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冬のAKM48 その2

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▲雨上がり。葉がぬれていつにも増してつややかなホウオウゴケ。


すでにお気づきの方もいるかもしれないが、
前回からタイトルにつけている「AKM48」とは、
もちろん「赤目四十八滝」のことである。

言わずもがなこれは、いま全国のアイドルオタクの心を
わしづかみにしているアイドルグループ「AKB48」とかけているわけだが、
そう言ってみたくなったのは語呂のよさのみならず、
自分自身がすっかりAKM48のコケオタクになりそうな予感がするから。

予感というか、事実すでに?追っかけ?を始めてしまっているわけで。

しかもその風貌たるや、手にはカメラと三脚をかたく握りしめ、
背中には観察グッズやコケ本などをパンパンに詰めたリュック。

おまけに季節柄、寒さには勝てないということで
ダウンジャンパーの下に着ているシャツはズボンにIN!

さらにどこにコケが現れる(目にとまる)か
わからないので、瞳は終始ランラン。

コケを見つけたら見つけたで
地面にへばりつき顔はニヤニヤ。

客観的に見ると、アイドルオタクのことをどうこう言う前に、
もうあなたもじゅうぶんコケオタクだよ・・・といわんばかりの有様。


うむ。でも、それでいいのです。

老後まで続けられる人生の楽しみを見つけたのだから。

AKB48を追っかける全国大勢のアイドルオタクらの陰で
これからもひっそりと、でも全力でAKM48を追っかけてゆきたいと思います(キリッ)。



さて、前置きが長くなってしまったが前回のつづき。

月曜日に赤目四十八滝を訪れてから、
火・水曜日は別件の用事をすまし、
再び赤目四十八滝を訪れたのは木曜日のことだった。

天気予報は「雨のち曇り」で神戸は朝から雨。

しかし今日中に東京に戻らねばならないということで、
雨を気にしつつも出かけることにする。

ところがいざ現地に着いてみると雨はほとんど小降りに。
気温もまずまず。これならコケ観察も問題ない。

しかも月曜日はあんなに積もっていた雪が、
今日来てみると見事に溶けて風景は様変わり。



▲月曜日

 ↓


▲木曜日





▲月曜日

 ↓


▲木曜日





▲滝も増水していた。


数日前まで雪に埋もれてまったく見えなかったコケたちも、
やわらかい初春の雨が雪を溶かしてくれたおかげで
どの子も姿かたちがはっきりわかる。

しかも雨に濡れて、いつにも増して緑色が鮮やかで濃くなっている。

突然見どころが増えて、
心の中で嬉しい悲鳴をあげていると・・・

ほら、さっそくここに胞子体付きのコケが!



▲この時点ではそこらじゅうが緑に見えますが・・・




▲さらに近づいてみる。さて、胞子体をつけたコケ、いったいどこにいるでしょう? コケ目線でぜひ見つけてみてください。




▲そう、ここにいました!




▲胞子体を伸ばしているムツデチョウチンゴケ。



ちなみに同じチョウチンゴケ科のコツボゴケやコバノチョウチンゴケも
この時季、同じように胞子体を伸ばす。

それがコケ好きたちにとってはフツーの人の梅見と同じくらい
心をときめかせてくれる春の風物詩となっている。



▲まるで「春がキターーー!」とばかりに天に向かって万歳三唱をしているよう。


それにしてもこれら胞子体、決して雨が上がってからにょきにょき生えてきたわけではなく、
おそらく雪が降るよりももう何日も前(もしくは何週間も前)からこつこつと少しずつ柄を伸ばしてきたと思われる。

たとえ雪が降って、自分のからだが身の丈の何倍もの高さの、そして冷たい雪で覆われても、
こんな細い柄を迷いなく天に向かってのばし続けていたのかと思うと、
なんと根性がすわっていることかと見ているこちらまで身が引き締まる思いがする。

私だったら雪に積もられたら気が弱くなって、一度出した柄も引っこめたくなるかも・・・。

コケのたくましい生命力に敬服である。



他にもこんなコケたちと出会うことができた。



▲スギバゴケ。




▲ゼニゴケの仲間(もしかしたらアズマゼニゴケかな!?)。




▲サナダゴケの仲間(おそらく)。



どのコケもなんと青々としていること!
「やっと雪から出られた」とコケの深呼吸が聞こえてきそう。

これぞコケ本来の生命力あふれる天然自然の美しさ。神々しささえ感じさせる。




▲サナダゴケの仲間の群落。

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