細々と続けてきた「出会えてうれしかったコケ」シリーズ。
今回がようやくラスト!(長かった〜)
最後は奈良大会の時に出会ったコケではなく、
7月の長野コケフォーレとのきに出会ったこの方、
▲エゾチョウチンゴケの雄株
なんといっても特徴はこのツンツンと針のように
おてんとさまに向かって伸びる無性芽!
※無性芽
個体の一部から生じる新個体となる芽。
コケの多くは胞子で子孫を増やす(=有性生殖)以外に、
胞子がうまく散布されなかった時のことも考えて、
雌・雄が合体しなくても新個体を発生させることができる。
この無性芽や葉の一部などから新個体を発生させる
生殖方法を総じて「無性生殖」という。
無性芽は、葉や茎、仮根など
コケの種類によっていろいろな場所につき、
大きさや形もさまざまだ。
しかし、このエゾチョウチンゴケのように、
こんなに目立つ場所に堂々とした無性芽をつけるものは、
あまりないように思う。
なお、ちょっと見えづらいが、茎の先端、立ち上がった無性芽の囲みの中心にある丸い部分、
たとえるならマーガレットの花のおしべのように見える部分は、造精器が集まったものだ。
このように造精器が茎の先端に集まって、
花の形のように見える構造をコケ用語では
「雄花盤(ゆうかばん)」という。
雄花盤はコケの種類によってできるものと、できないものがある。
手元の図鑑によるとエゾチョウチンゴケを含むコバノチョウチンゴケ属の雄株は、
雄花盤(ゆうかばん)ができるのが特徴の一つとのこと。
まわりにすでにちょっと古くなった胞子体をつけた
雌株がいたことからさっするに、
これらの雄株は少し前に繁殖のため雄花盤から精子をだしきり、
しばらく休息したのちに、
「よっしゃ、今度は無性芽でまた子ども(自分のコピー)を増やすか!」
てな具合に、こうしてさかんに無性芽を伸ばしているのかもしれない。
▲おそらくこちらは雌株(雄株のように中心がお花のようになっていないので)。古めの胞子体がちらほら。
そしてよく見れば、雌株のほうも雄株に負けじと
しっかり無性芽をつんつんさせている。
たかがコケ、されどコケ。
体力があり、活動しやすい気候に恵まれたたうちは、
こうしてできる限りのことをして精一杯いまを生きている。
とくにエゾチョウチンゴケの無性芽は
いかにも「やったるでー」という彼らのアゲ↑アゲ↑な
気分が体現されているかのごとき形で、見ているだけでおもしろい。
このアグレッシブな生き方、私もちょっとは見習わなくちゃだわー。
●おまけ
▲7月に長野県伊那市で行われた長野コケフォーレの思い出。
コケフォーレというのは要は地元のコケを観察し、
さらに図鑑と顕微鏡で同定まで行ってしまおうという
2泊3日のコケ強化合宿のようなもの。
日本蘚苔類学会の会員であれば、
初心者でも参加できる非常に門戸の広い会なのである。
宿のごはんもとてもおいしく、
カエルとも気軽にお友達になれるような恵まれた自然の中で、
深夜まで思うぞんぶん顕微鏡でコケを同定し、参加者の皆さんとコケ談義をし、
私にとってはとても貴重なコケ体験ができた合宿だった。
唯一残念だったのは、この合宿の1日目で、
私のいつも使っている一眼レフが壊れてしまい、
予備で持っていたコンパクトデジカメでしか写真が残せなかったこと。
一眼レフだったらもう少し、雰囲気のある写真が撮れたかと思うとちょっと残念だ。
今回がようやくラスト!(長かった〜)
最後は奈良大会の時に出会ったコケではなく、
7月の長野コケフォーレとのきに出会ったこの方、
▲エゾチョウチンゴケの雄株
なんといっても特徴はこのツンツンと針のように
おてんとさまに向かって伸びる無性芽!
※無性芽
個体の一部から生じる新個体となる芽。
コケの多くは胞子で子孫を増やす(=有性生殖)以外に、
胞子がうまく散布されなかった時のことも考えて、
雌・雄が合体しなくても新個体を発生させることができる。
この無性芽や葉の一部などから新個体を発生させる
生殖方法を総じて「無性生殖」という。
無性芽は、葉や茎、仮根など
コケの種類によっていろいろな場所につき、
大きさや形もさまざまだ。
しかし、このエゾチョウチンゴケのように、
こんなに目立つ場所に堂々とした無性芽をつけるものは、
あまりないように思う。
なお、ちょっと見えづらいが、茎の先端、立ち上がった無性芽の囲みの中心にある丸い部分、
たとえるならマーガレットの花のおしべのように見える部分は、造精器が集まったものだ。
このように造精器が茎の先端に集まって、
花の形のように見える構造をコケ用語では
「雄花盤(ゆうかばん)」という。
雄花盤はコケの種類によってできるものと、できないものがある。
手元の図鑑によるとエゾチョウチンゴケを含むコバノチョウチンゴケ属の雄株は、
雄花盤(ゆうかばん)ができるのが特徴の一つとのこと。
まわりにすでにちょっと古くなった胞子体をつけた
雌株がいたことからさっするに、
これらの雄株は少し前に繁殖のため雄花盤から精子をだしきり、
しばらく休息したのちに、
「よっしゃ、今度は無性芽でまた子ども(自分のコピー)を増やすか!」
てな具合に、こうしてさかんに無性芽を伸ばしているのかもしれない。
▲おそらくこちらは雌株(雄株のように中心がお花のようになっていないので)。古めの胞子体がちらほら。
そしてよく見れば、雌株のほうも雄株に負けじと
しっかり無性芽をつんつんさせている。
たかがコケ、されどコケ。
体力があり、活動しやすい気候に恵まれたたうちは、
こうしてできる限りのことをして精一杯いまを生きている。
とくにエゾチョウチンゴケの無性芽は
いかにも「やったるでー」という彼らのアゲ↑アゲ↑な
気分が体現されているかのごとき形で、見ているだけでおもしろい。
このアグレッシブな生き方、私もちょっとは見習わなくちゃだわー。
●おまけ
▲7月に長野県伊那市で行われた長野コケフォーレの思い出。
コケフォーレというのは要は地元のコケを観察し、
さらに図鑑と顕微鏡で同定まで行ってしまおうという
2泊3日のコケ強化合宿のようなもの。
日本蘚苔類学会の会員であれば、
初心者でも参加できる非常に門戸の広い会なのである。
宿のごはんもとてもおいしく、
カエルとも気軽にお友達になれるような恵まれた自然の中で、
深夜まで思うぞんぶん顕微鏡でコケを同定し、参加者の皆さんとコケ談義をし、
私にとってはとても貴重なコケ体験ができた合宿だった。
唯一残念だったのは、この合宿の1日目で、
私のいつも使っている一眼レフが壊れてしまい、
予備で持っていたコンパクトデジカメでしか写真が残せなかったこと。
一眼レフだったらもう少し、雰囲気のある写真が撮れたかと思うとちょっと残念だ。