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岡山コケの会 秋のコケ観察会 その1

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▲不思議なかたち・・・の苔類です。(2013年11月東京都・御岳)


少し前の話になるが11月10日、
岡山コケの会 関東支部のコケ観察会で、
御嶽(東京都青梅市)に行ってきた。

講師は「野外で蘚類の同定をさせたら右に出るものはいない」と
コケ研究者の皆さんが口をそろえておっしゃるKさん。

そのお噂どおり、Kさんの案内のおかげで、
久々にかなりディープなコケワールドへ足を踏み入れることができた。

もともと自分は以前、同地をコケを見に訪れたことがあったのだが、
「見える人」と一緒に歩くと、目の前に立ち上がってくるコケ世界が
こんなにも違ってくるのか!!と愕然とする。 

いや〜、よい勉強になりました。




▲まずは参加者それぞれに気になる場所をチェック。


複数でのコケ観察が面白いのは、
「あ、これもコケ?」「このコケなんだろう?」と
自然とあちらこちらから?コケ見っけ!?の声が挙がることだ。

なんせコケ観察者の歩みときたらめっぽう遅い。

小一時間たつのに気づけば数メートルしか
進んでなかったなどということはざらである。

こうして参加者が好きな場所に散ってコケを見ることが
結果、手分けしてコケを探すようなものなのだ。

うーん、なんかいいねこの風景・・・
なんてしみじみ思いながら皆さんの観察姿を眺めていたら、

「これってコケですよね?」

と参加者のお一人から声をかけられる。

どれどれ?!と向かってみると・・・・



▲なんちゅう変わった形!なんやこれー!!

さっそく手持ちの図鑑で調べてみたところ、おそらく「ツボゼニゴケ」のようだ。
そして黒いデメキンの目ように見える部分は、胞子がたくさん詰め込まれている袋「?(サク)」だ。

ちなみにツボゼニゴケは「ゼニゴケ亜綱のジンガサゴケ科」に属するグループなのだが、
このタイプのコケでこんなに柄の短い子を見たのは自分は初めてのことだった。



▲生育していたのはこのような日陰がちな石垣。



▲近づいてみると、石垣と石垣の隙間の湿った土の上に群落を広げていた



▲あらら、デメキンちゃんだけかと思っていたら、3つ?(サク)をつけている子も。




なんというか、このちっちゃい体でよくもまぁ
こんな大きな?(サク)をつけているもんだと思うと、
なんだかいじらしくなってくる。

一方で、こんなからだに釣り合わない大きな?(サク)を欲張ってつけるから、
柄が短くなってしまったのでは…と想像すると、なんとも不器用なやっちゃなぁとも思えて笑える。


ちなみに帰宅後あらためて「日本の野生植物 コケ」(平凡社)という図鑑で調べてみると、
やはり「柄は0.5〜1?」とあり、また?(サク)については、
「雌器床(しきしょう)はやや深く2(-4)裂し…」とあるので、
デメキンちゃんもいれば、3つの?(サク)をつけている子がいるのも自然なことなのだろう。

ただ、ちょっと食い違うのは、図鑑によると「胞子は夏に成熟する」とのこと。

とはいえ今年はなかなかの猛暑だったので、
?(サク)をつける時期も例年よりずれこんだのかもしれない。

                                               

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