先日、東京西部にある御岳へ行った時のこと。
ケーブルカーに向かう道の途中で、こんな落し物を発見。
外側にコケ、そして内部には異なる種類の草木の枝(?)が
きれいに層になって組み立てられている、なんとも美しい鳥の巣だ。
手触りも軽くてやわらかで、なんとも言えない良さがある。
コケはよく見るとイトゴケの仲間のようだ。
辺りを見回したが落とし主が見当たらなかったので、
そのままケーブルカーに乗り、ビジターセンターに届けることにした。
ビジターセンターに着き、コケ友でもあるガイドのIさんにコケの巣を渡すと「あら!」と驚かれ、
Iさんの隣にいた同じくガイドのKさんは巣を見てすぐさま「メジロの巣かな?!」とおっしゃる。
そしていったん奥に入り、鳥の巣図鑑を持ってきてくださった。
▲並べてみるとそっくり。やはりメジロの巣のようだ
Kさんによると、表面はイトゴケの仲間、内側の薄茶色はおそらくイネ科の植物、
一番内部の濃い茶色はシュロの樹皮かもしれないとのこと。
またIさんは言う。
「こんなに美しい状態で落ちていたってことは、まだ使う前の巣だったのかもしれないですね」
なるほど。
使用後(つまり子育てに使った)の巣であれば、
もっと鳥の羽や糞が付着しているのが自然だ。
しかし、この巣は完成直後といった感じで使用感がなく、あまりにも美しい。
メジロは毎年春になると新しい巣を作り直すそうなので、
お二人の推測ではおそらく今年作ったばかりの巣が風で落ちたか、
はたまたヘビの襲撃にあって落ちたのかもしれないということだ。
そういえば先月に所要で秋田県へ行った際にも、
お花見をしに来た人々で賑わう満開の桜並木の幹の高い所で、
アオダイショウがとぐろでスズメを巻いて捕食している姿を目撃したばかり。
春は小鳥たちには産卵・子育ての季節だが、
ヘビだって長い冬眠から目覚め、これからの産卵期に向けて
栄養をつけておきたいとても大事な時期なのだろう。
人間たちの暮らしのすぐ隣でまた野生の動植物たちも
悲喜こもごもありながら春を生き抜いている。
巣の持ち主であるメジロにとっては災難なことだったけれど、
またどこかで元気でやっていますように。
●おまけ
▲これらはIさんが最近拾ったというミソサザイの巣。使いかけていたところで落ちてしまったそうだ
▲メジロと違って、ミソサザイは複数のコケを使っての巣作り。シノブゴケとハイゴケと・・・もう何種類か入っていそう
ケーブルカーに向かう道の途中で、こんな落し物を発見。
外側にコケ、そして内部には異なる種類の草木の枝(?)が
きれいに層になって組み立てられている、なんとも美しい鳥の巣だ。
手触りも軽くてやわらかで、なんとも言えない良さがある。
コケはよく見るとイトゴケの仲間のようだ。
辺りを見回したが落とし主が見当たらなかったので、
そのままケーブルカーに乗り、ビジターセンターに届けることにした。
ビジターセンターに着き、コケ友でもあるガイドのIさんにコケの巣を渡すと「あら!」と驚かれ、
Iさんの隣にいた同じくガイドのKさんは巣を見てすぐさま「メジロの巣かな?!」とおっしゃる。
そしていったん奥に入り、鳥の巣図鑑を持ってきてくださった。
▲並べてみるとそっくり。やはりメジロの巣のようだ
Kさんによると、表面はイトゴケの仲間、内側の薄茶色はおそらくイネ科の植物、
一番内部の濃い茶色はシュロの樹皮かもしれないとのこと。
またIさんは言う。
「こんなに美しい状態で落ちていたってことは、まだ使う前の巣だったのかもしれないですね」
なるほど。
使用後(つまり子育てに使った)の巣であれば、
もっと鳥の羽や糞が付着しているのが自然だ。
しかし、この巣は完成直後といった感じで使用感がなく、あまりにも美しい。
メジロは毎年春になると新しい巣を作り直すそうなので、
お二人の推測ではおそらく今年作ったばかりの巣が風で落ちたか、
はたまたヘビの襲撃にあって落ちたのかもしれないということだ。
そういえば先月に所要で秋田県へ行った際にも、
お花見をしに来た人々で賑わう満開の桜並木の幹の高い所で、
アオダイショウがとぐろでスズメを巻いて捕食している姿を目撃したばかり。
春は小鳥たちには産卵・子育ての季節だが、
ヘビだって長い冬眠から目覚め、これからの産卵期に向けて
栄養をつけておきたいとても大事な時期なのだろう。
人間たちの暮らしのすぐ隣でまた野生の動植物たちも
悲喜こもごもありながら春を生き抜いている。
巣の持ち主であるメジロにとっては災難なことだったけれど、
またどこかで元気でやっていますように。
●おまけ
▲これらはIさんが最近拾ったというミソサザイの巣。使いかけていたところで落ちてしまったそうだ
▲メジロと違って、ミソサザイは複数のコケを使っての巣作り。シノブゴケとハイゴケと・・・もう何種類か入っていそう