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苔の本棚

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   ▲「道草したい、小さな苔の森@アウラの部屋」 の苔の本棚のなかでPOP紹介した本たち


心斎橋アセンス書店で約2週間にわたって開催していた
「道草したい、小さな苔の森@アウラの部屋」 が7月17日(月・祝)に無事に終了しました。
たくさんの方にお越しいただき、誠にありがとうございました。

フェアの一つひとつの展示物などについては、道草さんのブログが詳しいので、ぜひご覧になってみて下さい。


 
  ▲最終日、道草さんの苔テラリウム講座


 
  ▲同じく最終日のトークイベント。どちらもありがたいことに満席でした


道草さんもブログに書いておられるとおり、今回のフェアはアセンス書店さんから
「自由にコケな空間を作ってほしい」とおっしゃっていただき、ほぼゼロの状態から道草さんと相談して展示内容を決めていきました。

そのなかで、どうしても私がやりたかった展示がこの「苔の本棚」。



▲コケ関連の本と苔テラリウムがひしめき合う本棚


コケにまつわる、もしくはコケ好きなら思わず手を取りたくなる本を集めた本棚で、
なかでもとりわけオススメの本には、コケ好きさんによる推薦文(POP)をつけるというもの。

「書店で開かれるコケフェアなのだから絶対にやってほしいっ」と初めての打ち合わせの時から
アセンスの担当者Kさんに熱弁し(きっと暑苦しかったと思う…)、図鑑から文芸書まで
約70種のコケ好きが読みたい本、読んでおくべき本を集めていただきました。

ここに、会場に来られなかった方と、POP執筆に協力してくださった遠方のコケ好きさん達に向けて、
全POP15枚の内容を紹介したいと思います。  ※並びは執筆者のお名前から、あいうえお順に。



「粘菌生活のススメ」(著:新井文彦・川上新一 誠文堂新光社)

     

「粘菌」というのはコケを野外で探していると結構な確立で出会うことができる、小さく不思議な生き物です。
この本ではその粘菌がどんな生活をしているのか、どんな姿をしているのか、
そしてどんな楽しみ方があるのか、奥深き粘菌生活を綺麗な写真盛り沢山で紹介しています。
変形菌と一緒にコケが映っている写真が多いので、コケ好きの方はそれを眺めるという楽しみ方もありますよ。
【池田英彦/岡山コケの会、マイナー生物好きの生物調査屋】

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「苔のある生活」(著:大島恵・木村日出資 日東書院本社)

     

苔好きには、苔のある生活は当然なのですが(笑)
「苔を育ててんだけど、どれに手を出していいからわからないのよねぇ~」という方には、とても良い本だと思います。
苔玉や、苔テラリウムに、苔盆栽、苔盆景と、苔栽培でも色んなジャンルの作り方を説明してくれているし、
苔の基礎知識、採取方法、増やし方、そして数種類だけど図鑑まで載っている。
ここから、自分の好みに合った、苔のある生活、を知れると思います。
【石倉良信/苔役者】

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「小さな緑の世界 テラリウムをつくろう」(著:ミシェル インシアラーノ・ケイティ マスロウ 草思社)

     

著者が外国の方なので、日本でよく見るテラリウムと違い、ニューヨーカーの苔のレイアウトの発想が面白い。
苔はジオラマの中の芝生や草木扱いで使われていて、多肉植物や、瓶、石、フィギュアなどの小物のチョイスも良い。
センスの良い物だけあって高価な分、自分では中々真似できないが、レイアウトの勉強にはなる一冊だ。
そして、苔好きの人の苔愛は日本も外国も関係ないことがわかる。
【石倉良信/苔役者】

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「こけこけコケコッコー」(著:にしはらみのり PHP研究所)

     

ジャゴケやゼニゴケなど普段光の当たらないコケも多数出演!? コケコロッケや話題のコケスイーツも!
リアルコケスイーツを食べた人間としては、ドキドキしちゃいます。
隠れキャラや、細かな小道具の設定など、コケ好きにとってたまらない絵本です。
【石河英作/道草の人】

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「苔の話」(著:秋山弘之 中央公論新社)

     

活字からコケ入門
文系男子がコケガールの彼女から「コケを見に行きたい」と言われたらどうするか。
まずは他のコケ関連書で美しい写真を予習して、次に本書のしっかりした説明で知識を補完すればまちがいなし! 
基本的な苔の生態から人とコケとの結びつきまで幅広く解説され、明解な文章は何度読み返しても新しい発見に満ちています。
あらかじめ知識を蓄えてから実物に向き合いたい人にお勧めです。
【おおた/読書会主催】

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「胞子文学 名作選」(編:田中美穂 港の人)

    

まず、装丁が奇抜。そして、胞子文学とは何ぞや? 
それは、苔、羊歯、茸など胞子で殖える生物のもつ特殊性を胞子性と呼び、その胞子性を宿した作品を呼びます。
最初の作品は永瀬清子さんの「苔について」、苔について語りながら地球生態系のこと、そして人生観を綴っています。
尾崎翠さんの「第七官界彷徨」の表紙は蘚苔類図鑑。読み進めると、
「みろ、人類が昼寝のさめぎわなどに、ふつと蘚の心に還ることがあるだらう。・・・」。
何のことか気になるでしょう? さあ、この本を手に取って、胞子文学の胞子性を探ってみましょう!
【岸本亨/なりたてほやほやの日本蘚苔類学会会員】

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「コケのふしぎ」(著:樋口正信 SBクリエイティブ)

       

“苔を見てると癒される”“苔ってかわいい!”苔が気になりだすきっかけは人それぞれ。
でも、一度気になりだすと、“苔って花が咲くのかな?”“コンクリートにどうやってくっついてるの??”・・・次々に疑問が湧いてきます。
そんな、苔が気になりだした私たちに“コケなるもの”の生きざまを分かりやすく教えてくれるのが、本書「コケのふしぎ」。
コケの生態から、果てはコケ文学にまで話が及ぶ本書を読めば、気分はもうコケ博士。
超文系人間が読んでもスーっと頭に入る、優れものの1冊です。
【鈴木紫乃/コケ好きの図書館司書】

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「校庭のコケ―野外観察ハンドブック」(著:中村俊彦・原田浩・古木達郎 全国農村教育協会)

    

コケ観察の本格的な入門書
セン類76種、タイ類42種、ツノゴケ類4種の野外でのコケの生態写真と的確な解説、
さらに特徴をとらえた拡大写真や顕微鏡写真が豊富です。
付録には、「センタイ類を顕微鏡で同定する時の特徴」としてセン類58種、タイ類34種の線画が掲載されていて、
ゼニゴケの仲間に注目している私にはこの線画がとても重宝しています。
他のコケの図鑑と並行して見ることが多く、手放せない本です。
【辻久志/コケ写真愛好家】

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「コケの生物学」(著:北川尚史 研成社)

       

難しそうなタイトルですが、何冊かコケの本を読まれた方にはおすすめです。
写真はないですが、挿絵が繊細で美しく、丁寧な言葉での説明がよくわかります。
コケそのもののことだけでなく、これまであまり注目されていなかった
コケとコケを取り巻く生きものたちとの関わりについても教えてくれる興味深い本です。
【辻野由喜/コケ勉強中の会社員】

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「苔盆景入門」(著:木村日出資・左古文男 日東書院本社)

    

大自然の情景を卓上に。
コケにも、様々な表情が…
コケの表現力に注目。
【中川秀行/苔オブジェ専門店「苔なっこ」店主】

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「コケはともだち」(著:藤井久子 リトルモア)

        

ぼくは、この本がおもしろくて、分かりやすいと思いました。
コケをキャラクターにしてコケの個性をあらわしているので分かりやすかったです。
コケの成長のサイクルやコケスポット、コケの主な生息地、コケの見分け方、コケと仲よくする方法といったことが書いてあります。
コケのことを知りたい方や初心者の方にオススメです。
【中川弘光/コケ少年(小学6年生)】

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「コケ図鑑」(著:藤井久子 家の光協会)

    

『出たー!』と叫びたくなる待望のコケ図鑑。コケに興味を持ち始めたら迷うことなく、この一冊だ。
ルーペで覗くコケの小さな世界。ページをめくるたびに実物を見たくなる。フィールドに出たとき、「こんなに役にたつとは」と思うことだろう。
生育場所、分布、サイズと要点がまとめられ、更に近縁種の記述は中級者になれば、ありがたさは倍増する。
また筆者のコケ目線からのメモは必見だ。姿、形に特徴のある182種のコケたちは、低地で観察できるものも多く楽しみだ。
さぁ!コケ図鑑片手にフィールドへGo!
【のだふみ/コケ愛好家・海上の森の会 会員】

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「ミクロの森: 1㎡の原生林が語る生命・進化・地球」
(著:デヴィッド・ジョージ・ハスケル、訳:三木直子 築地書館)

     

テネシーの原生林に1㎡ほどの観察地を設け、1年間通い続けたハスケル博士の記録。
「曼荼羅」と呼ばれるその場所に息づく生物の観察を通して、森羅万象すべての存在が繋がりをもって生きていることを教えてくれる。
全43章の中でコケの章はたった7頁にすぎないが、博士はぜったいコケ好きに違いない!と錯覚するほど
コケに寄り添って観察されているし、進化や生態や味についても書かれており、けっこうコケが褒めてられている(ように思う)。
科学系読み物にしてはかなり詩的で美しい比喩があちこちにちりばめられているので、文系寄りのコケ好きさんにはとくにおすすめしたい。
小さなコケの観察から、さらに感じ取れるものが広がるかもしれません。
【ムシメガネ/岡山コケの会会員】

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「苔とあるく」(著:田中美穂 WAVE出版)

    

コケ初心者がコケマスターになるための指南書。
元祖コケガールともいえる田中美穂氏の手ほどきで自分にピッタリのコケの楽しみ方が見つけられます。
知らなかったことを知る喜び、ルーペ1つとこの本であなたもコケの世界へ!
【森田/主婦(生息地 杉並)】

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「原稿零枚日記」(著:小川洋子 集英社)

    
   
著者の小川さんが「苔とあるく」を読んで発想したという〝苔料理専門店〟が早々から登場し、たちまち奇妙な世界に引き込まれていく。
ルーペ越しの繊細なコケ描写、絶妙なコケチョイスとメニュー、そして独特な食し方はコケ屋視点をも満足させ、興奮させる。
コケ初心者にはぜひとも図鑑を片手に読み進めて欲しいくらいなのです。
【吉田有沙/コケ手芸作家】

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あなたの心が惹かれる1冊はありましたでしょうか。

すでに読んだことがある本でも、その本についての他の人の感じ方や発見を聞くことで、
また手に取ってみようかなという気持ちになったりします。

この夏の読書に加えていただけたら嬉しいです。

最後に、今回のPOP執筆にご協力いただいた
日本各地のコケ好きの皆さまに改めてお礼申し上げます。



 <お知らせ>
明日、7月27日(木)TBS系列の朝の報道番組「あさチャン」(メインキャスター:夏目三久さん)の
「あさトク」(7:40頃~10分間ほど)のコーナーで、コケ特集が放送されます。

北八ヶ岳や奥入瀬渓流でのコケの楽しみ方のほか、今回のイベントの様子も少し放送される予定です。
私は各地について、おすすめポイントなども案内させていただいています。

(以下、言いわけ)
自分で言うのもなんですが、私は内心は緊張していても、
あまりそれが顔に出ないみたいで、トークイベントなどはお相手の力もあって、
いつもなんとなく上手く進んでいたつもりでいたのです。

しかし、テレビカメラに撮られながら話すというがどうにも苦手で、
今回はとくに緊張し、表情もガチガチで、噛みまくりました・・・。

なので個人的には、本当はあまり見てほしくないのですが、
各地のコケの名所についてはぜひ知っていただきたくもあり、もどかしい限り・・・。

もし画面に映ったら私の顔を見ないようにお顔は即座に伏せていただき、
お耳で声だけ聴いていただければと思います。よろしくお願いします(懇願!)。


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