▲コマチゴケの雄株の群落。(三重県・赤目四十八滝 6月下旬)
いよいよ夏本番、暑い日が続く。
先週・今週と珍しく仕事が忙しく、
さらにオリンピックも気になるしで
またもブログを定期的に更新できず・・・。 ←なんかコレ、毎回言ってますね。。。
そんなわけでそんな時は無理しないで
しばらくは短縮バージョンでお届けしたい(とか言っといて結局以下、長文ですが…汗)。
今年、できる限り回数を重ねて
訪れようとしている赤目四十八瀧(略してAKM48!)。
6月下旬に3回目の訪問が叶い、
またAKM48のコケたちに会ってきた。
前回訪問の時には気づかなかった
ニューフェースたちも何種類か。
その中でもとくに印象的だったのが、
冒頭に載せたコマチゴケ(雄株)だ。
肉厚で柔らかく、そのまま大きくなれば
多肉植物のようにも見えるこのコケは、
女性的な可憐で美しい見た目から
絶世の美女と名高い平安時代の女流歌人・小野小町の
名前を頂いてその名がついたとか。
じつは花のように見えるものの
中心部分は、精子をつくる造精器。
よ〜く見ると、この中心部分が、
花びらのように見える葉の部分よりも
くぼんで高さが低くなっているのがわかる。
このような造精器の構造は専門用語で
「スプラッシュ・カップ」と呼ばれ、
雨や朝露で水滴がくぼみに落ちれば、
水がたまるという仕組み。
つまり、コケの精子は水を介して雌株の造卵器へと移動するため、
カップ状にくぼんだ造精器の部分に水をためておけば、
新たに雨粒などが当たった時に、うまく精子が周囲に飛び散る。
そして運がよければそのまま雌株のもとへ。
ただ美しいだけかと思いきや!
コケが効率よく繁殖することを
追求した結果生まれた機能美というわけか。
う〜ん、エクセレント!
▲生えていた場所は、こんな感じ。瀧のそばの、湿度たっぷり、マイナスイオンたっぷりの涼しい日陰がお好きのよう。
●おまけ
ちなみにこれら雄株、造精器の部分が黄色っぽい。
しかし手元の図鑑をいくつか見ると、
黄色ではなく緑色をしている写真ばかりが載っていた。
時季から察するに、まだ若い造精器だから黄色で、
これから成熟すると緑色になるということだろうか。
次回訪れたときはもう一度よく観察したいと思うが、
どなたかご存じの方がいらっしゃったら、よかったら教えてください。