰ったあと、ブラシの毛の一本を切り取って水に浸してみた。
ホンモノのコケなら乾燥していても、水に浸せば元に戻るはず。






▲このとおり、乾燥でチリチリに縮れていた葉が水分を得てもとに戻った。セイタカスギゴケかウマスギゴケあたりに見える



▲せっかくなので、葉を1枚カットして顕微鏡で断面を見てみる



▲きちんとした同定はできていないのだが、特徴的な細胞の形態からも、スギゴケ科であることはまちがいなさそうだ


いずれにしても、コケの特徴をよく知っていないと作ることができないであろうこのリース。
作者はコケにどのような眼差しを向けてこられた方なのだろう。いつかお話ししてみたいなぁ。
そしてますます「世界のコケ文化」が気になるところである。






●おまけ
虫好きのクマGさんのブログ「未定」を「ブックマーク」に追加しました(当ブログの左欄)。
クマGさんは、もともとはコケ友Mさんのブログ「ムシメガネ」繋がりで、お互いの存在を知ったという仲(なのでまだ直接お会いしたことがないのです)。
コケにも興味を持ってくださり、苔暦をはじめ、コケTシャツの購入者かつ宣伝部長さんであります(といっても過言ではないくらいいつも応援してくださっている)

クマGさんの得意分野はガ、クモ、ザトウムシなど。
一般的には「うえぇぇ」となる人が多いであろう虫たちにスポットを当て、その形態や色の美しさ・緻密さを写真で丁寧に記録されています。
このブログを見て、私はかの虫たちの魅力に開眼したといっても過言ではありません。
掲載される写真は「これ、どうやって撮ったの?!」と思うものばかり。ひたすら虫を見守るあたたかな目線が伝わってくるよう。
さらに最近は時々コケも登場するので、いつかクマGさんとコケさんぽできたらなぁなんて個人的には思ったり。
更新頻度もすばらしいです。ぜひ一度ご覧になってみてださい。

 

Happy New Year 2016 !

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大変遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

こちらをのぞいてくださるコケ好き・コケに興味のある皆さま、
今年も気まぐれ更新となること間違いなしのこのブログですが、
引き続きこちらでコケの魅力や楽しみを皆様と分かち合えたらと思っております。
どうぞお付き合いのほどよろしくお願いします。


さて、新年最初のブログを書くに当たり、
年が明けてまだ気持ちも引き締まっているうちに
さっそく今年の所信表明などいたしたく!

    ※ごく個人的に記録として書き留めているものなので、時間のない方はどうぞ読み飛ばしてくださいマセ m(__)m

1.「今、目の前のこと」に全力投球
2.ご縁を大切に
3.語学力向上

具体的には、1については昨年に続き、家庭のこと、さらに今年は本職である本作りに注力して、
目の前にあること一つ一つに全力を出して日々を積み重ねていきたいと考えている。

2については、必要とされている場所、また自分が行きたい場所にはできる限り出向き、フットワークを軽く!

そして3については、日本語の文章力についてはもちろんのことながら、
学生時に楽しく英語を勉強していたことを思い出し、ちょっとでも英語力がアップすればなと。

というのも、なんと、このブログでさんざん宣伝しているコケカレンダー「苔暦2016」(おかげさまで在庫僅少!)に、
どういうルートでこのブログを探し当てられたのか、年末にアメリカ在住のコケ好きの女性から「1部欲しい」との注文がきたのだ!!

アメリカ人なのでもちろんメールは英語、こちらも辞書を引き引きつたない英語で返事を書いたのだが、
この年末年始は、何通かの短いメールのやり取りをするだけで大変苦戦した。

また、さらにさかのぼってクリスマスには「IGNITION」の掲載記事を読んでくださった方なのか、
カナダ人の女性から「私はコケ好きの日本人に興味がある!」とのメールが届くなど、と
にかくここ1か月、外国人からのメールで自分の語学力の足りなさを改めて思い知らされたわけである。

いやはや・・・インターネット社会、おそるべし!

そんなわけで、今回のブログのタイトルもさっそく英語にするなど、
海外からこのページをのぞいてくださるモノ好きさん(というか「コケ好きさん」か…)を
ちょっとばかし意識しつつ(笑)、英会話教室に通おうかと現在、本気で思案中である。

もう何年も前から、日本でコケを眺めてウハウハしている私やコケ友さんたちのように、
海外で同じくコケにウハウハしている人たちとコケの魅力や楽しさを分かち合えたら
さぞ楽しいだろうなぁと夢見ていたので、これはちょうどよい好機なのかもしれない。

そんなわけで今年の目標諸々、明文化もいたしましたので、精いっぱい邁進いたします。


さて、冒頭の写真は今年届いた「苔年賀」の数々である。

「苔年賀」とは読んで字のごとく、年賀状にどこかしらコケ仕様な工夫がされているもので、
コケ好き同士の大切な新年のコミュニケーションツールとなっている。

まったくコケ好きというのは、とてもマメな人、ユーモアのある人が多く、
世間では年々、年賀状の簡素化、出す人の減少化が進んでいるというのに、
コケ好きたちはそれに逆行するかのように、どの方の年賀状も大変な力の入れようである。

コケ友さんと苔年賀を交わすようになって早4、5年、
毎年届く苔年賀は、いまや欠かせない新年の大きな楽しみの一つである。

楽しみを受け取ってばかりじゃよくないと、
こちらも毎年、苔年賀をせっせと書いては出しているのだが、
皆さまのその魂のこもりように、あえなく連敗続き。

しかも、コケ好き以外の人にこのようなコケ色全開の年賀状を出すと、
けっこうな高確率で受け取ったほうは「はぁ!?」となるので、
苔年賀はコケ友に限り、それ以外の友人知人・仕事関係には
別刷りでフツーの年賀状も作って送らねばならない。

そんなわけで、ただでさえ忙しない年の瀬に、苔年賀を作るのはなかなかの手間なわけであるが、
それでも毎年コケ友さんたちの力作の苔年賀欲しさ、そして万が一こちらがフツーの年賀状にしてしまうと、
フツーの年賀状で返されてしまうのではないか!?という強迫観念(?!)から、
結局、年末が近づいてくると知らず知らずのうちに「今年は何ゴケを載せようか、どんなデザインにしようか」
ということで頭がいっぱいになったりしているのである。習慣とはおそるべきものである。

ちなみに余談だが、一方で、コケの研究者の方からいただく年賀状は、
コケとまったく関係ないものが多いのは面白いところだ。


さて、毎年心をわしづかみにされる苔年賀なのだが、その中でも今年、
とくにグッときた年賀状をご本人から許可を得たので、詳しく紹介したい。

それは関東在住のUさんから届いた苔年賀。





どうですか、このかわいさ!

手作りのコケはんこが押された年賀状。
見た瞬間、嬉しくて飛び上ってしまった。


ちなみにコケ好きさんなら、一つ一つのコケが何ゴケなのか気になるところでしょう!

ぜひ、何ゴケかちょっとイメージしてみてください。

いいですか?

答え合わせは下記にちょっと薄めのグレーの文字で載せておきますね。


(左上から時計回りに計12個)
・タマゴケ
・オオカサゴケ
・コツボゴケ
・ホウオウゴケの仲間
・イチョウウキゴケ
・ゼニゴケ
・カヅノゴケ
・クサリゴケの仲間
・ジンガサゴケ
・コツボゴケ
・サヤゴケ
・ナガバチヂレゴケ

いかがだったでしょうか?


ちなみに、コケはんこといえば昨秋の京都府立植物園で開催された「苔・こけ・コケ展2015」でも
オカモス関西のMさんが考案した「コケはんこ」のブースが老若男女問わず大人気だった。
子どもはもちろん、大人もハマるコケはんこ、これからなにげにブームの予感!?



▲10種類以上のコケのはんことさまざまな緑色のインクが用意されたブース。白紙に好きにはんこを押して無料で持ち帰ることができた



▲何ゴケか種類を当てるのも楽しいが、どんなインクで、どこにどのハンコを押そうか考えるだけでも単純に楽しい



▲会場で限定販売されていたコケ写真ポストカード(12枚入り)のケースも、コケはんこデザイン!


なお、わが家に届いた苔年賀は、こうして順番に飾って1月いっぱい満喫させていただきマス!



【コケ情報】1/31(日)まで。大橋弘写真展「みずから」@ヒトト 東京・吉祥寺

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吉祥寺駅から徒歩5分、古い雑居ビルの薄暗い階段を上ると・・・





・・・謎のメッセージ。

気になりますが、まずは矢印の方向に進みましょう。





はいはい。そちらを上るのですね?





温かな灯りに誘われるように、頭で考えるよりも先に私の右足は扉の向こうへ・・・




















あぁ、これは「コケの自然誌」の一節。私もこの本、大好きだ。





緑豊かな森に生えるコケや地衣類などに焦点を当てた写真作品が多い大橋弘さんの個展が
1月31日(日)まで、東京・吉祥寺の食堂「ヒトト」のギャラリーで開催されている。

コケ友Yさんのブログムクムクゴケ日記で案内されていたのを読み、とてつもなく心惹かれていたら、
ラッキーにも会期中に東京出張があり、先週、ギャラリーを訪れることができた。

コケに地衣類に粘菌、ちょっと暗めのトーンで切り取られたそれらは、
どれも静かな迫力があり、もしかしたらどこか遠い星の生命体なのでは?と
想像を膨らませる異質さがじわりじわりとにじみ出ている。

でもどこか、私たちをそっと優しく抱擁してくれそうな柔らかさも潜んでいて。

被写体の「本質」というような、なんとも言葉にするのが難しい類のものを、
じつに見事に写しとっている作品の数々だと、私には感じられた。



▲こちらは食堂「ヒトト」の入口ドア


なお、ギャラリー内の作品を堪能したら、ぜひ反対側の階段を上って、食堂「ヒトト」ものぞいてみてほしい。

そこにはまたステキな空間が・・・














なんと店内の一角には本物のコケとルーペ! 

このコケ好きにはたまらない演出に、まだお会いしたこともない大橋さんに勝手に親近感を覚えてしまう。

結局、お店で何の注文もせず、ただただ写真やコケを見て15分ほど居座ったのだが、
店員さんがとても親切で「全然かまいませんよ。ゆっくり見てください」とのこと。
さらにギャラリーや店内の風景写真をブログに掲載することにも快く承諾してくださった。



▲左:写真集(1000円)、右:DM(無料)

もちろん今回の展示写真が掲載された写真集も購入。
じつはこちらにも、心にくいサプライズが!
というのも購入時に店員さんが、

「写真集は、大橋さんが描かれたコケイラスト入りと、イラスト無しとがありますが、どちらがよろしいですか?」

と尋ねてくるではないか。

(えっ!イラスト入りなんてあるの?!)

と驚きつつ、やはり頭で考えるより先に口が、

「もちろんイラスト入りで!!」

と即答したのでありました(笑)。

手描きイラストは一冊ずつ描かれているイラストがちがい、
どれにしようかしばらく悩んだが、こちらに決めた。



▲写真集の裏表紙にはコケのイラスト。もちろんDMの裏表紙もコケコケしております


開催は1月31日(日)まで。今日を入れて会期終了まであとわずか3日。
お店が入っているビルの取り壊しに伴い、食堂「ヒトト」閉店前の最後の企画展だという。
開催時間は12時~22時まで。仕事帰りでも立ち寄りやすい時間帯までオープンしているのがなんともありがたい。

ご興味がある方は、ぜひこのチャンスをお見逃しなく。

なお、行けないという方でも、こちらの公式ホームページから作品をいくつか見ることができる。

思わずため息が漏れる美しい空間が広がっています。

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  【お知らせ&御礼】

コケ好きのためのカレンダー「苔暦2016」が、おかげさまで残部僅少、まさかの完売寸前です。

お恥ずかしながらカレンダーを作り始めて4年がたちますが、
毎度毎度、自転車操業的に製作費を捻出することが常だったもので、よもや完売寸前なんて・・・シンジラレナイ! 

こんなこと初めてで、はっきりいって動揺しております(ブルブル。。でも嬉しい)。

ご購入者の皆様は好きで買ってくださっているとは知りつつ、
買ってくださるおかげでこちらもまた次が作れます。本当にありがたいです。

品切れ次第販売終了となりますが、
1月いっぱいは受付けておりますので
ご興味のある方はお早めにお申し込みください。

  

べたべたマルダイゴケの・・・?!

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いやはやブログの更新をしないまま、今月もとっくに後半戦に突入。
じつは今月はじめから、

インフルエンザ
  ↓
ウイルス性胃腸炎
  ↓
治った数日後にウイルス性胃腸炎再発

と、流行り病にめった打ちにされて、
ブログの更新どころではなかったわけでありまして。
皆さまはご無事でお過ごしでしょうか。

さて、こちらに無造作に積まれた2冊の図鑑。




おや?なにか挟まっている?







あ!何かに誘われるようにハエが本の中に入りたがっている。なぜでしょう? 

ページをめくってみると・・・





マルダイゴケだ!
そうか、このコケの臭いに誘われていたのね。

さてさて、こちらはどうでしょう?





絵柄はやはりマルダイゴケ。








ページを開くと、やっぱりそこにはマルダイゴケ!
あぁ、伊沢正名さんの写真は何度見てもため息が出るほど美しい。

じつはこれ、コケ友のMさんより
「ちょっと遅くなったけどバレンタインにどうぞ」
と、いただいたギフト。

その名もずばり『べたべたマルダイゴケ付箋』という。





制作者はコケ研究者の片桐知之さん(マルダイゴケは蘚類だがご本人はもともと苔類がご専門)。
アイデアはもちろんのこと、この味わい深い絵も片桐さんが描かれたという。

マルダイゴケは、通称「糞ゴケ」と呼ばれ、
その名の通り動物の糞や死骸の上にのみ生えるという
コケの中でもとっても珍しい特徴を持つ高山性のコケ。
さらに胞子はハエによって運ばれるというのも大きな特徴だ。

残念ながら私はこのコケにまだ図鑑と標本でしかお目にかかったことがないのだが、
図鑑を見ているだけでもコケとは思えぬ色合いの妖艶な容姿の胞子体に、
すでに心中はマルダイゴケにたかるハエのごとし…。

一生のうちいつかは肉眼で胞子体付きの新鮮な群落を
拝んでみたいというのがひそかな夢である。


さて、そんなマルダイゴケでなぜ付箋なの?

その答えはパッケージの裏にあった!



▲付箋と一緒にマルダイゴケの解説がつけられている


その内容を要約するに、

コケの胞子は通常、風にのって遠くに運ばれるが、
マルダイゴケの胞子はハエが好む特有の臭いを発してハエを呼び寄せ、
そして自らを新しい糞(住居)に運んでもらうために、
ベタベタと、ハエの身体にくっつきやすいようにできている。

なるほど、「ベタベタ、くっつく」から付箋なのね! 
こりゃ1本取られましたっ。

後日、ブログに掲載許可をいただくべくMさんを通じて片桐さんに連絡を取ったところ、
氏いわく、

「コケの種類に関わる仕事をしていますので
 一種一種の個性が出るようなグッズを作ろうと思って制作しました」

とのこと。

いやー、とても真面目に答えていらっしゃいますけど、
コケを愛し、また楽しんでないと、こういう柔軟な発想はなかなか出てこないのではないだろうか。
片桐さんの遊び心に万歳!

なお、このマルダイゴケ付箋は現在、
服部植物研究所(宮崎県日南市)にて販売中とのこと。

服部植物研究所はもともとはコケ研究者のための施設だが、
何年か前から一般向けにも公開され、開館時間内なら誰でも無料で見学ができる。



コケにまつわる貴重な資料や、複数のコケグッズが販売されていることから、
自分の周りのコケ好きのあいだでは、服部植物研究所は「生きているうちに一度は訪れたい憧れの場所」。
最近、ブログも開設され、私なんぞはなかなか現地に行けないぶん、
時々そこをのぞかせてもらっては、コケや、コケを研究中の子供たちの姿に癒されている。



▲レトロな雰囲気の建物は建築マニアにもたまらないことうけあいだ



さてさて、話は戻るがMさんへのホワイトデーのお返し、なにがいいかな。
『べたべたマルダイゴケ付箋』のようなサプライズプレゼントはなかなかレベルが高いぞ。

時間はまだある。ここはじっくり考えよう。
チョコレートをもらった男子の気分が少しわかったような気がしたのでありました。

【コケ情報】春に先立ち北海道、東京、石川県でコケイベント

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▲胞子体が伸び始めたジャゴケ(2016年3月 京都にてスマホで撮影)


梅も咲き(早いところでは桜も!)、いよいよ春らしくなってきた。
昨日は岡山コケの会関西支部のコケ観察会で京都へ。
トップ写真のジャゴケの胞子体(通称:きのこの山)をはじめ、
新芽や胞子体を出し始めたコケたちに出会うことができホクホク気分である。
これについてはまた改めてレポートしたいと思う。

さて今日は、今月各地でコケイベントが行われるとの情報が耳に入ったので、
コケに興味のある方に向けてご案内したい。

どのイベントも本当は自ら参加したいところはやまやまなのだが、
残念ながら関西にいる私はどのイベントにもいまのところ参加できそうにない・・・(くぅっ!)。

お近くの方、コケが気になる方、ぜひ各イベントに足を運んでみてはいかがでしょう。


【北海道】サイエンスカフェ@苫小牧「きれいなコケは、すきですか」(@苫小牧市美術博物館)
・日時:3月26日(土)14:00~16:00
・講師:大石善隆氏(北海道大学苫小牧研究林 博士研究員)
・対象:中学生~大学生を中心に、一般の皆様にもご参加いただけます
・定員:50名
・参加費:無料
・申し込み・お問い合わせ:苫小牧市美術博物館 電話0144-35-2550 
 
 ☆詳しい内容は苫小牧市美術館のHP

 ※「苔三昧 モコモコ・うるうる・寺めぐり」の著者である大石さんの講演です。


【東京】特別開催サイエンスカフェ「南極の極限環境に生命を探す!」(@JR立川駅最寄、アレアレア2・6階ホール)
・日時:2016年3月12日(土) 13:00~15:00 ←開催間近です!
・講師:伊村智氏(国立極地研究所 生物圏研究グループ教授)
・定員:先着65名
・参加費:3500円(入船茶屋の懐石弁当・飲み物付き)
・申込み:事前申込制(ホームページの「申込フォーム」からの申込み)

 ☆詳しい内容は国立極地研究所のホームページ

 ※南極に息づく生命がテーマということで、もちろんコケのお話も出るとのこと。
  懐石料理に舌鼓を打ちながら南極のコケについてのお話が聞ける、語り合える…なんて贅沢な土曜日なんだっ!


【石川県】苔の里の苔庭清掃活動メンバー募集!(@小松市日用町・叡智の杜)
・日時:3月26日(土)9:00~12:00(小雨決行。雨天時は中止)
・内容:苔の里の清掃など景観維持活動。
・対象:子供から大人までどなたでも。
・申込先:日用苔の里整備推進協議会 メールhiyou.koke(at)gmail.com まで
   ・(at) は @ に置き換えて下さい.  
   ・保険加入のため、氏名・住所・電話番号を明記ください
 ※申し込み締め切り/原則3月19日まで

 ☆詳しい内容は叡智の杜のホームページ
 
 ※苔の里(里山)の美しい景観や文化の維持・継承と生物多様性の保全を目的とするボランティア活動とのこと。
  フェイスブックでその活動内容が更新されるたびに、自分もこれに一度は参加したい!と思い続けている。次回は行きたいなぁ。


Bar Mousse in Kyoto

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先月のこと、夫が「京都マラソン」に出ることになり、その応援という“名目”で京都へ。

というのも会社員時代から付き合いのある仕事のクライアントからのタレコミで
「コケ好きならぜひ行った方がいい!」と猛プッシュされた場所があり、
今回の京都行きはそちらを訪ねることが“本命”なのだった。

場所は祇園。そこには日が暮れてから訪ねるのがよいという。

そこで祇園にほど近い八坂神社のそばに宿をとり、まずは宿の夕食を食べて腹ごしらえ。
お腹いっぱいになって少しお腹が落ち着いてから出かけようと、しばらくぼーっとしていたら、
女中さんが夕食の片付けついでにささっと布団を敷いてくれる。

(あぁ、普段の家事から解放されて、人に布団まで敷いてもらって、なんとありがたいことよ)

気持ちもすっかりくつろいで、思わず畳に足を投げ出した。


そこそこ疲れていたのだろうか。

目を開けると私はしっかり布団にくるまっており、
はたと気づいてスマホの時計を見ると時刻は午前1時。

(・・・・い!? い、いちじ!!!)

日が暮れたらどころの騒ぎじゃない、とっくに夜も更けているではないか!

びっくりしてビーチフラッグの選手張りに飛び起き、
家族が熟睡しているのを横目でちらっと確認し、
大急ぎで身だしなみを整えて部屋を出る。

なんせ1時なので館内は水を打ったように静まりかえっている。ロビーにももちろん誰もいない。
しかし祇園のそばという土地柄もあってか、玄関は開いたままになっていた。

(ホッ!)

八坂神社を通り過ぎ、事前に仕入れていた住所を見ながら夜の祇園をずんずん歩く。
ここからそう遠い場所ではないはず。歩いてせいぜい5~10分圏内だろう。

がしかし、スマホで地図を見るともうすぐ近くのはずなのだが、なかなかたどり着かない。

15分ほどぐるぐるといくつかの小路を行きつ戻りつしていたが、慣れない場所の夜道も怖く、もうギブアップ。
電話をかけて、コケ好きを虜にするというその場所の住人の方から迎えを出してもらったのだった。






さて、ここまで読んで今回のタイトルを記憶されている方は、もうそこがどこなのか察しがついていることだろう。
そう、階段を上ってその店の扉を開けるとそこには、聞きしに勝るコケ好き(かつ、お酒好きならなおさら!)にはたまらない魅惑の世界が広がっていた。



▲一見さんでは絶対見つけられないであろう路地を入ると、やっとお店の看板が!
 軒先には杉玉ならぬシダの一種ヒカゲノカズラでできた「歯朶玉」が吊るされていた



▲さぁ、階段を上ります。上がった先には魅惑の世界の扉が・・・


その店の名は「Bar Mousse」。
Mousse(ムース)はフランス語で「コケ」のこと。

扉を開けると、すぐ足もとに、お店のロゴが描かれたモザイクタイルがお出迎え。
一つのマークのように見えて、じつは、m、o、u、s、s、eの文字がひそんでいるのがおわかりだろうか。







▲一枚板のバーカウンターが印象的な店内。しかし、よく見るとコケ好きが食いつかずにはいられないあれやこれやが・・・
 


▲その1:壁面のコケテラリウム。木箱の中には本物のコケが生育中。カウンター越しに見るとまるで絵画のよう
 その2:コケテラリウムの下にもご注目。お酒のボトルと引けを取らない存在感で店主が集められたコケにまつわる書物が所狭しと並ぶ
 (ちなみに店主はコケ好きであり寺社仏閣好きでもあるそう)



▲その3:カウンターのコーナーには迫力のあるフラワーアレンジメント
     

じつは今回、私がこの日に訪問するということでコケをイメージしたアレンジにしてくださったそう。なんたるこまやかなお心遣いだろうか(涙)
丸っこいのがいたり、つんつん伸びているのがいたり、くねくね乾燥状態のがいたりと、
コケはいっさい使われていないのに、コケ好きが見るとコケに見えてしまうという不思議!
     


▲その4:コケテラリウム式ランプ

落ち着いた隠れ家のような店内の雰囲気に一役買っていたのはこちらのランプたち。
なかにはもちろん本物の生きたコケと木が植わっている。コケを透過した光は薄緑色で優しく辺りを照らしていた。







▲その5:飾り棚の壁にかけられた絞り染めの苔額



▲コケの群落を絞り染めで表現したという額縁。和の都・京都という土地柄ならではだなぁと感じさせる。
 店主のお知り合いが開店祝いに手作りしてくださったという



▲カクテルを作っている最中の店主Mさん。バーテンダー一筋で東京や京都で修業を重ねられ、2014年に京都・祇園にBar Mousseをオープン。
 (※ちなみに先の写真の男性は、アルバイトの方です)


女性、歳が近い(私よりもう少しお若いです!)、そしてコケ好きということで、
これだけ条件が合えば意気投合しないわけがないという私たち。

スタートがそもそも深夜1時過ぎと遅かったこともあり(ひとえに私のせいなのですが…)、
店内のコケグッズを紹介していただいたり、お互いのコケ歴を話しているうちに、
気づけば腕時計の針は閉店時間15分前の2時45分をさしていた。あぁそろそろ帰らねば。

しかし! そこにタイミングよく常連のお客さんがふらりと入ってこられたため、ゆるりと時間延長。
(私はひそかにテーブルの下で「常連さん、ナイスタイミング!」と小さくガッツポーズをした)

常連さんが帰られた後は特別にカウンターの内側に入れてもらい、テラリウムのコケをルーペで覗き見たり、
コケ栽培の楽しみやご苦労話などもうかがって、結局、お店を出たのは4時半ごろだっただろうか。

Mさんとアルバイトの方のにこやかな笑顔に見送られ、日が昇る前に店をあとにしたのだった。
(しかし今じっくり思い返してみれば、もしかしたらアルバイトの方の笑顔は
 「コケの話だけでこんなに何時間も盛り上がれるとは・・・」という呆れ笑いだったのかも)


それにしても、これまでコケの豊富な山林やお寺の苔庭を目当に京都を訪れたことは幾度もあったが、
このようなコケの魅力がひしひしと伝わってくるセンスのよいバーがあるなんて知らなかった。
今後はこちらBar Mousseも、京都に来たら立ち寄るべき重要コケスポットとして新たに記憶しておかねばなるまい。

日ごろから「コケが好き」ということをコケ好きに限らず周囲にアピールし続けていると、
思わぬところから良い情報をいただけるものだなぁと実感したのだった。

なおBar Mousseにはもう一か所、とんでもないコケむす空間がある。
今回はすでに長い文章になってしまったので、その話についてはまた次回でふれたいと思う。


:::Bar Mousse:::

所在地  〒605-0084 京都府 京都市東山区清本町375花見末吉西入 末吉一番路地東側二階
営業時間 月~金:19:00~3:00 土・日:17:00~3:00
定休日  木曜日
電話   075-525-6688

※おそらく祇園にとても詳しい方以外は辿り着けないと思うので、
 近くまで来たらお店に電話をされることをおすすめします。
 お店の方が、迎えに来てくださいます。


Bar Mousse's recommended place

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さて今回は、前回の記事で書ききれなかったBar Mousseの一押しの場所についてである。

じつはここが店内でももっともコケコケしていて、かつコケ好きがコケと気兼ねなく触れ合える空間といっても過言ではない。
自分も興奮のあまり激写しすぎて載せたい画像が多くなってしまったため、記事を2回に分けざるを得なくなったというわけだ。


さぁ、覚悟してください。


いきますよ。


その場所は、コチラ!


じゃじゃん!!





これはどこかと申しますと・・・・





こういう場所でゴザイマス(^^)





どうですか、このこんもり具合!(うっかり夢中で激写している筆者も鏡に映ってしまっているのがジャマですがご勘弁を…)











ホソバオキナゴケにハイゴケ、シッポゴケの仲間、タマゴケなど、
限られた空間にみっちりといろんな種類のコケがひしめきあって、
しかも胞子体がちゃんと出て、健康に育っている姿はルーペで見ると圧巻。
ここがお手洗いだなんて本当にシンジラレナイ・・・。

どうしたらこのような場所でこんなふうに元気にコケが育つのだろう!?

店主Mさんにお尋ねしたところ、このように元気にコケが育つまで、
オープン当時からかなり試行錯誤されたとのこと。

その結果、

・土台部分を色々な素材で試したが、土で育てるといちばんコケの調子がよい
・さらに土壌を豊かにするためにミミズを投入したところ、コケは根がないはずだが、ミミズ投入前よりコケが元気になった
・蛍光灯の灯りだけではうまく育たないので、閉店後は植物育成専用ライトで照らしている

などの育成方法にたどり着き、ようやく最近コケが元気に定着してきたという。

それにしてもミミズを投入って・・・コケのためにここまでするなんて。
面白い発想だなぁと私は思わず感心したが、おそらくコケ好き以外の理解は得難いのではあるまいか。

どうやらMさん以外のアルバイトさんたちは筋金入りのコケ好きというわけではなさそうだし、
Mさんがコケのためにあれやこれや手を尽くす様子を「また店長がコケのことで何かやってるわ・・・」と
遠巻きに見ているのがたやすく想像できてしまった。



▲Mさんが「コケの下はこうなってます」とコケをめくって見せてくれた


さて、私がそんな余計なお世話な想像を膨らませているともつゆ知らず、
Mさんはこの空間でのコケとの正しいふれあい方についても教えてくださった。

それは・・・




▲1.用を足して手を洗う



▲2.蛇口を締める(ここまではフツー)



▲3.紙で手をふかず、濡れたままの状態で・・・



▲ぱっ!



▲もいっちょ



▲ぱっぱっ!


こうして手についた水を散らすことで手を拭く紙の無駄使いが減り、ついでにコケにも潤いを与えることができるという。
ひゃー、これは面白いっ!

さらにじっくりコケと触れ合いたいという方は、マイルーペのご持参を。
ただしあまり長時間こもりすぎると用を足したい他のお客様のご迷惑になりますゆえ、ほどほどでお願いいたしマス!



▲洗面台以外にもコケが。苔暦も使ってくださっていて嬉しかった


コケというものは、道を歩けば必ず誰もの視界に入っているはずなのだが、
「コケと出会いたい」という気持ちがそこにないと、まったくといってよいほど記憶に残らない。

しかし逆に言えば、コケに目線を合わせる気持ちがある者だけにそっとその美しさを披露する。

華やかな店が、ひしめきあうように軒を連ねる繁華街・祇園のなかで、
あえて看板も出さず迷路のような路地にひっそりとたたずむBar Mousseは、まさにコケのような存在だ。

時が経つのを忘れてしまうほど居心地のよい店内に後ろ髪をひかれつつ、
もうすぐ夜が明ける祇園の道を歩きながらそう思ったのだった。


:::Bar Mousse:::

所在地  〒605-0084 京都府 京都市東山区清本町375花見末吉西入 末吉一番路地東側二階
営業時間 月~金:19:00~3:00 土・日:17:00~3:00
定休日  木曜日
電話   075-525-6688

※おそらく祇園にとても詳しい方以外は辿り着けないと思うので、
 近くまで来たらお店に電話をされることをおすすめします。
 お店の方が、迎えに来てくださいます。

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【お知らせ】

現在発売中の「anan」(マガジンハウス)の「運命の出会い。」という特集の中で、
ちょっと変わった趣味に没頭する8人の女性が取り上げられているのですが、
その中の一人として「コケが大好き」ということで取材を受け、記事にしていただきました。

1/2ページの小さな記事ですがよかったら本屋さんでのぞいてみてくださいマセ。





【お知らせ】4/23(土)東京「はじめてのコケ観察会」、4/29(金祝)~5/5(木祝)「KOBEコケ展」

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すっかり暖かくなって桜の開花も始まり、お花見の計画を立てている人も多い今日この頃。
一方、ここ最近の私は、週に一度はよく振ったコーラのように勢いよく家を飛び出し、
早朝から日帰りでAKM48(私が勝手に呼んでいる三重県の「赤目四十八滝」の略称)へコケ観察に出かけている。
なんといったって苔類(たいるい)の胞子体たちを見るのは、この時季しかないのだ!
じつは今日もこれから見に行く予定にしている。


さて、そんな飛び出す前のコーラ状態で(どんな状態だ!)、
今日は関東と関西で行われるコケイベントについての告知です。


ひとつは東京都葛飾区の水元かわせみの里(通称:水元公園。かなり広大な公園です)からお声がかかりまして、
こちらの一角で「はじめてのコケ観察会」という、その名の通り超初心者向けの座学と観察会をさせていただきます。

そしてもう一つは兵庫県神戸市にある神戸市立森林植物園にて「KOBEコケ展」が今年初めて開催されます。
こちらは植物園から岡山コケの会関西支部(通称:オカモス関西)に依頼が来て、園とオカモス関西の共催イベントになります。
GW期間中に常設の企画展示、さらに人と自然の博物館の秋山弘之さんによる野外観察会をはじめ、テラリウム作りやコケグッズ販売、
富山市科学博物館からお借りしたユニークなコケ展示セットなど、盛りだくさんの内容です(私はその隙間でちらっとトークショーのようなものをやります)。


両イベントととも参加費は無料(KOBEコケ展は入園料・駐車料が必要、またテラリウム作りは材料費が必要)ですが、
事前申込制ですので、ご興味のある方はぜひお申し込みの上、足をお運びくださいませ。


【東京】

「自然学習講座 はじめてのコケ観察会」  ←2016.4.3 おかげさまで定員に達しました。現在「キャンセル待ち」のみ受付けを行っています。
 道路の脇道など身近な場所で見られるコケの生態について解説します。

・場所:水元かわせみの里(水元公園)
・日時:4月23日(土)午前10時~正午(雨天決行)
・定員:小学5年生以上の方20人
・講師:藤井久子
・持ち物:ルーペ、図鑑、カメラ(いずれもお持ちの方)
・申し込み方法:3月27日(日)午前9時から電話で(先着順)。水元かわせみの里(水元公園8‐3)電話03(3627)5201 公園課


【神戸】

「KOBEコケ展」

・場所:神戸市立森林植物園(森林展示館2階)
・日時:4月29日(金祝)~5月5日(木祝)、9時 ~17時(入園は16時30分まで) ※最終日は16時終了
・入場料:無料(ただし、入園料・駐車料必要)
・共催:(公財)神戸市公園緑化協会、岡山コケの会(オカモス関西)

 ※詳しくは、神戸市立森林植物園のホームページへ→

--以下、私のトークショー情報です--------------------------------------------------------------------

「コケ講習会 コケは友達」
コケのいろはを学んで、知られざるコケのおもしろさを知る、座学の入門講座です。
・日時:4月29日(金祝)13時30分~15時
・講師:藤井久子
・場所:森林展示館2階 研修室(受付:森林展示館窓口)
・定員:40人    
・参加費:無料(ただし、入園料・駐車料必要)
・申込み:インターネットかFAXで事前申込みが必要
 ☆森林植物園ホームページのイベント申し込みフォーム
 ☆FAX番号:078-594-2324

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取り急ぎの更新ですが(もう時間的にコーラ噴出寸前です…)、
「KOBEコケ展」についてはまた他のイベントの詳細についてものちほどこちらにアップいたします!

では、今日もみなさま良い一日を!


▲先週に撮影したAKM48のクモノスゴケ。胞子体がぐんぐんと成長中!


【コケ情報】4月29日(金祝)~5月5日(木祝) 「KOBEコケ展」の続報

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      ▲主催:神戸市立森林植物園、共催:(公財)神戸市公園緑化協会、岡山コケの会(オカモス関西)


このゴールデンウィークに神戸市立森林植物園で開催される
「KOBEコケ展」のポスター(上記)が先日届いたので、
改めて今回のイベント内容の詳しいお知らせをさせていただきます。

   「KOBEコケ展」

・場所:神戸市立森林植物園(森林展示館2階)
・日時:4月29日(金祝)~5月5日(木祝)、9時 ~17時(入園は16時30分まで) ※最終日は16時終了
・入場料:無料(ただし、入園料・駐車料必要)
・共催:(公財)神戸市公園緑化協会、岡山コケの会(オカモス関西)

::::::::::4月29日(金祝)::::::::::

イベント1「コケ観察会」
秋山弘之さんの案内で森林植物園内のコケを観察するフィールドワークです。

・時間:10時30分~12時
・講師:兵庫県立人と自然の博物館 秋山弘之先生 
・場所:園内(受付:森林展示館窓口) 
・定員:30名    
・参加費:無料(ただし、入園料・駐車料必要)
・申込み:事前申込み制


イベント2「コケ講習会 コケは友達」
コケの魅力や楽しみ方のコツ、コケよもやま話などを座学で。
コケにちょっと興味があるという初心者の方、気軽にお越しくださいませ。

・時間:13時30分~15時
・講師:藤井久子(著書『コケはともだち』リトルモア発行)
・場所:森林展示館2階 研修室(受付:森林展示館窓口)
・定員:40名    
・参加費:無料(ただし、入園料・駐車料必要)
・申込み:事前申込み制


::::::::::5月1日(日)::::::::::

イベント「コケと遊ぼう~テラリウム作り~」
ガラスの中で輝く小さなコケの世界。1日2回開催です。

・時間:午前の部・10時30分~12時/午後の部・13時30分~15時
・講師:泉原一弥先生(地球温暖化防止活動推進員・やぁね、こけちゃっカー(屋根苔着車)製作者)
・受付場所:森林展示館2階 研修室 
・定員:各20名    
・参加費:1000円/1名1個(別途入園料・駐車料必要)
・申込み:事前申込み制


::::::::::5月3日(火祝)::::::::::

コケイベント「コケ講習会 コケ植物の魅力」
秋山弘之さんがコケ植物の魅力についてお話されます。

・時間:13時30分~15時
・講師:兵庫県立人と自然の博物館 秋山弘之先生 
・場所:森林展示館2階 研修室(受付:森林展示館窓口)
・定員:40名    
・参加費:無料(ただし、入園料・駐車料必要)
・申込み:事前申込み制


::::::::::5月4日(水・祝)&5月5日(木・祝)::::::::::

イベント「コケ観察会」
オカモス関西のベテラン会員が皆さまをコケの世界へと誘います!

・時間:両日とも13時45分~15時15分
・講師:岡山コケの会(オカモス関西)スタッフ
・場所:園内(受付:森林展示館窓口) 
・定員:30名    
・参加費:無料(ただし、入園料・駐車料必要)
・申込み:事前申込み制

※イベント一覧は植物園のホームページでも紹介中です。
※すべてのイベントは事前申込制です。こちらのホームページから、もしくは植物園へFAX(078-594-2324)にて予約をお願いします。


もちろん期間中は森林展示館2階で常設展示もやっています。
ざっくりですが、

・神戸で見られるコケ写真
・新しいコケ園芸!モスライトの展示
・見て触って楽しめる苔ぐるみが登場
・コケをルーペで観察しよう!
・コケスタンプ押し放題!
・コケグッズ販売(4/29, 5/1, 5/3, 5/4, 5/5のみ)

こんな内容を企画中。

なお、先日、打ち合わせの際にスタッフたちで盛り上がったのはこちら。
富山市科学博物館からお借りしたコケの「移動ミニ博物館」の一部で、
まるでコケを解剖しているような感覚に浸れるという代物「コケぐるみ」だ。

同博物館の学芸員でありコケの研究者のSさんが作られたということなのだが、
ひとつひとつのパーツが手作りで、ハンドメイドらしいほっこりする作風ながら、見れば見るほど非常に精巧にできている。
コケになみなみならぬ愛情がないとできないよね~と一同思わず感嘆のため息。
会場にお越しいただいた際は、ぜひお手に取ってみてほしい。



▲胞子体セット。左は蘚類、右は苔類。コケのつくりが触ってわかるコケぐるみです



▲コケの家マット。コケの葉っぱをめくると・・・



▲パッ!コケの中にひそむクマムシが登場!


ではでは、皆さまのお越しをお待ちしております!



●おまけ

ここ1か月、ほぼ1週間に1回は通っているAKM48(赤目四十八滝・三重県)のコマチゴケ。
この姫たちのがニューッと伸びるを見るために通い続けているといっても過言ではないのだが、
1か月たってもなかなか伸びてくれない。姫たちにじらされまくっている今日この頃である。


▲ここ1か月毎週見ているが、1週間に胞子体の伸びは数ミリ程度。定点観察しているとそのコケの細かなことがわかってじつに面白い

詳しいレポートはまた後日に。

このほかにも手元に届いた新しいコケの本、Bar Mooseに続くちょっと変わった京都のコケスポットなど、
書きたいトピックはいっぱいなのだが、なんやかやと小忙しくてなかなかブログの更新が追い付かず。
しかしどれも記しておきたい、お伝えしたいことばかりなのでゆっくりでも必ず書きたいと思っている。

コケ目線的「この本がすごい!」 Part1:『コケもす日記』

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熊本を中心とする九州地方で発生した地震の情報に触れるたびに、胸が痛む。

2階建ての1階部分が倒壊してなくなってしまったアパートや民家、あそこに住んでいた人はどうなったのだろう。
救援物資はまだ届かない、かといってスーパーやコンビニへ行っても何も残っていない。何も買えない。お金の意味ってなんなんだろう。

水が出ないので身体に入れる水分は買い置きしてあった果物からとってしのいだこと。
電気が復旧するまで照明代わりに食卓には常にろうそくを置き、移動時だけ懐中電灯を使っていたこと。

余震はまだくるのだろうか。いつ、どんな規模でくるのだろうか。

毎日普通にくると思っていた「明日」は、本来は何ひとつ保障されていないものなのだと
非常時にさらされて初めて知り、ただただとてつもなく不安だった。

そんなふうに。

今回の地震のニュースを見聞きするたびに、自分が経験した阪神淡路大震災の時の思い出が、
もう21年以上も前のことなのにいまだに鮮明に蘇ってくる。


まだ今後1週間ほど余震は続くという。

被災中の方がこのブログをご覧になることはなかなかないと思いますが、
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りしますとともに、被災された方へ心よりお見舞い申し上げます。
どうぞお気をつけて。今日もなんとか生きていてください。

そして、被災されていない皆さまも。

日本には2000以上もあるという活断層、もはや大きな地震は全国どこででも起こり得ること。
それどころかエクアドルでも熊本の数日後に大地震があり、いまや地震は世界中どこでもだ。
さしでがましいようですが、被災経験のある自分がとりあえず言っておきたいのはこの5つ。

1.寝室には背の高い家具を置かないこと。
2.水・保存食は必ず家族分、3日分は用意しておくこと。
3.お風呂の水は常に貯めておくこと(トイレ用の水流し用に。非常時にこれがあるとものすごく救われます!)。
4.枕元に懐中電灯と靴(スリッパでも)を用意しておく(ガラスが割れると歩けなくなるので)。
5.家族と連絡が取れなくても、いざという時の集合場所を決めて普段から事あるごとに確認しておくこと。

これからも地震が起こるのは仕方のないことだが、被害は最小限に抑えられますように。

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さて、先月ものすごいコケの本(マンガ)が届いた。

その名も『コケもす日記』(加藤宝積著、\1,000+送料)。





コケに目覚めた少年・サク太郎くんが博物館学芸員の木毛(もくげ)さんと出会い、
次第にコケの魅力にはまっていくという、一点の曇りもない、ド直球のコケ漫画なのである。





木毛さんにコケモンカードを授けられ、日本中のコケと出会いたい!と夢を抱くようになったサク太郎君。
近所を歩くうちにどんどんコケアンテナが鍛えられ、あっちこっちでコケを見つけてはルーペで見入り、ついにはミクロの森へ迷い込む。






果たしてそこに広がっていた世界は・・・







この漫画の何がすごいって、まずこの画力である。
コケを知る者も知らぬ者も思わず息をのむほどの美しさと緻密さだ。
物言わぬ小さなコケが、まるで踊り出しそうなほどにイキイキと、一コマ一コマが生命力にあふれている。





また本を手に取ってよくよく見てみると、細部にわたって作者のこだわりが散りばめられているのにも気づくだろう。



▲表紙。サク太郎くんのバッグにはルーペモチーフのコケグッズやコケモチーフのバッジが!



▲表紙をめくった先の遊び紙は、すりガラスのような紙にゼニゴケがデザイン。コケがこんなにおしゃれでいいのかと言いたくなるくらい洒落ている。



▲本が送られてきた際の封筒。ここにもまさかのゼニゴケが!


じつは著者の加藤さんと私は3年ほど前に知り合い、北海道で一度、キノコ写真家の新井文彦さんも一緒に3人でコケ・キノコ観察をした仲。
すでに出会った時にはこの漫画の制作に取りかかられていたから、3~4年越しで完成した大作である。

でも、そもそもなぜこのような漫画を作られようと思ったのか?

加藤さんにメールでお尋ねしてみたところ、

 「科博(国立科学博物館)の『コケモンカード』(当ブログの以前の記事をご参照)の存在を知った時に、パロディマンガにしたらどうだろうと思いついたのですが、
  自分はまだコケの事をよく知らないので、勉強しながら描いていける学習マンガ的な体にしたらよいのではないかと思いました」

とのこと。なるほど、サク太郎くんは加藤さんの分身的な存在ともいえるのかもしれない。

では制作中で大変だったことは?

 「やはり小さなコケを描くのが大変で、なかなか向き合えず時間がかかりました」

でしょうね~!こんだけ緻密に描くのは並大抵の気力と体力ではやりきれますまい!
ていうか、加藤さん、いくらコケが好きだからって凝りすぎですよ!(笑)

あれ? でもちょっと待って。





表紙に「1」とあるのだから、今後は「2」が出るってことですよね?!(やった!)
とはいえ、このクオリティーを保っていくにはまた莫大なエネルギーが・・・。
あぁ、、でも続きをとっても楽しみにしている一読者として声を大にして言わせてください。

ここはどうかひとつ、次は3、4年後ではなくもう少し早めにお願いいたします!m(__)m


▲さらにはこのようなカードもおまけでつけてくれるシマツ(コケモンカードもあるし!)。
 どこまで至れり尽くせり、どこまで凝り性なお人なんや、加藤さん!


最後にそんな『コケもす日記』の入手方法のご紹介をば。
通常は加藤さんのホームページにあるネットショップから手に入れることができますが、
近々の予定ではイベントでの販売もあるとのことです。


::::::::::::::『コケもす日記』のお問い合わせ・購入方法:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

●加藤さんのホームページ→  Café de Forêt + 知床幻氷観測部
●ネットショップ→ 
●イベント
 ・4/29~5/5「KOBEコケ展」(兵庫県神戸市)の物販コーナーにて販売。
 ・7/23,24(土日)の「博物ふぇすてぃばる!」(東京都九段下)にも出展。

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